イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ドウモ吸イマセン

2008-09-10 00:11:39 | スポーツ

昨日(8日)処分保留で釈放された若ノ鵬関は、謝罪会見で「スイマセンでした」4回ぐらい繰り返していたけど、この状況でそれ言ったら、日本語では古典的なダジャレになるんだって、誰か教えてあげたのかあげなかったのか。会見時の自由なウェービーな髪型からしても、「右手の甲を前に向けて額の右に当てて、“どーも”を付ければもっといい」とも教えてあげればよかったのにね。

 ところで、報道では若ノ鵬寿則、本名ガグロエフ・ソスラン・アレクサンドロヴィチと表記されていますが、確か、昔、ロシア語の名前は“ファーストネーム”+“父の名”+“姓”から成ると聞いた記憶があります。

ロシア人っちゅうとどうしても文豪系か音楽系しか名前が出てきませんが、たとえば『アンナ・カレーニナ』『戦争と平和』のトルストイはレフ・ニコラエヴィチ・トルストイ、くだいて言えば“トルストイ家のニコライさんの息子のレフくん”。

先日『氷の華』で米倉涼子さん扮するピアニストも弾いていたラフマニノフはセルゲイ・ヴァシーリエヴィチ・ラフマニノフ“ラフマニノフ家のヴァシーリーさんの息子のセルゲイくん”です。

若いところでナイスバディの女子テニス、マリア・シャラポワはロシア人ではなく、正確には両親ともベラルーシ人ですが、ロシア表記ではマリア・ユーリエヴナ・シャラポワ。女性だと父名も姓も語尾がa音になるためで“シャラポフ家のユーリさんの娘のマリアちゃん”

それ式に読めば、若ノ鵬(解雇されたので“関”は付きませんね)は、“ガグロエフ”が姓で、お父さんが“アレクサンドル”さんなんでしょうね。柔軟剤みたいな“ソスラン”がファーストネーム。来日後は愛称“ソス”だったそうです。

陽性反応を否定し続けていた露鵬もファーストネームは同じソスラン。ソスラン・フェーリクソヴィチ・ボラーゾフ。カタカナにすると限りなく“糞ビッチ”に近くなるのが気の毒ですが、“ボラーゾフ家のフェーリクスさんの息子のソスランくん”。弟の白露山はバトラズ・フェーリクソヴィチ・ボラーゾフで同じくバトラズくん。

媒体によって日本式に姓を先、ファーストネームを後にもってきて、尻尾に父名をつけたり、月河が習った通りファスネ→父名→姓になってたり日本ではまちまちですね。

ボラーゾフにガグロエフ。濁音が多くて響きからしてヒールっぽいし、大相撲がクビでもプロレスなどの格闘技団体で拾ってもらえればいいのに、大麻汚染ではさすがにどこも手を出さないでしょうね。ボラーゾフ略して“ボラ兄弟”なんて名乗ったらファンク兄弟より強そうですけど。もったいないが身から出た錆。

ちなみに、女性ならやはり語尾がa音になりますから、若ノ鵬や露鵬兄弟にお姉さんや妹さんがいれば、“○○・アレクサンドロヴナ・ガグロエワ”“△△・フェーリクソヴナ・ボラーゾワ”になるはずです。

…ここまで書いて気がついたのですが、ロシア人の名前をいくつか書いただけでえらく字数を食うもんですな。400字詰1枚何円の原稿料で書く作家さんだったら、登場人物は全員ロシア人にすると、人物同士、名前呼びあってるだけでかなり枚数稼げそうですね。

再放送の『その灯は消さない』は第45話。認知症の母親(今井和子さん)が「(死んだ)お父さんのいる家に帰りたい、嫁の陽子さんはろくに線香もあげてくれないから」と言い出して、長兄が継いだ伊豆の実家に送りとどけ、「私たち子供を一生懸命育てて家庭を守ってくれた母親なのに、老いればどこにも居場所がない」という悲哀は拭えないながらもほっとひと息した智子(坂口良子さん)でしたが、留守中にテロリスト秘書・桂子(麻生真宮子さん)が急襲して、夕食作り攻撃にゴミ分別攻撃、食器棚並べ替え攻撃、食卓・智子の仕事机にバラ一輪挿し攻撃とえらいことになっていますよ。

桂子が会長の姪という怖さもあり、酒の勢いで手を出しておきながらその後弱腰できっぱりしない藤夫(柴俊夫さん)に最大の責任がありますが、浮気相手には最悪な女性に触っちゃったね。

演じる麻生さん、いつも下め襟足シニヨンにリッチな髪留めつけて、胸の開かない立ち衿のロングスカートスーツと、ビル街のセクレタリーというより泰西名画画廊のマダムのようで、“そこらの一般職ヒラOLとは違うのよ”感が漂っている上、メイクがなんというか、961月本放送という時代を酌量しても、ちょっと超越した雰囲気なんですな。生活感がなく、生身感もない。中国共産党か、北朝鮮労働党の熟練ハニートラップみたいなんだ。

