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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

天皇誕生日と月命日とグローバリゼーション

2016-12-23 11:23:13 | よしなしごと
       写真は本文と関係ありません。


           
 世の中はクリスマスだ正月だと喧騒に満ちているが、今年のわが家にはあまり縁がなさそうだ。今年のみならず、もともと年末には、おせち料理をやや張り切って作るぐらいで大したことはしていなかった。そのおせちも、主夫たる私の松の内の家事労働を最低限にという手抜きのようなものだった。
 今年はあまり種類は作らず、日持ちがするもののみを若干作って、正月中の酒のあてにでもしようと思う。
          
 今日は天皇誕生日だが、わが家では彼女の月命日だ。世の中、生まれる人もいれば死ぬ人もいるということだ。
 いささか飛躍するが、その生死のバランスが他の動物たちのように自然環境の変動に左右されるのではなく、自らが生み出した文明の形によって左右されるところが人間社会の面白いところだ。
          
 つい何年か前まで、人口爆発が懸念されたが、今やその逆転現象が起きているようだ。先進国ではその資本力、生産手段を過剰に抱え込むなか、それらに息吹を与える労働力が不足している。ちなみに、日本人の出生数は、明治以来、ついに100万人を割ったという。
 それらが、いわゆるグローバリゼーションとも関連し、資本の海外進出や、外国人労働者の雇用となっているわけだ。そしてそのなかで勝ち組と負け組の格差が拡がることが今や大きな問題になっているが、一方、こうしたグローバルな規模での共労や協同が避けられないということは、いってみれば、国家や私有を超えた世界中の人々の労働や生産においてのシェアリングが必要な時代に至っているということでもあろう。
          
 それが円滑に進み、格差を生み出さないようにするためには、現今のように、力ある者たちがそうではない地域や人々を差別し抑圧しながら、その資源や労働力のみを一方的に搾取するというのではなく、他地域に住み、風俗や習慣、宗教を異にする人たちと生産から配分に至る真に平等な立場での協同関係を結び直すことが必要なのだろうと思われる。
 もちろん、それは言うほど容易ではない。世界革命に匹敵するような地球規模でのシステムの考案であり、文明史的な課題といっていい。
          
 私の生きている間は無理としても、現今の黎明期グローバリゼーションの弊害を徹底的に総括し、すべての人々が自由で平等な関係で取り結ぶ、世界シェアリングとでもいうべき状況がまさに地球規模で生み出されたらいいと思う。
 そのとき、『永遠平和のために』を祈念したカントの志は実現され、彼の肖像が世界通貨を飾ることになるだろう。

 なんか新春雑感のようになってしまった。











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