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危機は突然最後にやってくる! 八五歳ヨーロッパ一人旅

2024-08-19 16:13:33 | 旅行
 10日間、私のヨーロッパ一人旅は、事前のリサーチの不十分や語学力のなさ、年齢ゆえの行動力不足などで、決して効率の良いものとはいえなかったが、なんとか当初観るべき対象と設定したものにはたどり着くことができた。
 これには、ライプチヒ在住のK氏の事前の、そして旅行中のLINEを通じての懇切な指示が欠かせないものであったのだが。

 だから、ワルシャワの最終日の夕刻、駅近くのテラスでいつものようにOne beer onlyでくつろぎながら、マアマアだったなと自分の旅に合格点を与えることができた。
     
     

 翌日、ホテルをあとにし、中央駅から20ほどのフレデリック・ショパン空港へと余裕をもって向かう。出発ゲートも確認し、駅ピアノの近くに席を確保し、くつろぎながら帰路の確認。
 近くのピアノから「エリーゼのために」が・・・・。どうしてここでベートヴェンなの?ショパンでは?とも思うが、その後も入れ替わり弾き手が現れるがついにショパンはなかった。
 
      
           
           
      
 最後は入れ墨の父の膝の上の子どもの演奏 NHKの「空港ピアノ」ならカットでは?

 予定ではここからフィンエアーでヘルシンキへ飛び、そこでセントレア(中部国際空港)行きに乗り換えることになっている。

 搭乗時間が近づき、ゲート付近に搭乗客が集まり始める。そこで何かざわめきが起こっている。掲示を見ると搭乗開始時間がなんか大幅に遅れている。周りの客にカタコトの英語で尋ねたりした結果判明したのは、何かのトラブルで離陸が2時間半遅れるというのだ。

 ガ~ン! 2時間半? ヘルシンキでの乗り換え時間は2時間しかない。そこへ2時間半の遅れ?私の帰路はどうなるのだ? フィンエアーのメンバーに訊くがまだ詳細はわからないという。ジリジリした気分で2時間半を待ち続け、やっと搭乗する。
     
             これはポーランド航空の飛行機
 
 通りかかった搭乗員にワルシャワ→ヘルシンキ・ヘルシンキ→セントレアのチケットを示し、これはどうなると尋ねる。どうも彼女にもわからないようだ。「Wait ! 」といったまましばらく帰ってこない。いろいろ調べてはくれているのだろうが、詳細がわかるまで焦燥が押し寄せてきて不安が募る。

      

 ジタバタしても仕方がないと分かっていても気が急く。やがて彼女が戻ってきた。私の示したチケットに、「H's OK. They will WAIT! 」のカードが貼り付けられている。どうも、「大丈夫です、フィンエアーのスタッフがヘルシンキで待機している」ということらしい。

      

 見捨てられてはいないということだから、それに身を任せることにする。ヘルシンキ空港に着くと、降りる私に乗員が新たなチケット2枚を手渡した。
 見ると、明日の成田行フィンエアーのチケットと、成田からセントレアへのJAL のチケットだった。これでひとまず日本へ帰ることができることは保証されたわけだ。

 しかし、まだわからないことがある。私の荷物はどこへ行ったのか?これから明日の成田行まで私はどこでどう過ごせばいいのか?
 
 ここで私を助けてくれた女性がいる。彼女はヘルシンキへの機中で私の近くにいてその経緯を知っていて、ヘルシンキへ着いてからも、私に付き添ってくれた。荷物の到着場へも一緒に行ってくれて、自分の荷物を受け取ってからも、私のそれを待ってくれた。
 そしてついに私のものが現れないことを確認してから、フィンエアーの事務所のようなところへ連れて行ってくれた。

 そこではフィンエアーのスタッフの女性二人がいて私を待っていたかのようで、そこから先は下へも置かぬ扱いであった。しかし、フィンエアーも連携が悪い。付き添ってくれた女性がいなかったら、私はここへたどり着けず、夜半が迫り、無人になった広い空港内に放り出されていたろう。

 このヘルシンキ住まいという女性に丁重に礼を言って別れた。彼女は私のためにおそらく30分以上の時間を割いて、私を助けてくれた。せめて彼女のメールアドレスでもきいておけばといまも悔やんでいる。その背中に何度も頭を下げたぐらいでは済まない恩義を感じているからだ。

 ここでスタッフに会えたことで見通しが立ったのだが、まだまだ問題は残っていた。
 私の荷物は?私はどこで寝るの?もう一〇時間ほど何も食べていないのだが。
 じゅうぶん長くなってしまったので、この続きは次回に譲ろう。 

コメント
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