東京・赤坂すずふり亭(@『ひよっこ』)シェフこと佐々木蔵之介さんの「オレ、これでいいや~」という、さりげなくものすごいチャレンジングなフレーズに惹かれたわけじゃありませんが、最近SUNTORY ALL-Free(オールフリー)をリピートしています。
これがリリースされた当初、確か6~7年前で三浦友和さんと榮倉奈々さんがCMをやっていた頃だと思いますが、アルコール0.00%のみならずカロリーも糖質もゼロって健康的過ぎるだろ、健康的なモノが美味いわけはないわいと、タカをくくりながら試飲してみたら(試飲自体タイヘンだったんですよ。世の中健康的を好きな人がよほど多かったと見えて、発売早々ソールドアウトで一か月ぐらい店頭から消えたんです)、案の定というか月河としては「そうだよそうですよ、健康的とくりゃこうでなくっちゃ」と心から安堵する、あからさまな直球な不味さ。いやいまとなっては失礼な話だけど、うすら甘いわ化学薬品臭いわ、泡はすぐへたれるわで、こりゃいくら世間で人気でも熨斗つけてお返ししますという感じしか持てませんでした。
しかしその後月河も周辺も環境が激変。アルコール0.00%のありがたみが切々と身にしみる様になり、一昨年ぐらいから、それまではSUNTORY金麦かKIRIN淡麗生グリーンを飲んでたような場面で、アサヒドライゼロ一択になりました。飽きるとときどきドライゼロブラックにしたり。同ジャンルの中では、化学薬品っぽさの少ない素直な味で、ブラックのほどよい”濃エグ”味も含めて、あまり”健康的の押し売り”感がないのが結構気に入ってました。
そんなとき、上述のすずふり亭シェフの「これ”で”いいや~」を聞いて、おぉ何と大胆に”攻めてる”CMだろう!と思って再度試飲しました。缶の左肩に「旨味アップ!」の赤いタスキがけ。白地基調の缶の質感も、もとはつや消しマット仕上げだったのがツルッとなってます。
飲むと・・アレ?あのうすら甘みがない?後くちがホロ苦く本物っぽくなってる?アレレ、泡もしっかり立っててサイダーみたいにプチパチ消えなくなってるよ??と、想定外の驚きの連続。
ソールドアウトで軽く騒ぎになった頃から、月河のように興味本位の「どうせ」とタカくくったヨコシマな客の所感にも耳傾けて、聞けば6度めか7度めの製法リニューアルだそうです。ソールドアウトになるということは、「美味ければ飲みたい」という潜在リピーターが多かったという事で、期待に応えて洗練に洗練を重ねて、この月河をして「これだけ味レベル上がってるなら、もはや健康的である必要なくね?」と思わせる出来になりました。
満足すると満足なままずーーっと行けばいいのに、”泡系”飲料に関しては根が滅法ヨコシマな月河は今日、ライバルのSAPPORO+(プラス)を買って浮気してみました。同じ0.00%、カロリー糖質プリン体ゼロ。
・・・・やっぱり浮気は浮気でした。旨味もホロ苦さも薄っすーい。この分野ではやはりALL-Freeに一日の長があるようです。リニューアル前に、発売いきなりソールドアウトは伊達ではなかった。
しかし、すでに「Alc0.00%を前提にした生活」に慣れてしまっているからふだんは何とも思いませんが、カロリーも0、糖質も0、プリン体も0ってなると「自分は、いったい何に100円少々のおカネを払っているんだろうか」と、ふとした拍子に妙な疑問を感じる事もあります。そんなに火を噴いて死に物狂いでゼロにしなきゃならないほど悪者だったのか、カロリー糖質プリン体。あとAlc。これらがぜんぶゼロで、そしてなおかつそれらをこってり含んだビールと遜色ないそっくりさん味って、「いったいコレ何で出来ているんだ?」と微妙に薄気味わるくなったりして。そっくりに似せる化学技術に払う100円少々なのか。
それから、例のCMですが、「これでいいや~」の佐々木蔵之介さん1968(昭和43)年2月生まれ、「これがいいや」とフォローする黒木華(はる)さん1990(平成2)年3月生まれ、CM動画中では何関係の設定なんでしょうか。22歳差ですから普通に考えれば”自由なお父さんと独身の娘”ですが、「魚だけさばいてくんない?(鯛と)目が合うんだよ」と言うときの蔵之介さんが、どうも娘に頼むテンションじゃないんだな。
年の差カップルとしたら、12歳はアリでも22歳差はちと問題なくないこともないんじゃないですか(どっちだ)。49歳蔵之介さんはべらぼうに若く見えるわけじゃないし、27歳黒木さんがどえらく所帯じみてるというわけでもない。そこらへんの腑に落ちなさ、SUNTORYのCMらしいっちゃらしいですが。