イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

隠岐の毒さま

2008-11-19 00:13:09 | ニュース

クリスタルガイザーの異臭回収報道で、非高齢家族が「23本買ってあったはずだ」と言い出し、どこにどこに?と調べたら、調味料棚に2本、確かに買い置きありました。

でも回収対象は、賞味期限201061日から819日までとのこと。ウチのは2本とも同年320日。セーフ…ってもっと古いじゃん。早いとこ飲みましょうや、ってんで速攻冷蔵庫に入れて冷やして飲んでみましたが、異臭も異味も異色も何もなし。

ちょっと前にも、カップ麺から防虫剤臭がすると話題になったことがありましたが、要するに流通させる側も買う側も、食品工業の保存技術進歩に慣れ過ぎて“賞味期限”や食品の日持ちを過信し過ぎなんじゃないのかな。昔は、買ってから何ヶ月も食べずにしまっておいてもいい食品と言ったら、缶詰ぐらいしかなかったものです。カップ麺のスチロール容器って、軽いことの利便性で忘れられがちだけど、結構薄手だし、ペットボトルのミネラルウォーターに至っては、透明の容器に透明の内容物を詰めてるんだから、流通倉庫であれ自宅の押入れや食品棚であれ、長くしまい込んでおけばしまい込んだなりの味や匂いになっても何もおかしいことはない。

やはり、買ったら即、食べる飲む。即食べる飲む以上に、食べ物飲み物を買い込まないしまい込まない。カップ麺やミネラルウォーターは災害非常時用の備蓄品の定番でもありますから罪深いですが、“食品は数ヶ月ぐらいストックされていて当たり前”という、飽食の時代の通念が異臭を引き寄せている気がしないでもありません。

NHK朝ドラ『だんだん』はどうなっているのかなと思ったら、夢花(三倉佳奈さん)は、プロ歌手になるならない、芸妓への道に専念するしないを別にして、すでに音楽事務所若手スカウトの石橋くん(山口翔悟さん)に夢中なのね。この辺り、めぐみ(三倉茉奈さん)と違って“家族”“家庭”の味を知らないだけではなく、普通の10代の学園生活や、異性同性取り混ぜての同年代交友とも縁が薄かった祇園っ子のぞみの危うさをよく表現している。めぐみのように石橋を「強引な人」「迷惑」「私たちをデュオ歌手にしたいからしつこく構ってくる」と醒めた目で見られない。義務教育まではたぶん共学の小中学校にかよったのであろうのぞみですが、“自分をいずれ芸妓になる者として見ない異性”に出会ったのは石橋がたぶん初めてのはず。

それプラス、もうひとつのぞみがめぐみに比べてかわいそうなのは、めぐみと出会い家族の秘密を知り、石橋から歌手云々を吹き込まれる前から、舞妓→芸妓の本業である“舞い”があまり得意ではない…と描写されているんですね。いろいろなことが起きて気が散り出し、お稽古に集中できないから伸び悩み始めたという描かれ方ではなかった。

“音楽の夢は捨てて、地に足のついた仕事として介護福祉士を目指す”と決めると(さほど勉強ができる、優等生描写はなかったにもかかわらず)ちゃんと大学にも合格しためぐみと違って、「のぞみ(夢花)ちゃんはコレをやらせたら誰にも負けない」「みんな感心する」と評価され、いい気分になれる材料が、自分の住む世界=祇園に何も見あたらないのがちょっとつらい。これでは「キミたちの歌は素晴らしい」「人を感動させる」と誉めそやす石橋にメロメロになるのは当然です。

その石橋くん、隠岐の離島出身で「故郷は捨てた」「サリーミュージックに入って(歌手になって)くれたら何もかも話すよ」と謎もチラつかせて、いまのところ“せっかく家族も再会して、それぞれの道に邁進する決心をした双子を惑わせ、親たちも動揺させる、よそ者の元凶”的ポジションになっているのは演じる山口さんにはお気の毒ですが、石橋が“邪魔もの”と映るのは、観客が“双子の家族”の視点で観ることができている証左でもあり、これは家族ものドラマとしては勝ちパターンです。“家族”にとって“恋愛感情”と“離郷(←親と同じ職業に就かないことを含む)の夢”はまさに天敵ですから。

石橋の言動を見ていて「余計なことするな」「無礼だなあ」と思えるのは、双子の親・家族たちの身になってドラマを観ることができているからこそ。視聴者が「石橋くんがんばれ、もっとうまく説得して」「のぞみちゃん石橋くんと幸せになって」と応援したくなるようでは不成功なドラマなのです。

のぞみちゃんに話を戻せば、松江でシジミジルのライブに飛び入りしてめぐみちゃんとハモれるだけの音感があって、舞いは標準以下、というのもピンとこない気もする。日舞的な運動神経とJポップ的音感は、ドラマ的には別もので“連絡通路”みたいなモノも無いことになっているのかしら。どっちも無い者にはよくわかりませんね。

歌うこと、恋することで殻を破り、眠っていた舞いの才が開花して瞠目の進歩を遂げ、祇園に戻り見事一本立ち拍手喝采…というのが綺麗な着地ではないでしょうか。空気感的に“芸能界”を持ち込まれるとツラいドラマになりそう。

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