バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

渤海湾のマリンバイオ資源

2005年07月28日 | 海洋 水産

 海藻多糖成分などの物性については 「食品の物性とゾルーゲル転移」 西成勝好教授(大阪市立大学)http://koho.osaka-cu.ac.jp/vuniv1997/nishinari/10.html が基本を教えてくれます。

NHKのTV番組(2005年2月16日)の「ためしてガッテン」放映後の「寒天」人気は相当なもの。 http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q1/20050216.html  TVが取り上げることで健康志向の素材の売れ行きが急増する事例が年数回の波で大きく押し寄せる時代だ。

 ここえきて、身の回りのスーパーマーケットで寒天が見えなくなった。料理に使う角寒天,粉末寒天も空前の売れ行きだいう。この寒天ブームに合わせての健康食品メーカーの動きも盛り上がっている。寒天は、ガラクトースと3,6-アンヒドロガラクトースとが交互に直鎖状に並んだ「アガロース」という糖鎖からできている。マクサ(俗称:テングサ)、オゴノリなど紅藻類を原料に、これを加熱抽出,精製して製造する。 http://www13.ocn.ne.jp/~mizukan/seizoukoutei.htm 水野商店(岐阜県)
寒天の科学(タカラバイオ):http://www.takara-bio.co.jp/agribusiness/technology/kanten_index.html

  このところ海藻成分を健康機能食品素材としての注目度は高い。フコイダン(モズク,昆布)http://www.stg21.com/sup/hukoidan.html、アルギン酸(昆布)http://www.aichi-c.ed.jp/contents/rika/koutou/kagaku/ka5/aruginsan/aruginsan.htmも多糖成分で構成されるもので、低分子化することで健康食品として吸収され易い「オリゴ糖」としても市場に提供されている。分解は酵素でと言うことになる。粘りの有る藻類多糖を低分子化する酵素は微生物、とくに海洋起源のものが多い。

アルギン酸分解細菌の分離・培養
  http://www17.ocn.ne.jp/~riibs21s/batarg.htm

大連から青島にかけての渤海湾は,世界的に注目を集める昆布の産地だ。毎年この渤海湾海上から入る旅が重なり、昆布利用工業についてのコンサルタントの仕事も忙しい。昆布からヨウド(妖度)、マンニトール,アルギン酸を抽出する総合工場が数多く営まれてきた。時代のニーズはアルギン酸に搾られた形に特化している。従って廃水のBODも益々高濃度化に向かっている。35,000ppmはとっくにオーバーしている。利用度の低下以上に工場設備の老朽化が著しい。きれいな渤海湾を目指す中央政府も青島海洋大学を中心に環境工学的なメスを入れているのだが、昆布処理工場の近代化は一向に進展する気配も無い。

  副生物の総合利用を初めとする廃液,廃棄物を農産廃棄物、生ゴミ,食品工場廃棄物などを組み入れた総合処理へと対応が急がれる。大連市で中心的バイオ企業を目指す珍奥集団公司http://www.zhen-ao.com/ http://mkmilk.hp.infoseek.co.jp/china.htmに掛けられる期待は大きい。そんな激を珍奥生物工程公司の李総経理,喬研究所長宛にe-mailを届けたりで、このプロジェクトが動き出す時もみえてきた。