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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

僕らはどこへ行くのだろう?

2008-03-30 21:45:51 | アニメ・コミック・ゲーム

先週NHK BS27夜連続放送された『とことん!石ノ森章太郎』、放送中の『キバ』ウォッチャーとしては看過できず、昨日(29日)2000~の第7夜『仮面ライダーシリーズよ永遠に』をHDDに最高画質で録画。

とにかく深夜2645までの7時間弱ですからね。VTRでは3倍モードでも途中で1回テープを入れ替えなければならないし、まして翌日曜は朝730『炎神戦隊ゴーオンジャー』からレギュラー録画もある。夜中の300にごそごそ起きてテープのガシャ出し入れなんかとてもできない。

というわけで、今回は「HDD内蔵レコーダー買ってよかった」を心から実感の初体験となりました。

……しかし、一夜明けて、朝寝坊の900過ぎ、“録画済みリスト”見ると、この1タイトルで420分。最近は、居間のHDDから、高齢家族就眠後いつでも自室デスクのPCで再生できるDVDにムーヴしてファイナライズして、初めて録画一丁上がりと思っているのですが、「VTRじゃなくHDDに録画してよかった」が実感できるレベルの画質に焼くには、チャプター分けした上で、DVD45枚要する。

いつものように高齢・非高齢ともに家族の誰もTVもレコーダーも使用してない深夜・早朝の時間を選んでダビるとしたら、うまくいっても23夜かかるわけ。

ここまで作業予定組んで改めて自問してみたのですが、『仮面ライダー』って、月河の中ではあくまで“特撮TV番組”であって、石ノ森漫画(ご本人は晩年“画”とコンセプト表記しておられたようですが)ワールドの実写化、ではないんですね。

石ノ森(←やはり“石森”のほうがしっくりくる)作品は、月河にとって『佐武と市』『サイボーグ009』ぐらいまでで止まっている。石ノ森さん自身のご活躍と仕事量をよそに、月河の中ではそれ以上には拡がらなかった。

『クウガ』以降の所謂“平成ライダー”、特にリアルタイムで接した『龍騎』以降の作品は、OPクレジットに“原作 石ノ森章太郎”とあっても、言われなきゃ思い出さない…って、いやまさかそこまで失礼千万ではないまでもですよ、せいぜい“背景の地盤のそのまた地底が地続き”ぐらいの認識でしか観て来ませんでした。

冒頭のスタジオでは、スタジオにはライダー変身前OBとしてV3宮内洋さんと、555半田健人さんの2ショットも見えました。最近は昭和歌謡・高層ビルコメンテーターとしてNHKにも、民放クイズ番組でも重用されている半田さん。宮内さんはナマ出演姿は『深夜戦隊ガリンペロ』以来のような気も。BS2なればこその時間枠の長大さとも相俟って、スペシャル感はひとしお。

しかし420分。ふぅーーー。チャプター分けダビングの練習にもなるからきっちり保存はするつもりですが、“お宝映像”として以上の体温で、完走視聴できるかな。

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フランス中華トルコ

2008-03-28 15:23:24 | アニメ・コミック・ゲーム

仮面ライダーキバ』の紅音也役・武田航平さんは、誰かに似ているなと思ったら、70年代初期にカバー曲『ポーリュシカ・ポーレ』が売れた歌手で、青春ドラマの俳優としてもアイドル的人気があった仲雅美さんに、撮られ方にもよりますがよく似ているんですね。

甘系の端整ハンサムだけど輪郭サイズ比目鼻立ちが求心的(=“建蔽率”が低い感じ)で、ちょっと古めなところ、体型に縦長スレンダー感が少ない(それ以上に、がっしりずんぐりとか太め感もないのですが)ところも似ている。

いや、ルックスもさることながら、スポーツやケンカなど体力系分野より、お芸術やお文学な繊細路線が得意そうなキャラであるというところがいちばん似ているのかも。

…ついでのようですが、見かけるようになって浅い有名人や一般人を「○○似」と喩えることができるのは、だいたい、その○○さんにはあまり思い入れやリスペクトがないとき限定ですよね。

