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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

ついに取り壊されることになりました。

2010-11-06 02:44:54 | よしなしごと
 今年の7月10日付の日記で、かつての岐阜県知事官舎(なぜ官舎なのかもその折書きました)が宙ぶらりんな状態であることを書きました。
 たまたま撮影していたところ、県からこれの払い下げをうけた昔の知事の末裔からさらに購入したという人に会い、内部まで撮させてもらったのです。

     
           車寄せポーチのある玄関部分

 その折り私はこれをどうするつもりですかと尋ねました。
 彼は三つの道を示しました。
 そのひとつは県が県政資料として買い上げてくれるよう運動中であること。
 ふたつめは、このレトロな雰囲気を生かして飲食店などが買ってくれればということ。
 そして三つ目は今秋まではそれで粘るが、その両者ともに不可能な場合は建物を取り壊して更地にして売りに出すこと。

     
       斜めに走るは丸太造りの鴨居 これは珍しいという

 結果として最後の運命を辿ることになりました。
 昨日通りかかったら、取り壊しが始まっていました。
 車だったのでその写真はありません。

 取り壊すというと昨今のそれは徹底しています。解体という言葉が示すように、それぞれの部品を取り外して行く様な生ぬるいものではありません。
 でっかいショベルカーでどんどんばりばり、とにかく破壊して行くのです。
 
 内部を見ているだけに、往年の一流の職人の技が詰まった各部分も容赦なくただの木片として破壊されて行くのが残念に思われます。
 仕方がないですね、売れないものは単なるゴミなのですから。

        
            これが傘立てならぬ軍刀立て

 あの珍品の軍刀立てはどうなったのでしょう。
 年季が入って文字通り赤銅色に光っていたドアノブはどうなったのでしょう。
 欄間は? 書院風の違い棚付き床の間は? 珍品だという丸太のままの鴨居は?
 みんなやはり木くずの廃品として処理されるのでしょうね。

        
          下の凹みは鐺(こじり=鞘の先端の部分)を収めるためのもの

 持ち主に会ってその苦渋の選択を聞いていただけに責める気はしません。
 しかし、惜しい気はするのです。
 子供の頃から、このあたりのランドマークだった建造物がまた一つ消えて行くのですから。


 さらに詳細は7月10日付拙日記をご覧下さい。
  http://pub.ne.jp/rokumon/?daily_id=20100710





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2 コメント

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Unknown (冠山)
2010-11-07 21:44:09
あの家が取り壊される。なんとも寂しいです。家が潰される、凄まじい響きは何とも哀しいです。ほんとうに寂しいです。
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Unknown (六文錢)
2010-11-08 02:20:13
>冠山さん 
 もう跡形もありません。
 更地になってしまいました。
 
 そういえば、大西暢夫さんの映画、「水になった村」でも、無情に取り壊される民家の映像が出てきましたね。
 
 子供の頃から見慣れた建物がなくなるというのは、自分の記憶のある部分が引きちぎられるようで、虚しい感があります。
返信する

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