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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

コンサート・長良川・美濃市「あかりアート」

2011-11-27 16:35:40 | 写真とおしゃべり
 ここのところ、心身ともにいささかの疲れが溜まっているようなので思い切って遊ぶことにしました。
 
 まずはサラカマンカホールの昼のコンサートです。
 金沢澄華さんのソプラノ・リサイタルを聴きにゆきました。
 シンフォニーなどと違って一曲一曲が短いので肩肘張らずにリラックスして聴けます。
 華奢な体つきですが、声量は結構ありますし、歌声も美しいと思いました。
 客演はバスの伊藤貴之さんです。
 歌声のみならず話し声もとても低いので会場がドッと湧きました。
 二人の二重唱、ドニゼッテイの『愛の妙薬』から、アディーナとドゥルカマーラの二重唱「なんという愛情!」はなかなか聴かせました。
 また、アンコールでは私の好きな『ドン・ジョバンニ』(モーツアルト)からのドン・ジョバンニとツェルリーナの二重唱「お手をどうぞ」を聴くこともできました。

        

 すっかり満足して会場を出たのがまだ4時前です。
 よしと決心して、長良川の上流美濃市へと出かけました。
 ここでは今月いっぱい、特産の和紙を生かした行灯工芸の美術を町並みに配した「あかりの町並み美濃2011」を催しているのです。

 東海北陸道の高速に乗って飛ばしたせいか、まだ「あかり」を観るには明るすぎます。そこで小倉山近くの長良川へ寄り道をしました。
 吊り橋を渡ると長良川の澄んだ流れを眼下に出来ます。

 
 
 しかし、この下流にあのグロテスクで役立たずの長良川河口堰がこの清流をせき止めているのかと思うと心が痛みます。
 そのおかげで天然鮎も、サツキマスも遡上せず、その他あまり一般に知られてはいない海と川を行き来する生物もその往来を阻止され、一見きれいなこの川も、その生態系は目に見えないところで損傷を受け続けているのです。
 河口堰付近のヤマトシジミがほぼ全滅したことは周知の通りです。

        
         川の中央、せき止められているように見えるのは落鮎を獲る仕掛け

 そんなことを考えていて折角の休日に影が射し始めた頃、山並みに夕闇が迫り始めました。
 早速美濃の街、行灯の通りへと向かいました。

        
 
 街並みはすっかり夕闇の中に沈み、郷愁を誘うあかりがだんだんくっきりと浮かび上がりはじめています。
 やはり岐阜よりもかなり寒いのですが、しかしその寒さがあかりの温かみを一層盛り上げているかのようです。

 
 
 

 幻想的な一つ一つのあかりをじっくり見て回りました。
 あかりを展示してるメインの通りは二筋あります。それらはそれぞれ「うだつ」の密集した町筋としてもよく知られた通りです。
 小一時間も観て回ったでしょうか。
 散策していた人影も次第に少なくなりました。
 それとともに冷気が一層身に沁みます。
 この辺が潮時と町をあとにしました。

        
 
 癒された一日ではありましたが、帰りのハンドルを握りながら、何かしら澱のように沈んでいるものを感じていました。それが何であったのかはよくわかりません。私にとって私は他人なのです。



 
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