六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

この薄ら寒さは何のだ・・・

2011-04-29 15:41:28 | よしなしごと
  写真は今日の散歩道で見かけたものです。

 もう一週間もすれば立夏だというのに寒々しい毎日なのは、まだ私の体力が回復していないからだろうか。
 それとも、あの大震災の悲惨さが私に刻みつけた痕跡のせいだろうか。

         
              ハナミズキを裏側から

 とりわけ、それに続く人災である原発事故に対して、あのくらいの放射能はかえって健康に良いとうそぶき、なおも原発推進を公言してはばからない御用学者の人間離れした感性に日々接触しているせいであろうか。
 あるいは、大本営の情報を垂れ流すのみで記者クラブ根性にまみれ、自らの定見を持たない堕落しきったマス・メディアの報道に晒されているからだろうか。

         
              美味しそうな絹さやえんどう

 ソフトバンクの孫氏が、自らの寄付金の他にさらに10億を拠出して脱原発の機構の立ち上げを構想しても、それを伝えるマス・メディアはどこにもない。
 ソフトバンクの広告宣伝費と、独占企業の電力会社の広告宣伝費とを秤にかけているからだ。転んでももとに戻る起き上がりこぶしでも、頭に銭を結びつけてやるとその方に倒れる。

         
        こちらはカラスノエンドウ 成熟した実のさやで笛を作った

 一方には人命がかかっているのだが、そんなことはお構いなしにともかくもはじめに原発ありきで、産業だの経済だのを声高にがなりたてる。
 だれも産業や経済を潰せとはいっていない。より安全な代替えエネルギーを追求する中でそれらを維持しようといっているのみだ。その努力すら予め先回りして摘みとってしまおうとするのはなぜなのか。

         
            びっしり花を付けた小型のサツキ
 
 そこに既存のお金が回る仕組み(先に見た御用学者の企業依存も含んで)があるからだ。ようするにみんな頭に金を結び付けられた起き上がりこぶしなのだ。御用学者はそのお金の重力の作用で、脳みそまで傾いているに違いない。
 だから新しいプランよりも既存のものにしがみつく。多くの人命よりも、自分の頭に結び付けられたお金のほうが重いのだ。

         
               大根花のある風景

 そうかと思うと、津波で荒廃し人が住めない土地に広大な記念公園を設置しようというトンチンカンなプランが出てくる。これと、それらの土地に太陽発電の一大基地を設けようとする先の孫氏のプランとどちらが優れているのかを検討することすらされない。

         
                  野アザミか

 おお、寒い寒い。
 津波によってあらわになった被災地の荒廃よりも、もっともっと荒れ果てて醜い光景が露呈している。
 
         
                名残の花びら流る
 
 自然に逃れようとするわけではないが、それらに接するとほっとする。
 自然にお金を結びつけることは出来ないし、できてもおそらく自然はそちらへとはなびかないからだ。

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19 コメント

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Unknown (Tです。)
2011-04-29 17:01:46
孫さんは個人で義捐金100億で自然エネルギー財団に10億円拠出ですね。彼は熱がさめると途中で辞めることがあるので、それだけが心配ですが、日本では異色の経営者ですね。毎日新聞は脱原発に舵を切りましたが、朝日新聞、読売新聞は切れるものでしょうか。中日新聞も。
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Unknown (六文錢)
2011-04-29 18:07:25
>Tさん
 ご訂正ありがとうございました。財団の方は100億ではなく10億でしたね。
 本文も訂正させていただきました。

 孫氏が途中で熱を冷まし放り出さないように祈ります。
 そのためにも周辺がそれを盛りたてる必要があるのではと思います。
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Unknown (只今)
2011-04-29 18:14:11
自由報道協会主催の記者会見でのこと。
 「孫さんの道楽ではないかと言う声もありますが」という質問に対して、答えて曰く、
 「道楽ではないかとか、ドンキホーテーのようなことを言っているとか、プルサマールに反対し結果として逮捕された佐藤栄佐久知事のようになるかもしれませんよ、とか色々言われ、正直、心定まらない日々を送っていますが、しかし人間、時に、どうしてもやらなくちゃならない、ということがあるのではないか、と…」と、目をうるませて俯いた場面が印象的でした。 
 知ったかぶりをするのですが、脱原発に先鞭をつけたのは『東京新聞』というのが、もっぱらの評判。 
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Unknown (只今)
2011-04-29 18:52:51
 孫正義氏のドンキホーテーのような話は、どうしたら聞けるのか、というメールがやってきました。
 
 「自由報道協会主催 孫正義記者会見」と検索すると、USTREAMで出てきます。約1時間半です。
 必聴! です。
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Unknown (九条護。)
2011-04-29 23:57:39
ソフトバンクは一昨年、個人向けの高金利の社債を出して、ずいぶん話題になりました。孫さんにそんな金があるなら、売り切れで買いそびれた私としては、SB社債の再販売を期待したいな。あれは年利5%とか4%だったもんな・・・。買えた人はウハウハだよね。

中部電力の株主の私としては、浜岡をやる、といっている川口社長が頼もしく思えるんだけど、どっちが坂本竜馬か?ソフトバンクでも中部電力でも、利益を出して株主に還元するのが経営者の本務。

