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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

【散歩道から】あんな風にはなれないだろうけどなりたいな!

2013-09-29 12:08:17 | よしなしごと
 病み上がりで、まだまだ気温の上下にやたら敏感で、ちょっと暑いと汗をかき、ちょっと冷えるとガタガタ震えが来る有り様で本調子ではないが、喉と鼻に多少の違和感がある程度で、体温は平常、気分もさほど悪くはない。
 そんなわけで、家に引っ込んでばかりでもと思い、ちょっとした用件にかこつけて散策をしている。

 季節は確実に秋に向かっている。
 休耕田にはられた水が、なにやら名を知らない植物の影を宿して秋色の空を写している。ここはいつから休耕田になったのだろうか。

         

 退院以来、何度も彼岸花を目撃したが、なんだか今年のそれはくすんだような、あるいは淀んだような赤で、どこか鮮やかさがない。毒々しい深みもないように思う。夏の天候のせいだろうか。それとも、それを眺めるこちらの主観のせいだろうか。いずれにしても、カメラを向ける気になれないのだ。

 その代わりに、白い彼岸花を見かけたので、こちらの方を撮る。こちらは例年に変わりないように思う。

 

 わざわざ遠い方の郵便局(こちらの方が、往復の自然が豊か。もう一方は市街地のみ)へ手紙などを出しにいっての帰途、優雅に釣りに没頭している人を見かけた。
 その出で立ちがいい。着物姿に角帯、足元は雪駄、なんという粋。
 これで太公望を決め込むのだからなんか唸りたいほどだ。

         

 しばらく静かに見ているうちに大小2尾ほどを釣り上げた。大といってもいわゆる白ハエだからさして大きくはない。
 10分ほどいたろうか、こんな優雅な風景とは離れがたいものがある。

 しばらくすると、知り合いらしいおばさんが通りかかって、「どやな?釣れるかな?」と気さくに声をかけた。
 くだんの釣り人、「まあ、こんなもんだわ」と白い布を日除けにしていたバケツを見せてくれる。
 私もすかさず覗き込むと、そこにはかなり型のいいものを主として十数匹が。
 「結構型のいいものが釣れましたね」と声をかけると、「まあ、白ハエだからこんなもんさ」と、笑顔が溢れる。

 

 いいなあ、あんなふうに無心になれたらいいなあ、と呟きながら帰途につく。どこかで、自分はああはなれないだろうなという諦めの声もする。

         

 新しい休耕田を見つけた。
 私がいつか、稲刈り後に、UFOが降り立ったような痕跡があると写真に撮った田圃だ。あのUFOはその後どうしたんだろう。もうここへは2度と降りないんだろうな。

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