新しい連続テレビ小説『カーネーション』に、ざっくり言って席捲されています。虜になっています。3日(月)からこっち、日中でも深夜でも、起きている間、気がつけば『カーネーション』のことを考えている自分がいる。
こういう目にあわせてくれるTVドラマはいつの何作品以来でしょうか。『仮面ライダー龍騎』の2002年末から03年明けの最終話前ぐらいまでが、ややこんな気分でした。あの年は暮れの買い物の間じゅう、ヒマさえあれば書店と玩具店に脱走して、龍騎本・龍騎グッズを大人買いしまくったものだ。当時は所謂“特撮イケメンブーム”のいちばん急上昇な時期で、ドラマやキャラにあまり関係なく出演俳優さんを表紙に持ってきただけのヴィジュアル本もリリースされ倒していて、『龍騎』ファンとしてはそういうシロモノを「チッ便乗商法」とニガニガしく思いつつも、店頭で真司くんに見つめられると「何かしら『龍騎』の未見情報あるかも」ととりあえず手を伸ばさないわけにはいかない。おかげで、月河史上、稀にみる金欠正月になったことも記憶に新しい。月河もいまより9歳ほど若かった(←こんだけ詰んだ年でのプラスorマイナス9なんか、基数がでかいんだから大して変わらないとの説もある)のでムチャもやった次第ですが、どうしてくれる泰蔵兄ちゃん(須賀貴匡さん)。
………逆恨みか。
2年後の『仮面ライダー剣(ブレイド)』と『特捜戦隊デカレンジャー』との両輪に片足ずつかけた年末年始も、優るとも劣らない気分でしたが、このときは2年前の学習が活き、虜になりつつも制御はきいた。ドラマウォッチングも継続こそチカラなれで、いちいちカネと時間を野放図につぎ込んで、財政破綻したり“廃人”になったりしてちゃやってられないわけです。席捲され翻弄されることを楽しむ、知恵と余裕あるオトナになりませんと。
とにかく2011年のいまは『カーネーション』ですよ。普通に“早く続きが観たい”“次回が待ち遠しい”ドラマというだけなら、昼帯と特撮という非常に特殊なジャンルをレギュラーにしているおかげで、最悪でも年に1本か2本は拾えてきましたが、この『カーネーション』は、話の続きどうこうより、1話の中のどの1シーン、1カット、1セリフも見落としたくない、聞き逃したくない、バックに流れる楽曲の1フレーズもスルーしたくないという気持ちにさせる。
「早く先が見たい」より「繰り返し見たい」「すみずみ見たい」ドラマ。こういう視聴体験、体感も思い出せないくらい久しぶりです。
さぁ2011年の残りと、来年アタマの4分の1まではこの弱小無名マイナーブログにも目標ができたと言わせていただきます。帯は帯でもNHK朝なので週6日と録画も多忙ですが、このドラマを手がかりにすれば、こと朝ドラ、帯ドラマ限定ではなく、およそTVドラマというもの全般についてのいろいろなことが、ここへ来て掴めてきそうな予感がする。2008年『瞳』の途中から、偶然に復帰した“朝ドラ”視聴は、『カーネーション』に出会うための長い助走だったのかもしれない。ほんの少し大袈裟を許してもらえればそんな所感すらあります。無色透明無味無臭じゃない、見せびらかしはしないが毒も臭みもトゲもカドもしっかりはらんでいる。“埋蔵量”の大きそうなドラマなのです。
「コイツについて好きなだけ書けるから、ブログ作っといてよかった」…と言いつつ、実際には3回か4回のエントリで終了なことも結構あるんですがね。