少なくとも、その有名人一般人ご本人に比べて、○○のほうに圧倒的に尊崇度や好感度が高ければ、喩えに持ち出して来ないと思う。

 今回の例で言えば、月河が70年代初期の仲雅美さんを子供心に贔屓で、映画『同棲時代』を観に行きたくて親にねだって叱られたみたいな経験があれば、音也=武田航平さんを喩えるのに引き合いに出していなかったでしょう。

仮面ライダーつながりで思い出すのですが、23年前、ブレイク直後でいまよりずっと勢いのあった亀梨和也さんが雑誌の表紙にさかんに起用されていた頃、「『龍騎』の城戸真司役・須賀貴匡さんに似ているな」と何度も思ったものの、須賀さん単体のコアでディープなファンではなくても『龍騎』は月河に人生2度めの特撮ブームを起こしてくれた記念碑的な作品、須賀さんはそのタイトルロール俳優だったのですから、「いかん、こんな亀なんちゃらいう海のものとも山のものとも知れないジャニーズタレントに似てるなんて思っちゃ『龍騎』に失礼だ、ドラゴンライダーキック食らえ自分」と必死に打ち消していた記憶が。

どっちにも失礼なんだけど、当時の月河としては、亀梨さんに対するより須賀さんに対する失礼感のほうが重罪に感じられた、ということ。

逆に言えば、たとえば宮崎あおいさんのファンで部屋にポスター貼りまくっている男子高校生が、通学電車でふと見かけた少女を「あおいちゃんに似てる!」と思ったとしたら、その高校坊主は、もう宮崎さんよりその少女にラブなのです。

木村拓哉さんが理想の彼氏で、そこらのブサ芋男とは付き合いたくないわと思って彼氏なしを続けている勘違いOLが、合コンで第一印象憎からず思った相手から熱心にアプローチされれば「キムタクとは似ても似つかないけど、そうね目元とか国分太一っちゃんとちょっと似てるかも」と、当たりじゃなくても遠からずのところで自分を納得させ折り合いつけてうまいこといくかもしれない。

もちろん、彼女にとってドンズバ赤い糸な相手と、カド曲がったところで正面衝突なんかしようもんなら、それが100人見て100人とも「キムタクと双子?」と思うルックスの男性でも、彼女は「キムタクに?そう言えば似てるかもしれないけど、彼のほうがずっといい男よ」と言い張るに違いない。

“○○似”はある意味、世俗地平、自分が牛耳れる世界への「引きずり下ろしの修辞」とも言えます。

月河は学生~サラリーマン時代のタテ社会にいたときは、苦手な上司・教師や先輩と、苦手でもなんでも一定期間どうしても付き合わなければならないと決まると、無理やりにでもソイツを“誰か(or何か)似”と見ることで不快感や圧迫感の軽減につなげてきました。

小姑みたいな給湯室お局さまを「海○名美どりがデブってどうするよ、どうしたビッグアップル殺人事件は」言うことコロコロ変わるくせに威張るだけは一貫している課長を「なんぼ威張ったって鼻がせんだ○つおじゃん、ダメな男のロックじゃん」とハラの中で思ってればストレスもたまりません。

ヤンキース松井秀喜選手のお相手似顔絵を見て“長澤まさみ似”とテロップ出したTV局員は、松井選手ご本人への、これから先も取材させてほしい相手としての気遣い以上には、長澤さんをうっとりご贔屓ではないんでしょうな。

ところで『キバ』第78話でプローンファンガイア=犬飼伯爵として登場した咲輝さんは、角度によってびっくりするほど石立鉄男さんに似ていますが、数々の大映ドラマやわかめスープでお付き合いの長かった石立さんより、やっぱり月河は現時点では昨年秋の『愛の迷宮』1作・航太役1本で、咲輝さんのほうにより好感度シンパシー強く持ってるようです。

