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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

当世老人の免許証取得事情 明日はわが身と知りながら・・・ 

2016-10-31 13:38:04 | よしなしごと
 写真は「ぎふ清流文化プラザ」2階の免許証交付所と同フロアにある空中庭園 

 
 先般、78歳の誕生日を迎えた。
 同時に恒例の(といっても毎年ではないが)、免許証の書き換えを迎えた。ご承知の方も多いが、私のような老人には、書き換え前の「高齢者講習」が義務付けられている。
 この講習料金が高い。6,000円ほどとられる。免許書き換えの本番と合わせれば、約10,000円の出費だ。

            

 その必要性は分からないでもないし、実のところ、自分自身の運転能力を測る客観的なデータとして、私自身は大いに参考にしている。
 問題は、その講習が高齢者の事故防止に本当に役立っているのかどうかがいささか曖昧だという点にある。
 私が受けた折にも、20名弱のなかに、この人に本当に免許を再交付していいのというような感じの人が見受けられた。ようするに講師の指示が理解できなかったりするのだ。ただし、それらの人とは実技では別のグループだったので、運転の腕前はわからない。体で覚えこんでいる面もあるから、私よりうまい可能性もないわけではない。

               

 私自身の成績でいえば、まず、「認知機能検査」では84点(たぶん100点満点、49点未満が要注意)で問題なし。
 実技試験でいえば、20近い項目中、チェックされたのは1項目、「合図忘れ」とある。自分ではパーフェクトだと思っていたので、どこが「合図忘れ」なのかさっぱりわからない。逆にこの辺がやばいのかもしれない。
 ただし、運転シュミレートでの検査では、認知判断の速さは0.568秒で最高レベルだとのこと。自分ではそれほど早かったのかどうかは全くわからない。

               
 
 その他の検査でいえば、動体視力は歳相応に衰えているが、とくに気をつけるべきは夜間視力の低下である。これは謙虚に受け止めるべき数値で、以後夜間の運転はあまりしないように、またその必要があるときはスピードを控え、安全運転に徹することにしている。

 しかし、老いれば能力が低下するのは当然なのだが、なおかつ免許証を求める気持ちもわからないでもない。
 まずは老いても楽隠居とはいかず、まだまだ働かなければならない人たちがいるということだ。第二には、地元の商店街が壊滅した現在、地方に住むものには免許証を失うことはたちまち買い物弱者に陥ることを意味する。

            

 この高齢者講習を受けたのは実はもっと前の夏の頃で、実際の免許書き換えはつい先日のことであった。
 ところで、いままでの岐阜市の免許交付の場所は岐阜市の最北端に位置し、最南端に住まうわが家からは約20キロ近くもあり、しかもそこまでの道が比較的混雑し、何やかやで1時間前には出発しななければならなかった。

 前々回からは、大垣市の免許交付場がほぼ同等の距離で、時間的には遥かに早く行けることに気づき、そこでお世話になっていた。しかし今回、岐阜市の免許交付場が南からみて長良川を越えてすぐ近くにできたので、そこへと向かった。
 
            

 それでも、用心をして40分前に出かけたのだが、なんと20分もかからずに到着し、時間を持て余す羽目になったのだが、幸いにも退屈することはなかった。
 新しい免許交付場は「ぎふ清流文化プラザ」という複合施設の2階にある。この施設は、「県民の文化活動及び交流の場を提供することにより県民文化の振興を図るとともに、地域社会の活性化に寄与する」ということで何年か前にオープンしたのだが、その2階には、プロムナードに最適な庭園がしつらえられていた。

               
 
 先ほどからここに載せている写真はすべて、その「空中庭園」のもの、ないしはそこからの眺望によるものである。
 よく手入れされたこの庭園は、木々、水、花々と多彩であるが、私が感心したのは足下の地面が、もちろんコンクリートではなく、また、ただの土でもなく、おそらく、杉皮など植物性の腐葉土のようなものでしっとりと覆われていることである。
 だからそこを歩くと、ビルの2階にしつらえられた空中庭園であることをまったく感じさせず、落ち葉が積もった里山を散策している気分に浸れる。

            

 ゆっくりそれらを堪能してから免許交付場へ入った。この時間帯はやはり高齢者ばかりで、そこでも首を傾げる状況を眼にした。順番からいって私のすぐ前の人だが、一人では立ち居振る舞いがおぼつかなく、息子さんと思われる人が終始付き添っていた。
 写真撮影の際、そこへ付き添いの人も入ったのだが、それと気づかない写真の係員は、「あ、次の人はまだ!外で待っていてください!」と叱責。「あの、付き添いなんですが」との弁明が必要な始末。

            

 もちろん、その人にも免許証が交付された。それをとやかくいうつもりはない。いってみれば、講習で目撃したことも含めて、明日はわが身なのだから。
 先ごろ横浜市で起こった事故のように、追突し、そのはずみで小学生の列に突っ込んで小一の男の子を死亡させた87歳男性の事例などをみるにつけ、先行きの自分とも比較しながら、密やかなため息を禁じ得ないものがある。

 一応、ゴールドの継続だが、この免許証の期限まで、いまに近い状態をキープできるだろうか。老いは確実に私を蝕みつつある。
 



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