イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

六なもんじゃねえーー

2017-04-29 00:08:45 | ニュース

 元・衆議院議長で元・文科大臣その他歴任の伊吹文明さん、この前の衆議院解散での「バンザイはここでやって下さい」が印象的で、あんまり印象的だったので月河もこのブログのエントリタイトルに使わせていただいた記憶がありますが、その後もたとえば教育現場での体罰の可否や働き方改革についてなどのコメントを仄聞するにつけ、いろんな意味で非常に現実主義なかただと思います。

 理想と現実が背反したら迷わず現実を取る、けれども取りながら顔色一つ変えずきちっと理想を述べる、みたいな。いや二枚舌だとか偽善だとかいうのとは違うんですよ。なんか、この人の発言は身もフタもないんだけど、その身もフタもなさを「身もフタもないよね」と腹の中で評価しているような独特の醒め方があって、結論から言えば、好きか嫌いかで言えば月河はかなり好きです。

 その伊吹さんが、同じ二階派の例の失言リピーター今村雅弘復興大臣の”再犯”と更迭について、「政治家が失言しないために注意すべき六つの”た”がある」という、これまたすがすがしいまでに現実的なレクチャーを、同派の会合で展開してくれました。

 伊吹さんいわく、1.立場を弁える 2.「正しい」と自分が思っている事を言うとき 3.多人数の前 4.旅先 5.他人の批判をするとき 6.たとえ話をするとき ・・・と、この6つのオケージョンで”ひと呼吸”おいてからクチを開く様に気をつければ「そうおかしなことは起こらない」とのこと。

 確かに、講演会等のステージに立って大勢の聴衆を前にすると、全員が自分の支持者なわけないのに妙にテンションが上がって余計な事を言ったり、議事堂や選挙区を離れて外遊すると気が緩んだり、ぶら下がり記者団や討論番組の相手を下に見て「難しい話を頭のいいオレ様がわかりやすく砕いてやろう」ついでにウケよう、なんてヘタな小噺的たとえ話をしてダダ滑りしたりはよくある事だし、第一項の「立場を弁える」にいたっては、わきまえられないヤツが選挙で受かってる自体選挙民もおかしいよって話ですが、この中でいかにも伊吹さんらしいなあと思うのは2.の”正しいと思っている事を言うとき”ってところです。

 伊吹さんの言わんとするのは、「”正しい”にもいろんな考え方があり、人によって違う。自分にとって正しくても、そう思わない人もいる」ということのようです。3.の”多人数の前”と一部かぶるところもありますが、人は自分が正しいと信じるところを述べるときには、我知らず居丈高になったり、同意しない者に断罪モードになったりしがちで、政治家というものが志(こころざし)あって成立する職業であることを前提としたうえでの戒めと言うべきでしょう。

 しかし政治家ではない我々が伊吹さんのこの現実的助言を聞いててなんだか釈然としないのは、「”正しい”にもいろんな考え方がある」、つまり政治家にとっての正義と、一般人にとってのそれとが乖離するのも”ままあること”と認めたうえで”乖離がバレないように政治家がクチに気をつけろ”と、政治家向けオンリーの助言をしている、なおかつそれが政治家以外の人のほうが多数見聞するTVや新聞で報道されている、ということです。

 これ、プレスに公開されている派閥会合じゃなく、それこそ隠れ家的な料亭かどこかに”やらかしそう”な議員をピンポイントで二、三人ぐらいずつ呼んで、芸者さんとか居たら席外させて「・・以上、六つの”た”だからな、ここだけの話くれぐれも口外するなよ」と肩を叩いて(叩かなくてもいいが)因果を含めるべきところじゃなかったんでしょうか。

 こういう”地位を守りたい政治家のための秘密レクチャー”が堂々と肉声動画で報じられちゃってる事まで含めて、伊吹さんとしては「読みの範囲内」なのかな。

 そもそも「政治家が”失言しないため”の六つの・・」って、失言しなけりゃそれでいいと思ってんのか!とツッコんだ国民が全国に相当数いると思われます。ただ、月河は、この点に関しては伊吹さんは75パーセントぐらい読みに入れてる気がする。勘ですけど。

 あと、ひとりで騒動のタネを蒔きまくって自分でえっさこらさと墓穴を掘った今村雅弘前・復興相。こういう人に限って燦然と、歴然と東京大学法学部卒なのはいまさら驚きもしませんが、1947年(昭和22年)1月生まれだそうで。

 どっかで最近聞きましたよ。いや聞いたんじゃなく書いたのか。月河が。

 昭和22年の早生まれといえばまさにみね子(@『ひよっこ』)の同学年ではありませんか。東京五輪の年の高3。「新しい世代の幕開けだっぺや、な?」(by宗男叔父さん)。今村さん佐賀県生まれ、県立高校出身で、東大法に入ったときは”わが校の誉れ、希望の星”と呼ばれた事もあったでしょうに。叔父さんに「すげーな、かっこいいなー」と感嘆された”みね子ら”世代の、全国レベルの出世頭だったはずが、あれから半世紀余り年月は流れ巡りめぐって、こんな”議会制民主主義のツラヨゴシ”になり下がってしまいました。みね子は今日(28日)放送分で同級生の時子、三男とともに東京に旅立っていきましたが、同時期卒業でずっと頭いいグループにもこんなのもいるんだから、安心して(安心しちゃダメか)自分の道を見つけてほしいものです。

コメント
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