イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

小火ボヤしてたら

2011-12-11 00:27:51 | 朝ドラマ

……引火性液体と暖房器具の過剰近距離はげに怖ろしや。めっきり冷え込んで空気も乾燥している師走日本の各家庭、各事業所に警鐘をも鳴らした今朝の『カーネーション』。小憎たらしいくらいタイムリーだなぁ。

ここ3週ばかりの間に、洋裁店から洋装店へと看板二度架け替えて店主になり、人妻になり、一児の母から二児の母になり、すでに三児めがお腹の中にいる糸ちゃん(尾野真千子さん)、一昨日(128日)はもう大将・勝さん(駿河太郎さん)に召集令状が来たと思ったら大陸出征で、ヘタすりゃ二、三日うちにも戦争未亡人になりかねない勢いです。

ちょっと目を離すと階段3段跳びどころか、瞬きする間にも踊り場回って次の階ぐらいの勢いで上昇しているので、意地でも目が離せない。瞬き禁止。帯ドラマはやはりこの速度感、テンポ感が命ですね。昨日の続きが今日、今日の続きが明日、二十四時間後には観られるのが帯の特徴であり最大の強みですから、何日も何話も同じ話題、同じ状況を引っ張っていると、みるみる生彩が薄れて行く。全国のお茶の間の視聴意欲の、潮のひく音がずぉーんざぉーんと聞こえてくる。過去にこうして右肩下がりにくすんで行った帯ドラマを、何作、何十作見せられたことか。

ひとつの件、ひとつの場面で視聴琴線をピリッとふるわせたら、念を押すでもなく説明するでもなく、水のようにさらりと次の場面、次の局面へ入って行く。水は低きに流るですから、このドラマの場合、“温まった気流のように”上昇して行くと言ったほうがいいか。ここはこれこれこうだからこんな感動なんですよ、こんな切なさなんですよと、ねちょねちょ恩に着せない。糸やんと一緒で、自己完結しているんですね。人に感謝されよう、ちやほやされようと思って汗かいているわけじゃない。あくまで自分の得心がいくように、自分の探究心、達成感が満たされるように働いていたい。料簡に邪念がなく、ヨソ見、脇見せず、真っすぐなドラマなんです。

ただ、上昇気流によどみがなさすぎて、レヴュー書いてるヒマがガチで無い。贅沢な悩み。このドラマの場合、いっそ、“ラクに伴走して同時進行でレヴュれるようになったら、スランプ、沈滞”とみていいのかもしれない。追いつけないことが快作の証し。帯ドラマとして贅沢にもほどがありますね。

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