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喉バッサバサにしようぜ

2008-03-26 16:07:21 | アニメ・コミック・ゲーム

非・高齢家族が昔かよっていた漢詩教室の先生が80歳=傘寿のお祝いを先日ホテルで開催。内祝いに特大のバウムクーヘンをいただきました。バウムの年輪が長寿に通ずるということで、当地の老舗のお菓子屋さん、地方都市の本店のみで中央進出の予定もなく、決して大手ではありませんがTV情報番組でも紹介されたロングセラーヒット商品なんだそうです。

大手どこでも作っているバウムクーヘンを、高齢化時代に“年輪”でアピール。「目のつけどころイカチイな」だったんでしょうな。月河は先生ご本人をローカル紙のコラムでお名前拝見しただけで、面識はないので、どっちかっつうとトータルテンボス『爆笑オンエアバトル』チャンピオン祝いのつもりで頂戴しました。意外にしっとり生地で甘みも控えめ。エジプトの砂漠の真ん中でもいけそうです(無理)。

『仮面ライダーキバ』。キバのフォルムを見て最初に思ったのは“マニエリスムライダーだな”ということでした。

ディープなファンがいまもこよなくリスペクトしてやまない1号ライダーの本放送時、月河はネットされない地域に住んでいたのであまり偉そうなことは言えませんが、それでも元祖仮面ライダーが、昆虫のバッタをモチーフにしていることぐらいは知っています。

平成に入ってからも、クウガがクワガタでギルスがカミキリムシ、ブレイドはカブトムシ、アギトと龍騎はドラゴンだったかな。555だけはライダーシステムそのものが工業技術製品との設定でギリシャ文字モチーフなんていう変化球もありましたが、基本は昆虫。

キバは昆虫のフォルムを踏襲しながら、細部はコウモリ来ました。胸当てや肩の甲冑風の部分、膝や下肢の“ヘルズゲート”などのアーマー、防具といったディテールはもちろん、かわいい赤目のコウモリ型モンスター=キバットに手首をガブッと噛ませることで変身するという設定まで、もろコウモリ。

蝙蝠型モンスターと契約したナイトなんてのもいましたが(『龍騎』)、昆虫形態を押さえたままコウモリかぶせた、というハイブリッド感、悪く言えばごった煮感濃厚な視覚化は、まさにマニエリスムです。

しかも、ここにガルル=狼男、バッシャ=半魚人の属性も付与して強化フォーム誕生。もう何でもあり

昆虫に、獣類に、魚。ロッソ・ブロンツィーノの『ヴィーナスとキューピッド』に出てくる、胴体が爬虫類で足の爪がネコ科で右手と左手が逆についている美少女や、ジゥセッペ・アルキンボルドの、顔が海産物や植物でできた人物像を思い出さずにはおられません。

毎話ゲストで登場してキバと一戦まじえては退治されていくファンガイアたちもモチーフは動物ですが、戦闘能力設定とあまり関係なく誇張された、宝塚歌劇のフィナーレみたいな“装飾過剰感”“作り込み稠密感”はグスタフ・クリムトの作品のよう(同じ日曜日、夜にNHK大河『篤姫』OPを見ると、月河はいつも微量ファンガイアを思い出します)。

加えて、キバに変身する主人公=紅渡の現在2008年と、渡の父=音也がファンガイアの存在を知り戦いに参画する1986年、一部の人物・キャラは共在するふたつの時制を切り返しで見せていくという、物語の叙述法もきわめて主知的・技巧的で、これまたマニエリスティック。

マニエリスムmanierismeは、日本語化している“マンネリズム”の語源ですが、必ずしも“ネタ切れ”“惰性”“小手先”を意味はしません。Maniera=手法・様式の語幹通り、マニエリスムはひとつの時代、ひとつのスタイルの成熟の極致にあらわれるものです。

理性的な調和や自然の摂理を基盤とする安定を、人間の才気のひらめきであえて人工的に崩し、乱し、あるべきもの、あって当然のものを取り払い、なくてもいいものを付け加えて、不均衡や混乱や奇怪さの中に斬新を見出そう創り出そうとする、きわめてプログレッシヴな、チャレンジングな精神の表れだと思います。

