イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ニュートンが万有引力に

2017-04-13 00:53:40 | ニュース

 なんとまあ世間には浅田真央選手大好きな人がそんなに多いのかぁ・・と改めて驚いたりあきれたりしたこの一両日でしたが、やっぱり継続は力なりですかねえ。小学生の頃からジュニアの有望天才少女スケーターとして媒体に出まくりだったので、縁もゆかりもない一般人でももう20年近く、上り坂の時も壁につき当たった時も見て、応援したり心配したりしてきたから、もう擬似家族の一員みたいな感覚なのかもしれませんね。

 ソチ五輪でのSP出遅れの後、某・元総理が「あの子は大事な所で必ず転ぶ」とコメントして袋叩き八つ裂き曝し首の血祭りにあげられたのは記憶に新しいところですが、知性や思慮や洞察力が見事に欠落したあの元総理だからこそ逆にある意味本質をついているところがありまして、実力不足や集中力欠如が原因して"転ぶ"ことがまず無い選手だったからこそ、実力ナンバーワンの選手がナンバーワンの結果を出すための"最後のひと吹きの風"に、"大事な所で"微妙に恵まれない場面が目立つ人でもありました。引退を表明した途端全メディアがずわーーっとなぎ倒されたように彼女のほうを向いてライトを当てる要因はそのへんにもあるように思います。目が離せないんですな。離せない気分にさせるのです。普通に普通の風が吹いて、何も起こらないかも知れないのですが。

 それより、今日(12日)は出先のロビーのテレビで記者会見の生中継をやっていまして、最後のほうだけ見ましたが、あれは笑ったなあ。「最後にトリプルアクセルに声をかけるとしたら何と言いたいですか」・・ロビーに他にもお客さんはいたんだけど久しぶりに腹かかえて笑いました。

 いやさ真央選手のスケートキャリアはざっくり言えば"トリプルアクセルジャンプに賭けて殉じた"人生だったとも言えるからこういう質問を思いついたんでしょうが、そこまでの質疑応答の文脈からぼこーんとタンコブみたいに浮き上がりまくっていて、もう真央選手がしばし戸惑いつつも笑顔で答える前から、質問自体に手足が生えてどかどか歩き出しそうでした。すごいよねぇ。王貞治さんが引退するときに「一本足打法に声をかけるとしたら」故・久島海関のちの田子ノ浦親方に「小手投げに声をかけるとしたら」志村けんさんに「アイ―ンに声をかけるとしたら」辻元清美議員に「ソーリソーリに声をかけるとしたら」ってのと同じ。声なんてかけらんないでしょうに。一心同体だものねえ。

 そこで考えてみました「この人がコレに声をかけるとしたらシリーズ」

 ●安倍晋三総理がアベノミクスに声をかけるとしたら:「ボクのこと大好きでしょ?大好きだよね?」「要所要所で、ちょっとずつ裏切ったろオマエ」「ボロが出ないうちに早く身を隠せ早く!」

 ○芳根京子さんが『べっぴんさん』に声をかけるとしたら:「ヒロイン本当に私でよかったと思う?」「娘は産まない話になってほしかったなー」「5年後にもう一度演らせて、脚本全とっかえで!」「なんか、なんかなー」

 ●堺雅人さんが真田信繁に声をかけるとしたら:「あのー文句はいろいろあろうかと思いますがぜんぶ三谷さんのほうに」「アナタの場合、嫁さんが何考えてるかって通常わかってました?」「天下取ってほしかったー!早く死に過ぎですよ」

 ○サーバルちゃんが『けものフレンズ』に声をかけるとしたら:「すごーーい!」(一択)

 ●水谷豊さんが杉下右京警部に声をかけるとしたら:「夏服って持ってる?」「髪型がワンパターンなんだよ!毛根に負担かかるだろ」「未来を変えたい?それとも、変えたくない?」

 ○蓮舫党首が民進党に声をかけるとしたら:「シャキッとしないと、解体するわよ!(←すでに水面下で分解中)」「マジで日本語名前に変えた方がいいと思う?」「ったく、男どもが誰も貧乏くじ引かないから私ばっかり!」

 ●石原慎太郎元・東京都知事が東京都に声をかけるとしたら:「・・脳梗塞の後遺症で忘れてしまった」

 ○金正恩第一書記がムスダンミサイルに声をかけるとしたら:「ボクのに似せて作れ!絶対!って厳命したんだけど、ここだけの話、ちょっと盛り過ぎだなテヘペロ(←ちょっとじゃない)」