細かい設定聞きもらしてるかもしれませんがたぶん名門一貫女子校出身で留学経験ありマルチリンガルの才媛、伯父さまのコネで大手建設会社に入社し、役員秘書をやってるけど、就職なんかしなくても降るほどの縁談もあり、気に入った相手が見つからなければ一生独身で好きなことやって暮らして行けるご身分ってところ。

学歴も財力も美貌も若さもあるのに、「奥様よりワタシのほうが魅力的なはずよね」と挑んだ男から、「妻には家庭しかないんだ」とゴメンナサイされたら、その家庭なるものがどうしても羨ましいのでしょう。

すべてを持っているのに、家庭だけがない。たぶん桂子という女性は、物質的には何不自由ないけれど、家族の温もりのうすい環境で育ったのかもしれませんね。このドラマの中の他の“非・家庭組”・川合(大橋吾郎さん)は返還前の香港を取材したいと野心に燃え、弘美(山村美智子さん)はジュエリーショップのオーナー店長としていつも微量生臭さを漂わせているのに比べ、桂子は自分というものが脆弱で、人の持ち物に執着する心貧しさがある。逆に言えば基本が苦労知らずの良家子女なゆえかもしれません。

役員秘書と言っても専務室前の1人デスクに一日中詰めて電話応対したり来客取り次いだりの日々、一般的には憧れの職種ではあるけど能力や学歴のわりにやり甲斐がない、私にふさわしい居場所ではないと感じていたかも。社会や組織での居場所なんて与えられるものではなく、自力で作るものではあるのですが。

さらには、そういうもろもろの“同性として同情できるところ”を一気に帳消しにする、麻生さんのハニートラップ工作員っぽい演じ方が実に味わい深い。押しかけた堀口家で、鳴った電話を藤夫を遮るように取ったら「智子か~?オレだよオレ」って酔っ払った川合だった、って場面は笑ったな。妻に昔の男、こっちには現在の女。藤夫青くなったり赤くなったり。

ところで、昨日(8日)当地の夕食時間帯、たぶんTBS系列局のローカルニュースで、サッカー地元コンサドーレ札幌の、昨年J1復帰の原動力となった主力選手の、直後の故障からのリハビリ、チーム低迷の危機のいま復帰なるか?という情報のBGMとして『白と黒』サウンドトラックから『棄てられた絵画』が流れたなと思ったら、今日は出がけ、高齢家族が見ていた『おもいッきりイイ!!』の1コーナー、『セーラー服と機関銃』などで知られる映画監督の故・相米慎二さんの生涯を振り返るVで、『光と影』ほか2曲ぐらいが確かに使われていました。局ネット系列に関係なく、音効プロの皆さんにも愛されている岩本正樹さんサウンド。ちょっとうれしくなります。

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2 コメント

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テロリスト桂子の人物描写が的確で嬉しいです。 (シンシア)
2008-09-23 07:36:03
テロリスト桂子の人物描写が的確で嬉しいです。
修復不可と思われた義娘と心で分かり合えた時は、親子として最後の時。
反面、最後の砦という実娘は、過呼吸症候群に加え、自分から心が離れつつある。
愛している旦那や息子は遠さかり、関わりたくない元恋人は以前より強く近づいてくる。
心のその灯が、風前の灯の如く静かに、それでいて境界線の手前を歩く智子を筆頭とした家族の描き方が好きです。
三面鏡後に放映される飲むヒアルロン酸皇潤のCMではないが、http://www.everlifegroup.jp/media/ko07/
良いことも悪いこともね、人間平等にやってくるんだ。だからもう一度頑張ってみるかと思うんだよね。
この作品も来月で終了。見終わって、数少ない視聴者がこう思えれば幸いです。
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>>シンシア様 (月河たびと)
2008-09-25 23:09:40
>>シンシア様
 人格としては問題だらけですが桂子、自分にとっては好きな人物でしたね。
 52話で「会社に藤夫さんが残れるように、私、伯父様にお願いしたのよ」と花むらで言っていたときは、“真逆のお願いしたんじゃね?”と思ってしまいましたが、単純に“人の持ってるオモチャを奪いたい”だけではなく、藤夫という男に象徴される、彼女なりの夢や希望があったような気がします。
 個人の幸福という概念がはなから無く、イエの存続と繁栄のみだった封建時代とは違って、“他人からちょっとは羨まれる円満な家庭”と“個人としての自己実現”が両輪伴わないと、自他ともに“幸福”を実感できない、ハードルの高い時代。
 夫も妻も、親も子も、兄姉も弟妹も、嫁も舅姑も、“家族というくびきのない、まっさらの個人であれば享受できたであろう自由や快楽”を“少しずつ、全員が”甘んじて我慢する以外、両建ての幸せは得られないかもしれませんね。小馬力・少排気量でも、ポンコツでも、片輪よりは両輪併走がいいですもんね。灯の点る最終話を期待したいですね。
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