鳩山邦夫総務相辞任で、何が決着したのか、結局辞めたほうと辞めさせたほう、あと辞めなかった人も含めて、どっちにどれくらい理があったのか、どの媒体でも、個人でもいいから、最初からわかるように説明して欲しいですね。
争点になった“かんぽの宿”に限らず、長く国営だった事業や施設を民間に払い下げる式のリストラクチュアリングには、どこの国でもさまざまな思惑や利権が渦巻き、少数の人が不当に利得を得て、いつの間にかうやむやになっていくケースが非常に多いものです。財政スリム化、健全化を錦の御旗に“先ず民営化ありき”で進められるからこういうことになる。
かつてのソビエト連邦構成共和国や、ワルシャワ条約機構加盟の東欧諸国が民主化していく過程などは、多くの事業や施設がマフィアに甘い汁を吸われ、自由経済の名の下に結局はブラック企業化し今日に至っているという話も聞きます。
モンゴル人民共和国では、かつての国営事業がここ10年ほどの間に続々民間に払い下げられ、それをあの横綱・朝青龍の日本からの送金を資金に親族が片っ端から落札して、横綱一族、いまやモンゴル一の財閥になっているとのこと。横綱ともなればタニマチ筋からのご祝儀も半端じゃないでしょうし、国技大相撲、食う寝るところ住むところはタダですから、モンゴルの貨幣価値ではケタ違いの金額が仕送りできるのでしょう。
それはともかく、鳩山元大臣も、「監督官庁の長としてこれは許せない、看過できない」と、譲れない箇所があったのならば、もっと国民につぶさにアナウンスして啓蒙し、民意よついて来い!ぐらいの度胸を見せてほしかったですよね。状況の整理整頓も、納得性のある解決もないうちに「どっちか鉾先をおさめなきゃしょうがないから、よりいさぎよいワタクシが先におさめましたハイ」みたいなパフォーマンスで終わった感じ。
国民としては「鳩山弟さんは“麻生さんにベッタリではなく、許せないことは許せないとあくまで言い張る、骨のあるオレ”を印象付けて選挙を迎えたかったのね」ぐらいしか、読み取れることがありません。国民のために許せないことの筆頭として、かんぽの宿問題が優先順位1位でよかったのか、もっと他に突っ張るべきところがあったんじゃないかという懸念も拭えない。
まぁ鳩山さんと麻生さん、ともに総理大臣経験者のお孫さんですが、あんまり気心の通じ合ってるイメージはなかったですわね。
小学校の頃の記憶でも、蝶など昆虫系に熱いアウトドア男子と、アニメや漫画に夢中のインドア男子が仲よかったためしはありませんし。
………そういう問題じゃないか。
かんぽの宿問題に関して、鳩山弟大臣が独走でこんなことやってるおかげで、郵政民営化の闇を率先して突くべき民主党の鳩山兄党首が、当該問題についての談話でいつも微量半笑いなのも、国民から見るとどっちらけた話です。うちの高齢家族なんかは、「いっそ“麻生が総理総裁の自民党になんか居てやるもんか”っつって邦夫が民主党に入るんなら腑に落ちもするけど、そういうわけでもないから、全体的に茶番だ」と評してますね。月河も大筋で同じ所感です。
最近、議員の世襲を規制しようという動きもあって、結局次回の国政選挙での導入は見送られたようですが、どうなんでしょう。鳩山由紀夫・邦夫兄弟のように、“国政最高権力経験者の三世”かつ“ともに自身が閣僚経験”かつ“一方が与党、他方が野党第一党に所属”という“実の兄弟”って、他の普通選挙制民主主義の諸外国には過去および現在、実例があるのかな。
もうひとつ、「かつ“ともに妻が元・女優”」を付けたら、たぶん実例、無いでしょうな。
さらに、それらぜんぶプラス「“実の兄弟”ではあっても、一方が腹違い」だったりしたら、ひっくるめて昼ドラの格好の題材になるんだけど………って、久しぶりに国政の現況を憂えてみたのに結局そこかい!!
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