六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

山椒は小粒でピリリと辛いのを煮てみた。

2019-06-20 18:16:16 | よしなしごと
 農協の野菜売り場に、小さな袋に入った山椒の実が150円であったので、見境いなしに買ってしまった。小女子やチリメンとの佃煮のイメージは一応あったのだがもちろん未経験…。
 
 帰宅してネットで調べたら意外と手数がかかることが判明。
 まずは、葡萄の房状になている山椒の実を、ひとつずつとり外さねばならない。そんなことに根を詰められない性分なので、TVを観ながらの手探りのやっつけ仕事に。多少、茎の残っているものもあるが、これくらいはまあいいか。
 記事によっては、それから水に晒すとあるので、そのまま一昼夜たっぷりの水につけておく。

        
 翌日、それを指でつまむとつぶれるほどに湯がく。そしてそれをたっぷりの水に晒しておく。
 ここからがポイントなのだ。これ以後、どれほど水に晒すかによって山椒の辛さが違ってくるのだ、山椒の辛味が好きな人は、その段階でチリメンなどとの佃煮を作りはじめる。
 
 ただし、注意すべきは山椒の辛さは唐辛子のそれなどとは違って、味覚そのものを痺れさせてしまうことだ。たぶん「辛い」とは違うのだろうと思う。
 こんな話がある。
 山あいの小さな沢で、イワナがいそうだったら、山椒の葉っぱや実を布袋に入れ、石で叩き潰してそれを沢ですすぐと、近くにいるイワナがみんな麻痺をして浮かび上がってくる、それをすくい上げる漁法がある程なのだ。

        
 話を戻そう。湯がいた後、水に晒した山椒の辛さは、その経由に従い辛味が低減するという。辛さが苦手な人は数時間以上晒せとある。
 私は辛党だが、舌が痺れてほかの味覚が失われるのは困るので、結局、2時間ほど晒したもので調理をすることとする。
 ともに煮るのはかえしチリメン900g、山椒の粒は大さじ3杯ほど。
 
 煮汁は、出汁のほか、酒・味醂・醤油、1:1:1の黄金比。砂糖は好みに応じる。
 ただし、かえしチリメンにも下ごしらえが必要だ。チリメンにはその釜茹での過程で、かなりの量の塩が用いられている。それを多少とも取り除くため、熱湯を用意し、そこへぶち込んで、あとはザルに上げ、水分を切るのだ。
 鍋はフライパン、もしくは広口のものを使う。これには後述するように合理的なわけがある。
 まずは、煮立ったところへ山椒の実を入れる。しばらくしてそこへかえしチリメンを入れる。それをしばらく中火ぐらいで煮詰めるのだが、その折、箸などで撹拌するとチリメンが崩れる恐れがある。だから、フライパンや広口の鍋で、揺するようにしながら弱火で煮詰めてゆくのだ。煮汁がなくなる頃が仕上がりだ。

        
 出来た!想定よりやや薄味だが、それはそれでいい。山椒の辛味も、それを噛んだとき、やや痺れがくるが、それほど強烈ではなく、チリメンのいい引き立て役、ないしはアクセントになっている。なんたって、よほどの失敗でない限り、自分が作ったものは美味い(と決めている)。
 詳細は記さないが、並行して作った普通捨ててしまう蕗の葉を小刻みにした伽羅煮もうまく出来た。

        
 山椒の実入りのチリメンの佃煮、蕗の葉の伽羅煮、それに旬のカリモリの浅漬けなんぞがあったりしたら、酒二升でも飲めてしまう。困ったもんだ、
 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする