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「岩波」独善文化の特権性といやらしさ

2014-03-24 17:39:39 | 日記
 名古屋市の一画に「戦争と平和の資料館 ピースあいち」(名古屋市名東区よもぎ台2丁目820 TEL 052-602-4222)という施設がある。
 当初は民間のNPO組織として発足したが、今では愛知県教委の認可を得た「博物館相当施設」である。

 名前の通り、戦争と平和を主題とした常設展や特別展を行うが、それにとらわれることなく、「福島はいま----東日本大震災から3年」といった企画展も行う。その他、会場での各種パフォーマンス、学校への出張授業、戦争体験を伝える催しなどなどを随時開催している。

          
           
 私自身は地理的に離れているせいもあって深い関わりはないのだが、館長以下、ボランティアで活躍していらっしゃる方たちを存じ上げているし、身近なところでは、一緒に同人誌を作っているSさんという先達がいらっしゃって、80歳を過ぎたご高齢にもかかわらず、スタッフとして、また語り部として七面六臂の活躍をしていらっしゃる。

                     

 さて、この施設が開館7年を迎えるにあたって「特別展 みんなで学ぼう日本の憲法」という催しを予定している。【4月29日(火)~5月31日(土)】
 この催しのひとつに、250点に及ぶ憲法関連の書籍を展示するコーナーを設けようという企画がある。
 書籍を置くだけではインパクトがないので、必要と思われる箇所を拡大コピーしてその書籍の上に掲げるという企画である。

                     

 Sさんはしかるべき出版社にその概要を示し、許可を求めた。中には僅少の著作権料を求めるところがあったが、一方、新たな資料をわざわざ送付してくれた出版社もあるという。
 こうしてこの企画は想定通りほぼ成功するところとなった。たった一社を除いては。

          

 その一社が岩波である。担当者は無礼にも、Sさんが丁重に書いた依頼状の余白に「お断りする」の一言を付してFAXで返送してよこしたのである。その後、ブックレットの特定のページの一枚を拡大コピーして展示するのみで、配布するのではない、またそれについての著作権料も払うという説明に対しても岩波は頑として応じなかったという。

                    

 対象となった書は「岩波ブックレット」で、その刊行のことばの末尾には白々しくも、「読者の皆様が、市民として、学生として、またグループで、この小冊子を活用されるように、願ってやみません。」とある。

 これは一体何なんだ!なんとも醜悪ではないか。
 岩波文化という特権意識は、同時に他者を差別し見捨てるものであることが歴然と示されているではないか。
 先に、上野千鶴子氏の講演を断った山口市長でさえ、態度を改めてそれを実施したではないか。
 こんな頑ななことで「秘密保護法」を云々できるのか。
 まさに「秘密保護」を実践しているのは岩波ではないか。

                               
 聞くところによると、岩波は一般採用はやめて縁故採用のみに限定するとしている。
 どんな縁故によるのかはしらないが、少なくとも多様性や複数性に反するような組織への傾斜が強くなるに決まっている。縁故で採ってもらった奴が組織でまともに口がきけるはずがない。
 とにかくこの組織はいやらしい。
 先の都知事選でも影でなんやら暗躍したようだが、表面では口を拭ってシレッとしている。

                     

 岩波で本を出すことが「学者」や「文化人」にとってのステイタスである間は威張っていられるが、そうした高価な全集本などは納入先が決まっている図書館や大学の研究室でホコリを被っていることが多いのだ。
 岩波がもっとも大衆的に奉仕しうるのは、文庫や新書、それにタイムリーなブックレットなどであろう。しかし、この分野ですら、下手な官僚組織顔負けの頑なさで対応する奴がいるとは、もともと幻想は抱いてはいなかったが、見下げ果てたものだ。
 紙媒体については曲がり角に差し掛かっているようだが、岩波のこうした態度は、その衰退を自ら推進しているように思えてならない。
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