『キバ』の物語部分、特にマニエリスティックに練られた部分で月河がいちばん先を楽しみにしているのは、実は現在時制の渡(瀬戸康史さん)、バイオリン製作者として尊敬する父・音也(武田航平さん)の現在の生死を、劇中で一言も触れていないんですね。86年から08年、22年を隔てていますが、86年時制で20代の音也は生きていればまだ40代中盤の若さです。

死んで故人になっているなら彼の手になる名器“ブラッディ・ローズ”と並べて遺影の一葉ぐらいありそうなものだし、映っている風采で、86年から何年ぐらい後に死んだのか想像もできそうなものですがそれもないから、いちばんありそうなのは“渡が生まれた後行方不明”。

同じことがファンガイアハンター2代目・恵(柳沢ななさん)と母・ゆり(高橋優さん)にも言える。

人ならぬ存在である次狼(松田賢二さん)はともかく、86年の『素晴らしき青空の会』主宰、08年には“ハンターチーム”のボスとなっている嶋(金山一彦さん)とカフェ・マルダムールのマスター(木下ほうかさん)はその辺の事情を知っていると考えるほうが自然だと思うのですが、まだ何も語りそうにない。

86年時制の対ファンガイア戦闘物語が煮詰まって現在時制に近づいてくるまで詳細はお預けになりそう。最終話近くでまさかの“現在時制の音也とゆり”が登場し渡・恵と再会共闘まであるのではないかと期待しているのですが。

まだ夏休みもあるし、劇場版もあるし、終盤までには山のように新登場人物・新キャラ・新設定が参入して来そうですしね。

マニエリスムの欠点として“意味が重層輻輳すし詰めてんこ盛りなのに比べて、「どれが何を意味するのか」の説明解釈は観客の教養や知識に丸投げ”というのもあるんだな。どうなるでしょうかキバ。

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相棒取ったな

2008-03-23 18:26:13 | アニメ・コミック・ゲーム

爆笑オンエアバトル』チャンピオン大会ファイナルの三拍子のネタ、ボケが「①番~~、②番~~」と3択選択肢を提示して行く構成と似たようなのを、そう言えばますだおかだもオンバトでやっていたような気がするな。もちろん“ネタ合わせ”がテーマではなく、車内放送ネタかお店ネタだった気も。

ウロ覚えで申し訳ない。ただ、「“完全に真新しい、いまだかつて誰も演ったことのない、誰の何ネタとも似ているところが一切ないお笑いネタ”なんてこの世に存在しないのかもしれない」ということを書きたかったのです。

どこかに微量、先発のネタを思い出させるふしがあったとしても、それでネタ質が致命的にダメになると決まったわけではない。「前に誰かが演ってた」が主因でダメになるとしたら、極端な話、古典落語などは存在する価値がないことになってしまう。

“こういう状況で、こういう人が現れたらおもしろいんじゃないか”“その人がこういう行動をとって、その結果状況がこう変わっていったらなおさらおもしろいんじゃないか”を、プロのお笑いを志すほどの“おもしろセンス”の鋭い人たちがてんでに追求して行ったら、“おもしろい話”は究極どれもこれも多かれ少なかれ似てくるんじゃないかという気もします。

タイムマシーン3のアフター卒業式ネタ、超新塾の後半=上京する友達送別ネタは、オンバトチャンプOBアンタッチャブルがいろんなところでやっていたネタにもろ通じているし、NON STYLEの彼女を迎えに行けネタは、同じくアンジャッシュもよく演っていました。先の三拍子にしても、“ネタを作る過程自体をネタにする”点で、これまたアンタッチャブルの“山崎からのツッコミ指南”ネタとも同類項でしょう。

しかし、「先発の誰かのネタと似ているな」と思っても、不思議なほどそこからつまらなさには直結しない。そこにお笑いにおける“芸風”、“キャラ”“存在感”の出番があると思うのです。

