イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

そろそろ出ないか“ニセ浅見”

2007-03-27 14:32:09 | テレビ番組

昨夜は帰宅すると月曜ゴールデンSP『浅見光彦シリーズ23 藍色回廊殺人事件』、もう終盤でした。このシリーズ浅見の取材先で殺人事件が起こる“浅見嗅ぎ回る地元警察に怪しまれる”“署に呼びつけて身元照会する”“刑事局長の弟とわかって手の裏翻すの水戸黄門みたいなお約束のくだりがいちばん好きなんですが、いつもコレ、前半か真ん中辺で終わっちゃうんですよね。

野だいこタイプの副署長や課長が「いやー浅見サマもお人の悪い」なんて一転ヘラヘラするのもお約束ですが、浅見、考えようによっちゃマジ人悪いよね。「どこの何者だ」って訊かれたら、速攻、「職業はルポライター、東京在住、兄が刑事局長をしています」「いついつのどこそこのアノ事件、ソノ事件、その他もろもろにもご協力したので、どこそこ署の誰某刑事、誰某署長は知り合いです」って過去の業績までぶっちゃけちゃえばよっぽど時間の節約になるし、地元警察の顔も潰さなくて済むのに。

浅見のキャラ的には、お兄さんの立場にリスペクト保ちつつも“兄は兄、ボクはボク、威を借る真似はしたくない”という謙虚さがヒーローのカッコよさなんだろうし、このくだりを経て地元警察にも「エリート一家の出なのに偉ぶらない良い人だ」と人間性に好感を持つ叩き上げタイプがいて協力者にまわったり、あくまで「陽一郎さん(=兄)に迷惑かけちゃいけませんよ、しょうがないわねぇ光彦さんは幾つになっても」を貫く雪江お母さんが陰に陽にクチをはさんだりするのがストーリーに色をつけることになるので、自分からは出身を明らかにしないのがいいのでしょうが。

好むと好まざるとにかかわらず、上の顔色を窺わなければ生きて行けない組織人間の立場を慮る意識が薄い、自由人の浅見光彦さんの長所でもあり短所でもある。

それにしても、浅見さんも史跡や奇祭、伝統芸を求めてもう全国各地歩いているし、地方の所轄でも定年間近のベテラン署長級なら「浅見…?どこかで聞いた苗字だな」ぐらいはピンと来ることないもんでしょうか。警察って徹底的にタテ社会だから、かえって上級官庁のエリートの名前なんて意識しないものなのかしら。でも佐藤斉藤鈴木クラスならともかく、浅見って、そこらにゴロゴロはいませんよ。あ、JRAの調教師さんには複数いるか。みんな一族だけど。

水戸黄門が「越後の縮緬問屋の隠居ミツエモンです」と名乗って諸国漫遊してて「オヤ奇遇ですな、私も越後で縮緬を商っていますが、どちらのお店(たな)で?」と問い質されることが一度もない(本物の“縮緬問屋ミツエモン”を東野英治郎さんが二役で演じたことはある)ように、“ルポライター浅見光彦”は永遠に無名で怪しまれっ放し、は基本なんでしょうね。

遠山の金さんなんかもね。お白州に座らされた悪人が、「マッタク身に覚えのないことで」「お奉行様ともあろうお方が何を仰いますやら」「証人がいるなら連れて来ていただきたいもんで」ってすっとぼけてくれるから、金さん「おぅおぅおぅ」って片肌もろ肌脱いで桜吹雪見せる楽しみがあるけど、「これこれの悪事を働いただろう、相違ないか」って訊かれて「ヘイその通りで」「私がぜんぶやりました」「ご存分にお裁きを」っていきなり認めちゃったら、時間の節約にはなるけど「…あれ?認めちゃうの?」って金さんちょっと淋しいんでしょうね。

「認める前に、チョット見せたいものがあるんだけど「そんなことよりお裁きを「生き証人がね、ココに居るわけよ「証人なんぞ居なくても、やったのは私だと申し上げております「そんなこと言わないで、チョットだけでも見たくない?」「どうかお裁きを「あっそ、じゃ打ち首獄門。あとね…まぁいいや、そういうこと(淋)…あ、何かある?そだそだ、これにて一件落着」…えらくしまらないことになる。

しょうがないから金さん、夜な夜なひとりで鏡の前で「この桜吹雪がお見通しでぃ!!…あーカッコいいオレ」ってやってなきゃいけない。

やはり悪人はとことんシラを切り、小役人はどこまでもセコくて保身一辺倒。でないとヒーロー物語も成立しないということなんでしょうね。

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