 ・・最後に下ネタになってしまいました。

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ii谷の少女(←番組違い)

2017-04-12 00:28:08 | 朝ドラマ

『ひよっこ』の茨城弁、と言うか正確には劇中のヒロイン谷田部みね子(ちょっとふっくらしてカントリー感濃いめの有村架純さん)の故郷"奥茨城村"が設定されている"茨城県最北西部弁"パワーがすごいという話を前のエントリに書きました。

 濁音とは直接関係ないのですが、3日(月)放送の第一回で早速、これ茨城弁?と思わず耳が立ちました。

 みね子が「(今朝は鶏が5個も卵を産んだから)茹で卵、お弁当にひとつ、入るかな~?入るよね~?」とお母ちゃんにねだると、聞きつけた小学生の妹と弟が「ずれえ!」「ずれえ!」と駆け寄ってくる場面。

 茹で卵一個お弁当に加えるのがそんなにスペシャル有難いのか・・と早くも昭和39年日本の農村ワールド、団塊世代の青春期ワールドに引き込まれるわけですが、「狡(ずる)い」を「ずれえ」と転訛するのはかなり珍しいと思う。

 月河の身近で、言葉崩したいさかりの年代の中高校生たちは、ゲームのプレイ中や会話の中で「ズルっ!」「ズルくねーし」等とはよく言ってますが、「ずれえ!」をナマで聞いたことは、月河は一度もないです。

 だいぶ前、このブログで"〔-ee-〕化の拡大"について書いたことがあります。

 うんとくだけた、お行儀をはずした話し言葉で「でかい」を「でけえ」、「居ない」を「居ねえ」、「痛い」を「いてえ」とは、江戸っ子でなくても男子なら普通に全国で言うと思います。親や目上の人のいない内輪なら女子も言います。これは〔-ai〕の〔-ee〕化です。「1万円もすんの?たけーよ(=高いよ)」「おまえそういうのうぜー(=うざい)んだよ」等いたるところで〔-ai〕は〔-ee〕化しまくっています。

 また「凄(すご)い」を「すげえ」、「ひどい」を「ひでえ」も一般的です。これは〔-oi〕の〔-ee〕化です。一般的ではあるものの、〔-ai〕に比べると、手あたり次第というほどの勢いはないみたい。「メールの返事遅せーな」とは言っても、「アイツ何考えてんだか、ったく腹グレエんだから」とはあまり言わない。「暗い」が「くれえ」になっても、「黒い」は「くれえ」にならないでしょう。言いやすい場合においてのみ、といったところでしょうか。

 ところが、10年か15年ぐらい前から、おもに若手芸人が多く出演するネタ番組やトーク番組で、そうではないという否定の「違うよ!」を「ちげーよ」と言うのを多く耳にするようになりました。ついに〔-au〕にも〔-ee〕化の波が押し寄せたのです。

 個人的な所感ですが、この場合は”違う”という単語に固有の或る事情がこの特例を許したのではないかと思う。それこそ江戸弁で強い肯定の後に強調フレーズとして使われる「違(ちげ)えねぇ(=違いない)」からの派生ではないでしょうか。”違う”の名詞形=”違い”の〔-ai〕が、自然の勢いで〔-ee〕化して”違(ちげ)え”になり、否定辞の”~ない”の〔-ai〕の〔-ee〕化と相俟って、一語の中で韻を踏む様な「ちげえねぇ!」という実に勢い良く言いやすい口語フレーズが出来てしまった。これが皆さん、本当に気持ち良かったのではないかと思うんですね。だから、同じくらい勢いよく否定したいときに「違う」でなく「ちげーよ」と言ってしまった。転訛としては法則外れの無理筋なのですが、勢いのほうがまさった。

 そしてここ、『ひよっこ』でついに、「ずるい」を「ずれえ」と言う、〔-ui〕の〔-ee〕化までが堂々登場したのです。

 〔-ui〕を考えれば、「熱い」を「あ(っ)ちい」、「悪い」を「わりい」と言う〔-ii〕への転訛が普通です。「悪りーねわりーね、ワリーネ・ディートリッヒ」なんてギャグも成立している。「寒い」を「さみぃ」とは芸人の内輪同士ネタ批評では言うかもしれませんが、「眠い」を「ねみー」、「不味(まず)い」を「まじー」とはあまり聞いたことがない。やはり言いやすいかどうか次第なのでしょう。