さて、“先発と似ている”つながりで言えば、それこそ毎年毎年手を変え品を変えるだけで同じ善悪対立構図、同じ悪退治ストーリーを何度も何度もやっているのが戦隊ヒーロー。“キャラ”一本で新鮮さを保ち続ける戦術は、毎年真っさらのご新規顧客が一定数必ず参入して来るお子さまマーケットとは言え、東映・テレビ朝日&バンダイあっぱれ。

炎神戦隊ゴーオンジャー』、先週のGP5、今週のGP6では、ゴーオンジャー5人、レッド走輔(古原靖久さん)が短気無鉄砲まっしぐらの兄、ブルー蓮(片岡信和さん)が気ぃ遣いのフォロー役お母ん、グリーン範人(碓井将大さん)が甘えん坊で快楽原理の弟、そしてイエロー早輝(逢沢りなさん)がおしゃまで家族思いの妹…と“擬似ファミリー”に人物造形しようとしているような印象を受けました。ブラック軍平(海老澤健次さん)は…ストレートに頑固親父って感じではないから、変わり者だけどおもしろい“叔父さん”かな。

そう言えば走輔はある局面では弟っぽくもあるし、範人はむしろ“守ってあげたい妹”に近い空気も持っている。もちろん蓮は兄貴的な側面もあり、定着したエプロン姿などはお母んよりむしろサザエさん的なお姉さんに見えることも。走輔と軍平のからみなんかは、兄弟というより“夏休みに会った従兄弟同士”のようでもあります。

制作サイドが擬似家族属性を賦与しようと狙って作って描いてるんじゃなく、観る側がそういうなぞらえ視点で見てみたくなる戦隊だということかもしれません。蛮機獣が現れない平和なときは、年中改造キャンピングカー(=ギンジロー号)駐めて料理作って(←もっぱら蓮で、もっぱら卵料理だけど)屋外にモーターショー風の椅子テーブル広げて食べているので、『デカレンジャー』『ボウケンジャー』のようなプロフェショナルチームや腕におぼえのスペシャリスト集団ではなく、『ゲキレンジャー』のような修業学校や道場的な場所でもなく、やっぱり“家庭”がいちばん近似して見える。

GP6では紅一点イエロー主役の、年間1エピは必ずある恋バナ仕立てのお話か?と思わせて、戦闘での美味しいトコ取りは初・炎神武装したブラックのガンパード。GP5では磁石蛮機にゴーオンソードを吸着されて負傷したスピードル(走輔「スピードル、大丈夫か!」「い、痛て…」…萌え会話)の場所に、グリーンのバルカが炎神武装。

レギュラー戦士の持ち武器(正確には戦士のほうが“相棒”)がレギュラー合体のパーツではなく、強化武器のポジションというのもユニークです。先輩3戦士の活躍に憧れ惚れ込んで志願した後輩2戦士という設定も心構えや経験値の差、チームメイトシップの体温差などに敷衍させて、ストーリー部分の起伏に見事つながっているし、“毎年毎年同じことの繰り返し”と感じさせず、きっちりキャラ立ててマンネリ感を払拭する企画力には脱帽です。

そして蛮機族、止め食らった後の断末魔というか、今際のキワのひと言が今回もいい。

磁石蛮機「どんな強力な電磁石も、勝利だけは引き寄せられなかったかーっ!!」

スピーカー蛮機「タダイマ マイクノ テストチュウ 5ジニナリマシタ コウテイニ イル セイトワ キタクシマショウ ピンポンパン」

…なんかね、『ゴーオンジャー』見てると、ときどき「平日夜の大人向け連続ドラマ、2時間ドラマを作っているPや脚本家や監督さんたち、スーパーヒーロー枠制作陣がうらやましいだろうな」「やってみたいだろうな」と思うことがある。

やるべきことがはっきりしているというだけでもどれだけうらやましいかわからないのに、やってみたいなと思ったことのほとんどがやれる枠だと思うんですよね。

本編終了後のお楽しみ・ボンパーの“ゴーオンゼミナール”。先週は「バルカの喋る(ヘンなイタリア語風の)言葉はどこで習った?」、答えは「生まれつき(=ボクは生まれたまんまミーヤ、昔からこんな喋り方しテルデンテ、言わばバルカ語なンダルチア、サンタルチア)」。