最低なのは東電の労組。あの労組は給料二割カットなんて、甘いこと言っているが、東電なんか旧国鉄やJALみたいに潰して、東北電力と中電(周波数違うけど)が関東の電力を供給すればいいんだよ。債務超過なんだから、会社がつぶれて当然なんだよ。二割カットで済むと思うな。東電の労組は、旧国鉄の労組みたいに酷いもんかねえ。潰れないと多寡をくくってるな。
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Unknown (元部平憐)
2011-04-30 00:24:38
違う意見のぶつかりあいは座を活気づけますが、アンタさんのお喋りには、社会に受け入れられない思いを抱えた「議論好きで議論下手な人」の姿が透けてみえる。
 このブログを汚すような下劣なお喋りは止めてください。
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Unknown (只今)
2011-04-30 01:01:58
中電といえば、二十数年前のこと。ある案件を報告するために月に一回、中電本店へ通ったことがありました。
 お会いする人は、初代jR会長と並んで文人財界人と言われた田中会長。
 田中さんは、「交響楽団を持たない都市は、都市とはいえない」と名フィルの理事長を引き受けられ、「東京、福岡にあって名古屋にないということでは、名古屋の子どもたちが可哀想だから」と、ドーム球場を建設するための働きかけを熱心にする人でした。
 その田中さんが、株主対策のために浜岡再開を発表、ということを聞かれたら、何とおっしゃるでしょうか。
 
 
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Unknown (六文錢)
2011-04-30 11:55:07
>只今さん
>Tさん
 いろいろな情報ありがとうございました。
 Facebookの方で、Tさんが企画していらっしゃる死海の落差を利用した発電の話、興味を持って拝見しました。
 IT産業が情報の媒介にとどまらず、社会的問題に積極的に関与してゆくことに関しても大きな興味があります。

>九条護。さん
 今私たちが当面している問題は、こうした悲惨が二度と起こらない保証を現実的にどう打ち立ててゆくのかだと思います。
 したがって、そうしたなかであなたの投資家としての損益などはまったく関わりのない些細事で、それを越えた視点が求められています。
 福島原発で避難を余儀なくされている人たちに、あなたの投資家としての論理を強要することは出来ません。

 東電の社員に関しても、当然厳しい給与条件が提示されるでしょうが、それに対し私は同情します。
 というのは、原発の推進は彼ら個々の従業員の責任ではなく、国家の政策であり、それに呼応した東電の経営陣の決断であり、それを許容したあなた方株主の責任だからです(電力会社が違っても、論理は同じです)。

 株主は、従前から指摘されていた危険性を無視して原発推進を自己の投資額を増進させる手段として容認してきたくせに、いざとなったらその責任を従業員一般移に転化するというのはあまりにも無責任だと思います。
 もし浜岡で事故が起きるようでしたら、それは従業員の責任ではなく、自己の投資から利益を得るためにそれを許容し続けたあなた方株主の責任であるわけです。

 自分の投資を守るためにはどんな悲惨が起ころうが知った事ではない。その時には従業員に責任を転化すればいいという論理はやはりエゴイズムの局地であるように思います。
返信する
Unknown (さんこ)
2011-04-30 14:37:05
九条護さん
明日まで、中区役所8階ギャラリーで、チェルノブイリ25周年の広河 隆一の写真展が、開催中です。
25年たっても、なお放射能は、除染されず、子どもたちは、甲状腺がんや白血病で死んでゆきます。
そのっ表情を、写し取った写真。じっと貴方を見つめる瞳。土地を捨てられない老農民の皺深い顔。

 それらを、ご覧になってから、もう一度、株価がどうこうというご自分を、見つめなおしてください。
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Unknown (九条護。)
2011-04-30 16:15:08
誤解があるようですが、事故が起これば、東電の株式のように、中電の株式も、当然に無価値になります。そういうリスクを甘受した上で、投資をしているわけです。株主の中には、原発に反対の方もいらっしゃるでしょうし、賛成の方もいらっしゃるでしょう。

安定で高配当の電力株の配当で生活している高齢者の方々がたくさんいらっしゃいます。そういう方々の立場を無視して、事故原因とその後の対応の適切さについて科学的検証が終わっていない現在の段階で、反原発を唱えるのも、そのような多くの一般投資家の方々からすれば、一種の風評被害です。

東電が損害賠償責任を負うとしたら、債務超過になりますが、そうなった場合、株式会社として存続できないのは会社法上当然のことで、①第一に株主が株式償却(株式価値がゼロになる)で責任を負い、②第二に会社の清算手続きに入りますから、従業員も当然に雇用契約が消滅します。あくまで、第一に責任を負うのは株主です。それを覚悟の上で投資しているわけです。これは、憲法(29条)で保障された財産権の問題です。

私の考え方は、今日本が原発から逃げたら、二流国、三流国に落ちてしまうということです。日本はポルトガルになってもいいのか?一億人がこれから食べていけるのか?日本に石油があればアメリカと戦争する理由はなかった、再び石油依存に戻ることは中東情勢からしても、国際情勢を不安定にしないか、勝間和代氏もこのような主張をしています。

孫氏の経営のやり方については、高金利社債を発効することで、関連会社のSBI証券の口座開設を増やすという商売のやり方など、疑問で危ういものを感じています。ここらで足元を見た経営をしないと、危ないのではないかと、言われています。それ以外にも、孫氏の経営については過去も現在も、多くのことが言われています。それほど評判のいい経営者ではありません。孫氏の経営について検討された上で、100億円について評価されたのか、私はそのことが疑問なのです。

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