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私の春を呼び醒ますコンサート 大阪フィルを聴く

2015-03-08 11:09:26 | 音楽を聴く
 大阪フィル、第38回岐阜定期演奏会を聴きにサラマンカホールへ。
 38回というから大した歴史だ。近年はズ~ッと3月だ。
 そのうち、10回ぐらいは聴きに行っている。
 ここ数年は春を告げるコンサートとして欠かしたことはない。

               

 今回の指揮者は大友直人氏。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%8F%8B%E7%9B%B4%E4%BA%BA
 ヴァイオリン・ソリストに成田達輝氏。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E7%94%B0%E9%81%94%E8%BC%9D
 前者は脂の乗り切ったベテランの指揮者、後者は新進気鋭のヴァイオリニスト。

                       

 曲目は以下の耳慣れたものばかり。
 1)シベリウス『交響詩 フィンランディア』
 2)メンデルスゾーン『ヴァイオリン協奏曲 ホ短調』
 3)ブラームス『交響曲 第一番 ハ短調』


 ただし私にとっては、『フィンランディア』の生は初めて。
 聴覚的にも視覚的にもライブでとても映える曲だ。
 かくて一挙にオーケストラの世界に。

               

 いわゆる「メンコン」は生では3回目だと思う。
 この前は名古屋で諏訪内晶子さんのソロだった。
 さて成田氏(23歳だから君かな?どっちでもいいや)の演奏は華麗にして繊細であった。第一楽章のカデンツァなどは、息を潜めて聴き入るほどの美しさであった。

 で、この人はヴァイオリンのもつそうした繊細さの表現に富んだ人かと思ったのは早とちりで、アンコールに弾いたパガニーニの小品二曲は、その超絶技法を全面に押し出して弾きまくり、ヤンヤの喝采を受けていた。
 パリを拠点に活動しているようだが、世界を羽ばたくヴァイオリニストに成長する予感がする。

               

 ブラームスの『第一』は完成に21年を要し、師のシューマンを飲み込み、ベートーヴェンに迫り、それを凌駕せんとした気迫で、とりわけその第一楽章は息詰まるほどの重装備だ。前のめりに聴いていると肩が凝ってくる。これを聴くと、音楽が憩いや癒やしだというのが嘘のような気がする。ある種の格闘技といってもいいほどだ。
 第四楽章のエンディングは、「これでどうだっ!」と力技でピリオドを打った感じで、鉛筆ならば芯が折れたのではないかという感すらする。

               

 しかし、聴き終わってみると、ドイツの黒い森を駆け抜けてきたようなカタルシスにも似た爽快感が残る。
 大阪フィルの重厚な演奏がそれを引き立ててるのはいうまでもない。

 外は雨だ。
 ひとまず岐阜駅へ出て、酒をいっぱいとそばを食って帰宅。
 さして美味くはなかったが、演奏会がよかったから良しとしよう。
 
 


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