 今週は「ガンパードは弾を何発撃てる?」、答えは「オレの銃弾が尽きることはない!根性が続く限り撃ち続けるぜ」。

 …あのねぇ。CMまたぐまでもないと思うんだけど、その“直球シンプル”さが潔く気持ちいい。とにかく他局と違う、前クールと違う、前枠後枠と違う変化球クセ球捻り球を自ら求め、求められては迷宮入りしている大人向けドラマ陣にはこういうところがうらやましいに違いない。このシリーズを象徴するコーナーのようです。

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アセロラスープ

2008-03-20 21:06:59 | アニメ・コミック・ゲーム

だいぶ日にちが過ぎてしまいましたが『爆笑オンエアバトル・セミファイナルBブロックin多賀城』(142410~)、今シーズンもあと2ラウンドと残り少なくなってきたこともあって、今回はちょっと問題意識を持って再生視聴してみました。

出場は演順にオジンオズボーン、風藤松原、上々軍団、タイムマシーン3号、ハマカーン、我が家、流れ星、東京03Bコース、トータルテンボス10組。

いずれもシーズン中少なくとも2回はオンエアを見ている人たちばかり。そこで“いつもより(orいつもにまして)おもしろかった、笑えた”組“いつもに比べてつまらなかった、精彩なかった”組とに、万難を排して分けてみました。

ベター組はオジンオオジオズズボーン、上々軍団、流れ星、東京03

“逆ベター”組はハマカーン、Bコース、トータルテンボス

可もなく不可もなしが風藤松原、タイムマシーン3号、我が家

で、合格ファイナル進出が得点順にタイムマシーン3号、オジンオズボーン、流れ星、トータルテンボス、Bコースという結果になりました。

オジオズ890kb流れ星886kbは、何といっても出だし掴みが抜群だった。特に流れ星は、“室井滋”のチョイスで客席に「へぇー」まで言わせましたからね。ここで本人たちがグンと乗って行った。この出来を維持できれば、セミ前のちゅうえいのコメント「いちばんチャンピオンらしくないチャンピオン」も視野に入ってくる。

オジオズの“千の風ルパンⅢ世ヴァージョン”はこれに比べるとちょっと発想が幼稚めだったけど、篠宮の音程節回し、声の出がいつもに比べて冴えていたため高松の“笑顔→男前→AKB48”へのノリツッコミも一気に上昇カーブに乗っていけた。公開収録での掴みの重要さを改めて思い知らしめました。宮城県多賀城市、地図で見ると塩竃の近くですが、カマボコは名産地なのかな。

風藤松原562kbは「じゃちょっとテンション上げてやりまーす…いやーこないだっさー!!」「おーどないしたんやー!!」で、思ったほど客席が急カーブで湧かなかった、これに尽きると思う。一度上げを見せると、今後のラウンドも上げがルーティーンのひとつになり、“‘地’と見せて、テンション低いのも実は戦術のうちなんだよ”をカムアウトしてしまうわけで、ある意味勝負をかけたネタだったはずですが、、これでセミ通過してしまったら、「テンション上げが“アリ”」をデフォルトにしてファイナルを戦わなければならなくなったわけだから、ここ敗退でかえって今後がラクになったと考えるべきなのかもしれない。

上々軍団も同じく562kbで結果だけ見れば低調ではありましたが、(あえて言う)たとえフロックにしても満kb出した誇りをバネに自信持って演れていたのが大きいと思います。ナース絡みで前順風藤松原、歌ネタでオジンオズボーンと、同じ組・近い演順でなければまかり間違ってファイナル進出まであったかもしれませんが、「英語わかんないんなら無理すんな!」のオチに典型的に現れていたように、「ドゥーワチャワナファゲン、フォーユー」「雰囲気だけだろ」のオジオズが合格なら、「上々は芸風雰囲気かぶるから要らない」と判断されても仕方がない。