 とりあえず、千代子ちゃんと進くんが”姉ちゃんだけお昼に茹で卵食べられんのズルい”と思ったら、日本語の最大公約数的な転訛なら「ずりぃーー!」と言うはずなのです。それが「ずれえ!」「ずれえ!」になるのは、コレやっぱり茨城弁の一環なのかな。お母さんの美代子さんも、特に女の子の千代子に「そんな汚い言葉はいけません」とたしなめる気配もなく、NHK朝ドラらしく方言に関してはナチュラルで寛容な一家なので、やはり”地元の人間同士や家族間では特別荒っぽくも下品でもない普通なローカル言葉”ととらえるべきなのでしょう。

 翌4日放送の第2話では、「お姉ちゃんも電話でお父ちゃんと話したの?ずれえ!」「ずれえ!」という天丼もありました。ドラマ的には方言どうこうと言うより”お姉ちゃんだけが大人の世界に足を踏み入れていて、ちっちゃい弟はともかく私までまだ子ども扱いでなんかくやしい”という、推定小4ぐらい?の千代子ちゃんの可愛い苛立ちを表現する言葉なのかもしれません「ずれえ」。

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ポーグカヅサンド

2017-04-07 22:51:12 | 朝ドラマ

 いきなり笑ってごまかします。だははははははは。あんまり長期間ブログを放置したのでまたしてもやらかしてしまった。ログインパスワードを忘れてしまい、自分のブログを、閲覧はできるけど管理も投稿もできないという一般通行人になってしまいました。パスワードなんてついでのことに新しく変えてしまえばいいんだけど、この前同じ状況になったとき設定し直したやつが、結構、気合い入れたそれだったもんで、どこかに書いてあるはずだ!と、デスク周りの紙資料を渉猟すること約一時間半。あーーやっとこじ開けた。ふぅーー。

 全国の、放置ぎみに運営しているブログ管理人の皆さん、こういう経験はありませんか。ありますよね?ない!?月河もインターネット環境になって見るもの聞くもの新しかった頃に勇躍ブログを開設したので、当初3年ぐらいは体温も高く、更新頻度も高く、自分の携帯番号を忘れる分でもログインパスワを忘れることなんかないと思っていました。いかんいかん。ブログは細く長ぁぁぁく、途絶えさせぬように、牛のよだれのように続けることに意義があると思うのです。商いと違って、儲けは出ないですが。

 んで、何を投稿しようかといえば、そりゃもうこの時期、3日(月)から放送開始したNHK連続テレビ小説『ひよっこ』、行っとかなきゃしょうがないでしょう。

 それでなくても、半年ごと、朝ドラが新作にタッチ交代する頻度と当ブログの更新頻度が限りなく歩調を合わせている、"朝ドラが替わらないと更新しない"ブログと化している今日この頃。

 久々、前のめりで食いつけそうな濃密さ、高温、多湿、高風圧の予感がします。匂いが強い。土の匂いかな。マカロ・煮グラタンの匂いかしら。この圧力があれば、『とと姉ちゃん』が食い足りなかったことも、『べっぴんさん』がとっ散らかったことも吹っ飛ばせそう。なにしろ有難いことに始まったばかりなので、分析する時間がたっぷりあります。

 シンプルにまず1コ挙げておくと”茨城弁パワー”でしょうな。なんたって、濁音が多い。濁らなくてもいいところで微妙に濁音になります。これがドラマの風圧と匂いの濃さをいや増しています。前2作が結構ヒロイン急上昇・急確変のお話だったのにどこかスカしていて現実感が薄かったのも、劇中方言がさらさら綺麗めだったせいもあるのではないでしょうか。今作は、取り返してお釣りがくるくらいミチミチミッチリしています。

 それにしても、食パン四つ切りサイズのサンドイッチを箸で食べるものと思っているくらい洋食になじみがなかったのに、美代子お母ちゃん(田舎の母ちゃん演技がとても楽しそうな木村佳乃さん)「ぽーくかつさんど」って名前が、発音はともかく、よく出てきたなあ。すずふり亭で包んでくれたお持ち帰り函にタイトルとトリセツみたいの入ってたのかしら。洋食屋さんなのであくまで”トンカツ”じゃなく”ポークカツ”なんですね。

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