イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

アホちゃいまんねん

2007-10-16 00:12:04 | テレビ番組

3週めに入った『愛の迷宮』はいまのところ、お話に無理をきたさない速度でサクサク捗っていますが、どうしても、息子世代まで時代が進んでOP6人が顔を揃えるまでは前フリ”のような気がしてしまうのが難点と言えば難点ですかね。

東海テレビ製作の昼ドラは3ヶ月60余話と、ちょっとした大河クラスのヴォリュームがあるので、“親子三代”なんてお話もたまさかあるものの、親世代に濃い俳優さんを投入して「つかみはオッケー」(古)となったところで小奇麗な子世代に重心が移ると、『新・風のロンド』(06年)や『真実一路』(03年)など、たいがい失速気味になるのがつねでした。

むしろ、主人公たちの幼少年期を達者で愛らしい子役さん、あるいはフレッシュな若手のリレーで4週ぐらいじっくり描いて期待を膨らませてから、アンカー=有名女優さんの大人ヒロインにつなげた『新・愛の嵐』(02年)、『愛のソレア』(04年)などのほうが成功していたように思います。

特に『愛のソレア』で逆境また逆境のヒロイン少女期から、遊郭の女郎を経て呉服屋若旦那のお妾さんになるまでの結構な長年月を演じた前田綾花さんは“大人になったら荻野目慶子さん”という前提だけでも相当なプレッシャーだったろうに、初々しく幸薄げなたたずまいと、ときおり垣間見せる激烈なパーソナリティの絶妙ブレンドで物語の地固めを立派に果たしてくれました。

もちろん、この手法は吉凶紙一重で、ひとりの人物の異なる年代を複数の俳優女優さんで描くわけですから、はまらなければリスクも大きい。

ヒロイン少女期担当の森下涼子さんがはまりすぎて、大人期以降は絵ヅラも芝居も木に竹を接いだようになってしまった『砂の城』(97年)の例もあります。

今作『愛ラビ(←“迷宮”を“Labyrinth”と読んでみました。オッシャレー?)』も、今週終盤からは子世代キャラが子役さんでまず動き出しそう。良いほうに転がってくれるといいのですが。

それにしても、ちょっと意味が違いますが、全11話程度でまとめるゴールデンタイムのドラマも、いま“異世代問題”が最大の製作上のテーマになってますよね。

 親の中年世代と、息子・娘の青春世代、両方のキャラを立てて、両世代の視聴者を取り込みたいあまり、織田裕二さんが若い嫁=上野樹里さんと結婚してみたら、嫁の母親=大竹しのぶさんが元カノだったとか、娘=新垣結衣さんと父=舘ひろしさんのカラダと精神が入れ替わっちゃったとか「家族でチャンネル合わせてもらうためにそこまでするか」のオンパレード。

今クールも、明石家さんまさんが元カノそっくりの元カノの娘=長澤まさみさんとラブという無理矢理な、一歩間違えばさんま師匠への公開接待みたいなドラマが放送されています。

フィクションですから、多少無茶でも、荒唐無稽でも、おもしろければいいんですけどね。背景には、ケータイやネット・ゲームで忙しい若者たち、現役リーマン・現役子育て世代と、広告代理店のいちばんお客コンシャスな年代が、“TV、特にドラマを見なくなっている”という、切羽詰まった事情が透けて見えるよう。

この先どこへ行くのか、さらなる打開策はあるのか、ちょっと心配ではあります。

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