六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

嗚呼! 春のメランコリー

2019-03-27 00:44:09 | 写真とおしゃべり
  『左翼のメランコリー』という本を読んだ
  左翼という概念が登場して以来 二百年弱
  負け続けてきた左翼の歴史 そして芸術

         
  わが畏友 小林敏明氏の通奏低音はメランコリーだ
  いや それを幾たびか 著書名にまでしているから
  メインテーマであろう 詩人になり損なった哲学者

  彼がいま 雑誌「文學界」に連載している評論には
  私のブログから 想を得たものがあるという
  まっこと「公園のイタチ」(オヤジギャグ)である

       
  薔薇はたぶん 己のゴージャスさを知っているに違いない
  さもなくば こんなに高慢な咲き方はしないはずだ

       
  桜は パッと咲いてパッと散るから美しいなどは
  人間のかってな言いぐさ
  咲き始めの桜に なんの屁理屈があろう
  ただその生が命じるままに 咲くのみ

       
       
  菫はゆかしいといわれ 可憐だといわれる
  しかし 至近距離では けっこう妖しい
  妖しさは花の宿命 花の定め
  次代を残すための 壮絶な闘いの旗印

       
  春風駘蕩 弥生の空はあくまでも明るい
  図書館への車中 フロントグラスに雨滴が点々
  どこかで 狐のお嫁入り
  きっと コン活に 成功したのだろう

  読むと暗~くなるような本を また借りた
  明るくなるような本は どこか嘘っぽいし
  明るくなってしまうことに 罪を感じるのだ

 
 

 
 
コメント (2)
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