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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

お~い、置いてきぼりかよ・・

2006-08-03 00:56:09 | よしなしごと


~い、置いてきぼりかよ・・
 今まで何年も一緒にやってきたじゃぁないか
 地上に出たとたんに、ハイおさらばってぇのは
 ち~と冷たすぎるってもんだぜ

 あいいや
 ところでお前はいったいどこにいるんだい?
 おれの頭の上でうるさく鳴いているのがお前かい?
 それとも、さっきションベンをしながら
 隣の樹に飛んでったやつかな?

 るいは、ああ、もしもあるいはだが
 もう鳥かなんかに喰われてしまったのかい?

 れを脱ぎ捨てて行ってしまうってぇのは
 まぁ仕方ないだろう
 陽の目を見たとたん終わりが始まるってぇのは
 おれたちのさだめだからな

 も、残された時間はあんまりないんだぜ
 ちゃんといい相手は見つかったかい?
 おいおい、そのためにこそ
 おれたちは地上に出てきたことを忘れるなよ

 前が相手に恵まれてちゃんといいセックスをして
 その生涯を終えるとき
 おれの使命も終わるのさ
 お前なんか、一緒に地中を這い回ったおれのことなど
 きっと思い出しもしないだろうな

 や、それでいいんだよ
 誰だって、脱ぎ捨ててきたものに
 変な郷愁を覚えたりしないほうがいいのさ
 残された短い夏だもの
 高らかに鳴け!叫べ!飛び回れ!
 それが脱ぎ捨てられたおれをも含めた
 命の息吹なんだから

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