イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

バレなきゃいんですけどね。ヒッ

2013-06-30 01:40:42 | 朝ドラマ

 今週からアキちゃん(能年玲奈さん)が加入してヤットサー・・じゃなくてやっとこさ5人になったGMT47(@『あまちゃん』)。四十七都道府県が赤く埋まる日はいつか来るのか。

 いまのところ先輩グループ“アメ女”ことアメ横女学園の二軍どころか、裏方スタッフ兼練習生みたいな扱いですが、みんなとりどりにかわいい・・というか惹きつけるモノを持っているし、スーパー戦隊なみにいいキャラ分けができているので、露出のチャンスさえあげれば先輩本家アメ女より人気が出るんじゃないかと思うんですけどね。

 リーダー自任で仕切りたがり、喝入れたがりだけど出しゃばりではなく、事情通でクチも動くがカラダもしっかり動かすことをいとわない埼玉代表・NO OCEANの入間しおりちゃん(松岡茉優さん)がいいですね。キング(@『獣電戦隊キョウリュウジャー』)の途上アイドル女子版みたい。

 自分を他メンより高スペックと錯覚して「ワタシがワタシが」と前に出るなんちゃってリーダーじゃなく、他メンの力量やモティベの波、立ち位置などにさりげなく目配りすることでリーダー性を確保している感じ。アキちゃんのトレードマーク「じぇ!」にもメン中最速で引っかかり、最速で自分のリアクションに取り入れた。「昨日(=アキと奈落で初対面)から気になってたんだけど」と言いながら、全メン揃う朝飯どきを選んでアキに解説を求めるあたり、「新入りにお国言葉の話題を振ってなじませよう」「面白げなことは内輪じゃなく全員で盛り上がろう」とのリーダー精神も垣間見えます。

 このしおりちゃんをリーダーに据えた時点でGMT、勝ったも同然。ミズタク(松田龍平さん)もうすらぼけた顔して結構慧眼。まぁ実際は、実質首都圏で自宅通勤の子は何かと小回りが利くからリーダーにしとくと便利、ぐらいのつもりだったのかもしれないけど。

 (でも実際はしお姐、ミズから「(自宅から通わないなら)電車賃返せよ泥棒」とかどやされつつも、現に寮に居ついてますからね。地物のネギの差し入れか持ち出しかわからないけど埼玉からの補給ルートも確保してるし、親に見はなされてるわけでもないとすると、リーダーとして四六時中メンバーと近距離でいたいんでしょうな。そういうチーム愛も、女子と男子、高戦闘力ヒーローと超無名のアイドルの卵との違いはあれど、体温においてキョウリュウのキングっぽい)(しかし、勝手に“しお姐”呼ばわりしてしまったぞ)

 何がともあれ年じゅう「海さ潜りでぇ」のアキの、東京でのチームメイト筆頭が「海はないけど夢はある」東武東上線ガールしお姐というのも面白い。めでたくGMTに人気が出て、全国媒体でプロフィールが流れたら、北三陸市観光協会の敏腕秘書?栗原さん(安藤玉恵さん)が「やんだ~しおりつながり~」「わだすの若い頃と似てる~お腹出てない~」とクネクネ喜ぶでしょうね。

 アキちゃんと同室になって東北の訛りを懐かしがる♪ずんだずんだ~の宮城代表・小野寺薫子ちゃん(優希美青さん)は14歳と現メン中最年少で、見るからに可憐で頼りなげな妹キャラですが、「いつかセリから登場してぇ!」と秘めたハングリー精神はなかなかのもの。実家が農家でササニシキを差し入れしてもらうなど、地元とのパイプも確実な辺り、愛され体質なのでしょうな。14歳じゃ義務教育中でしょうに、よく親も離した。なんか往年の山口百恵さんのデビュー当時(キャッチが“人にめざめる十四歳”)に通じる雑草魂も感じる。

 一見しておっかさんキャラ?と思える沖縄代表・喜屋武エレンさん(何で彼女だけ“さん”)(蔵下穂波さん)は、教科書の『方丈記』を「はうじゃうき?」と読むなど浮世離れ系の天然の中に、「はよ地上に上がらんと」と、リーダーしおりをフォローするサブリーダー的な安定感も兼ね備えています。

 いちばん早くアメ女正規軍シャドウの出番が回ってきた福岡代表遠藤真奈ちゃん(大野いとさん)は一見ビビりでネガティヴで気弱キャラかと思いきや、「本当は佐賀出身」をカミングアウトしてからはひと皮むけたのか、「福岡と佐賀って何か違いあるの?」と訊かれて「ぜんっぜん違うバイ!」と熱く吠える吠える。

 真奈ちゃんが起こしたカミングアウトプチブーム(?)に乗って「公称19歳、実は今年21歳」をゲロっちゃった徳島代表・宮下アユミちゃん(山下リオさん)は、アキへの自己紹介時のチョー醒めたノリからすると、いささかやさぐれキャラっぽかったのですが、シャドウ時の奈落での早替えで衣装を間違えて着てしまい固まった真奈ちゃんに「あーもうそのまま行ってまい!」とセリに押し上げたところはオトコマエでとても良かった。地元徳島でのグループ=うずしお7(セブン)ではリーダーやってたのだし、かなりアイドル界の酸いと甘いを噛分けてきている様子。

 まあね、アイドルや女優なんてものは言ってみれば虚像がすべて。今日も虚像、明日も虚像。晴れても降っても虚像。虚像以外何もなくていいのです。実年齢だって戸籍上は調べりゃなんらか存在するのでしょうけど、極端な話、19歳の虚像を提示して客が喜ぶなら、実年齢は47歳だって構わない。観客が欲しているのは19歳という属性を揺るぎなく帯びた虚像と、虚像が自分にもたらしてくれる甘美で活気ある妄想、幻想。

 悪いと咎められるとしたら、47歳を(アユミちゃんは今年21歳ですが)(蒸し返してますが)19歳といつわって提示することにあるのではなく、「19歳でなかった」とバレることで観客のせっかくの幸福な妄想を壊してしまうことが罪なのです。

 だから、19歳が47歳とバレるより、19歳が21歳とバレるほうが「たった2歳違いだから」罪が軽いということにはならない。19歳前提だからこそ築けた妄想を、壊されてしまった観客は今度は“21歳前提”で妄想組み立て直さないと、せっかく好きになったそのアイドルを受け入れ続けることができなくなる。観客にこういう無くもがなのストレス、消耗を強いるのは、やはりアイドルの資格に悖るのです。

 アイドルは“美しい嘘いつわり”として観客の前にまず現れ、アイドルである限り美しく嘘いつわり続けなければならない。どんな嘘いつわりのほうが、こっちの嘘いつわりに比べてより美しいか、以前提示した嘘いつわりと、いま発せんとする嘘いつわりとが矛盾をきたさないか、なめらかにつながるか、瞬時瞬時に判断し続けながら奇跡のタイトロープを渡る、それがアイドルというものです。

 我らがアキちゃんは、愛すべきGMTは、どこまで渡り続けられるでしょうか。

コメント
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