イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

キャラの修羅 ~売るも買うも沼~

2020-06-18 22:11:36 | グッズ

 今年、久しぶりに横目でなく高体温で“サンリオキャラクター大賞”の要綱を見ていて改めて思いました。

 キャラ抱え過ぎじゃね?サンリオ。

 前回のエントリで、またまたどこからも何の要請もなくはたまた何の根拠もなく、サンリオの社長交代後を心配するというお節介を焼いてしまいましたが、いやさキャラビジネスも一種の芸者置屋・・で語弊があれば、ある種芸能プロダクションみたいなものですから、抱えるタレントが多いに越した事はないし、水もの人気のひとりふたりに頼るより、二の線俳優からお笑い芸人まで、渋い重鎮からきゃぴきゃぴアイドルまで取り揃えて多方面のニーズにこたえられるほうが、浮き沈みの激しい業界でのリスクヘッジにもなるのはわかります。

 でもねぇ、キャラクター業界って、ファンタジー、コメディ、ライトSFぐらいはあっても、エロやグロやアングラまではカバーしてないじゃないですか。基本、概ね、「カワイイ(←カタカナ)(←はぁと)」でくくられ塗りつぶされるワールドです。客層、テイストが決まっているわけだから、そこまで要るだろうか、数が。この世の中に需要あるかしら。

 今回のキャラクター大賞にエントリーしただけでも80組です。

 キャラグッズ適齢期ピークが1980年代~90年代序盤までだった月河から見ると、さすがに上位一桁順位くらいはマイメロ、キキ&ララ、クロミ・・と、テレビでいう“ゴールデンタイム常連感”“キャストクレジット役名付きレギュラー感”があるし、それよりちょっと下でもおさるのもんきち、みんなのたあ坊、マロンクリーム、コロコロクリリン辺りは「あぁコレも居た居た、まだ現役なんだ、懐かしいな」と鮮明に思い出すことができます。探せばタンスやデスクの引き出しの奥深くに、何かしらのグッズがまだ眠ってるかもしれない。特に個人的に夢中になって集めているわけではなくても、プレゼントのお返しや粗品がわりにもらったりあげたりする中にさらっと入っちゃうような、出回りざかりの時期のあるキャラでした。“はぴだんぶい”の男の子諸君も昨年まではこんなポジションだったと思います。すたれたわけじゃないけど、新人・若手が続々前面に出てくる中、主軸のクリーンナップではなくなったかな、という。

 しかし、下位の60位以下ぐらいになると、さすがに「こんなのもサンリオのキャラだったのか、知らなかったわ」ってのがぞろぞろ。5年前にぐでたまにはまってから、年末年始のダイアリー・カレンダー展開シーズンの文具事務用品店や、進学卒業&お返しギフト期の雑貨・おもちゃ売場、百均のキャラコーナー等には結構親しいほうな月河がこの程度の認知度なら、もっと知らない人はますます知らないでしょう。

 これだけ居ると、すべてのキャラに、似つかわしく輝ける仕事=グッズ企画展開がしきれないと思うんです。シナモンプリンキティマイメロクラスの上位人気キャラは何を作っても、市場に置いとくだけである程度さばけて行くから別格としても、特に10位台後半~30位くらいまでの中堅どころに、予算やアイディア・デザインのマンパワー、店舗での棚ワゴンスペースの回りが薄いんじゃないでしょうか。月河ハコ推しはぴだんぶいも、ピンのキャラクターとしてまだ稼げる余力があるのに、いや、あるからこそ「まだテコ入れしなくてもダイジョーブだろう」と先頭集団から“置かれ気味”になり、こりゃまずいわと流れを変えるためにユニット展開してアイテムやイベント本数を増やしてみたら(コロナ自粛で空振り・渋滞も多かったとはいえ)、ポチャッコ3位躍進を筆頭に全員差を詰めて番手を上げました。

 こういう、角度変えの戦略を繰り出してもらえないばっかりに休眠しかかっているキャラが、いまのサンリオには相当いると思うんですがどんなもんでしょう。大賞結果の画面を見ていると、「このコのグッズあったら買うのにな、売れそうなのにな」と思えるキャラが少なからずいてもったいない。

 なんでこんなことを考えたかというと、先週、当地でも大型商業施設が通常営業復活してきたのを機に、うちの非高齢組の知人若年女性とリラックマストアに行ったんですね。こちらは同業ライバル=サンエックスのキャラクターグッズショップです。90年代のたれぱんだ以降、リラックマを筆頭に広範な年齢層にウケるヒットキャラを輩出していますが、店の構成が実にわかりやすい。

 三分の一はリラックマ&キイロイトリにころころコロニャ。残り三分の二のうち半分はすみッコぐらし、半分をじんべえさん、まめゴマ、センチメンタルサーカスはみぱ、昨秋デビューの“新人”=ココロアライグマたちが分け合っている。

 サンエックスも、古株のたれぱんだやこげぱん、アフロ犬等を皮切りにいまや総計100組以上のキャラを抱えているはずですが、実店舗で展開するキャラは見たところ完全に絞っています。絞っているから、キャラ1組当たりのアイテム数、バリエーションがとてつもなく多い。深い。同行した女の子がすみッコファンだったので付き合って小一時間見ましたが、定番のぬいぐるみ、マスコット、ステーショナリーにTシャツのほか、季節商品の雨傘、日傘、アウトドアレジャーグッズ、救急絆創膏や保湿スキンクリームなど、キャラグッズにし得る日用品を、思いつく限りすみッコにしましたという感じで、展開力に圧倒されそう。

 でも、キャラグッズって、これがおもしろいんですよ。たとえばボールペンが欲しくて、あるいはプチタオルが欲しくて、そのためにキャラクターショップに行くわけじゃない。「こんなモノにもすみッコがついてる」「すみッコの顔したこんなモノもあった」と、その都度発見して、さらに嵌まっていく。普通のナショナルブランドのモノでじゅうぶん用が足りるはずの、ハンドクリームや消しゴムや弁当箱まで贔屓キャラで揃えていくのがキャラ推しの楽しみです。

 そのためには、1組のキャラ当たりの持ちアイテム数はなるべく多く、広範で、バリエ豊富な方がいい。

 サンリオさんにも、これぐらいやってほしいんですよね。「この棚の何段目はぜんぶぐでたま」「こっち側の壁面の、ここからここまではぜんぶはぴだんぶい」みたいな、イベントやフェアの期間だけでない、奥の深い定番ワールドを作ってくれたら、ショップに行って「何かないかな」と物色する楽しみが倍増すると思う。

・・もちろん、それをやると、或るキャラのラインナップの中で“ハズレ”“要らなかった”アイテムが出来てくるでしょうし、何より、“深さ”を可能にするためには、キャラ数を絞る必要がどうしてもある。

 “切られる”キャラのファンにとっては、これがせつないですよねぇ。だからやりにくいんだろうなあ。今回、歯ぐるまんすたいるのあわやツイッター休止か!?辞令に思いがけずドキドキしてみて、月河もちょっとはわかりました。

 そんなこんなですから社長交代で新体制になるサンリオからは目が離せません。方針が変わって古めのキャラに冷たい方向に行かないうちに、買える推しグッズは買っておいたほうがいいかな?なんてね。


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