タイムマシーン3は、“いつもより良かった”と思う人もいるかもしれない。コンビニバイト面接ネタ一本でも途中で飽きさせずまとまっていたと思いますが、1018kbは前週のセミA in出雲での三拍子同様“顔点”“名前点”が大きかった。

ハマカーンのお祭り好きネタはむしろ流れ星が演ったほうが合うたぐいのネタだったと思う。悪いときは悪いなりにまとめてくるのがこの人たちの強みだと思ったのですが、逆にそのために、最高おもしろい全開のときどんなんだったか?が思いだせなくなってしまった。やはり、たとえば今セミ不出場組で言えばノンスモーキンの「ジャンケンで抱きしめーてジャンケンで離さないで」、ギャロップの「父さんの故郷ジャマイカ」のように、一見忘れられなくなるパフォが、たとえ他回はチョボチョボだったとしても、セミ敗退が決まったいまとなっては、1回は欲しかったところ。

注目のトリオ3組の中では、月河個人では久々に、ここ数ヶ月で視聴した全お笑い番組の中でいちばん東京03に爆笑しました。リプレイして見るたびにその都度笑えるネタも昨今珍しいよ。いつもは振り回され被害者担当の飯塚がどんどんエスカレートしていく自体に爽快感があったし、終盤の「○○か!」「○○だよ!」の応酬も(“カップラーメン”というモチーフ選択すらひょっとして?)この番組の勝ち抜け組タカアンドトシのパロディーっぽくて痛快だった。420秒ほどの中で、基本設定を見せ個々のキャラを見せ、「それがどうして可笑しくなっていくのか」の過程を見せる、「自分がTVで見たかったお笑いとはこういうものだったんだ」をピンポイントでズバ突かれた感。

その東京03742kb6位敗退となった時点で、残りのBコース802kb我が家714kbでは“動きの多さ派手さ”で勝負あったか。パッと見でドタバタとわかるドタバタという席を占めるとしたら、今セミのメンツではBコースしかいないですからね。我が家もネタとしては悪くなかったと思うけれど、個々のボケ・個々のツッコミが、どうも笑い曲線を上昇させていかずブツ切れにしてしまうほうが多い。

さてトータルテンボス。“同じネタを練って練って演り返して良くなるタイプかも”とは前に書きましたが、まさかM1最終決戦とまったく同ネタで来るとは。宮城ならM1視聴率は関西ほどではないと踏んだのかな。「…旅行代理店の店員っぽいって言われるんだよねー」と大村が切りだした瞬間、会場が軽く凍ったように聞こえた。藤田の「上回ってんじゃねーか5人ぐらい妄想じゃねーか」でどうにか“笑っていいんだな”モードに戻ったけど、壊れがエキサイトしていく「いーんですかー!?」リフレインが制限時間の関係でそっくりオミットされていたし、途中のノリもM1での出来に比べて全然モタついていて、818kbはタイ3、三拍子以上に“顔名前点”。ファイナルでのネタへのハードルを自ら高くした点で度胸アッパレと言っておきましょう。

このセミBを見て、いちばん最終ラウンドに推したかった東京03が消えてしまったからというわけではないけれど、ここらで個人的に『オンバト』という番組自体への姿勢を考え直さなければいけないとも思いました。おもしろいネタやおもしろい芸人たちを単純に鑑賞して笑ってスカッとするためには、この番組は向いていない。

「これがover500kbで、アレが380kbってあり得ない」「この人たちのこの程度のネタがオンエアで、あの人たちがオフエアってことは、あの人たちどんなネタでどんだけやらかしちゃったんだ」などにいちいち引っかかって、オンエア分だけを純粋に笑うのが、毎週真剣に見ていれば見ているほどむつかしく、逆にフラストレーティングになってくる。

順位や得点差に引っかかることそれ自体を“お笑いに付随する娯楽”として消費できる精神状態にこちらが居ないと、オンバトウォッチャーは続けられないかもしれません。

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