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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

漂泊 譚(いわゆるひとつの詩のようなもの)

2015-01-13 16:10:11 | ポエムのようなもの
   

    「漂泊 譚」 

    しょせん漂泊する身であれば
    自分が何処にいるのかも定かではない
    四囲を見渡し
    山があれば山を巡り
    川があれがそれに従う
    しかしやがて道は失われ
    行方は暗く閉ざされる

    そして悟る
    それが漂白なのだと

    しょせん漂泊する身であれば
    いまがいつなのかもさだかではない
    天空を覗い
    星辰の運行を数え
    月齢の示すを読む
    しかし一陣の嵐が来たり
    時は不可視の彼方へ去る

    そして悟る
    それが漂白なのだと

    かくて漂白は大いなる空疎 
    あるいは絶対の自由
    この身を繋ぐ根拠ももたず
    点滅するいくつかの記憶を抱いて
    荒野の真っ只中をゆく

    われはエル・トポ 砂漠の土竜
    ツァラトゥストラの子にして
    デュオニソスの末裔

 
コメント (3)
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