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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

天に星 地に花

2008-09-19 00:20:14 | アニメ・コミック・ゲーム

まるっと未チェックだったのですが16日からBSマンガ夜話』新シリーズが放送されていたんですね。前シリーズからまだ3ヶ月、やり出すとピッチが早いから油断ならないなあ。

そう言えば昨日(18日)の昼間、出先の待ち時間で、備え付けの雑誌をめくっていたら、“懐かしマンガカルトクイズ”という、マンヤワメンバーなら泣いて喜びそうな企画が載っていました。

月河はマンヤワ最近のシリーズのお題になった作品も含めて、80年代、特に後半以降連載スタートしたタイトルについては、軒並み真っ暗暗なので初級篇からまったくわかりませんでしたが、

「『巨人の星』で星飛雄馬が甲子園に出場した青雲高校の、野球部監督の名は?」

……ビンゴ。これだけわかった。

“天野先生”なんです。下の名前は知らない。作中出て来てたかどうかも不明。もともと監督ではなく“部長先生”なんですよね。漫画の絵ヅラでは眼鏡で細身の銀行員風小男で、野球経験自体どれだけあったのか怪しい感じでしたが、青雲高の地区予選まで依頼されて監督をつとめた星一徹が「天野先生の長い地味な努力をさしおいて、人のふんどしで相撲をとりたくない、派手なことも性に合わん」と身を引いてからは、結構、指導者らしい気骨を見せる場面や台詞もあったように記憶しています。

月河はドンピシャ『巨人の星』世代ではないものの、小学校のかなりな高学年まで男性の床屋さんで髪を切ってもらっていたりで、当時の『少年マガジン』は結構チェックしていました。

手元に原典がないので確認するすべがないのですが、『巨人の星』ってタイトル・主人公の名が“星”だからなのか、登場人物でも、孤独な飛雄馬の数少ない“味方側”の人たちの役名はみんな“空”がらみなんですよね。

青雲高の柔道部鬼主将から、人生のバッテリーを組むようになる無二の親友が“伴太”、宮崎キャンプで出会った薄命のマドンナ“高美奈”。星家の赤いワンピースの姉“子”さん、日本一の日雇い人夫にしてスパルタ父ちゃん“一”さんも、よく見ると名前に“”“”の部首がちゃんとある。

高の“野先生”も広い意味でこのグループじゃないかと、月河は読んでいるんです。

一方、内的にはどうあれ、星飛雄馬と対立構図になる人々は全員属性が“地”もしくは“地上”です。

千住のお化け煙突みたいなあり得ない前髪と、中学生からオープンカーを運転する道交法違反常習がトレードマーク(か?)の“形満”は“紅高校”卒で、貧乏設定なのになぜか体格がいい“左門豊作”は“熊本農林高”出。入団テストでやたらからんできた高慢なオリンピックボーイ“速譲次”(“水”“サンズイ”は、宇宙にはない、“地”球所属のものですから)。伴会長闇討ち事件の張本人で飛雄馬退学→テスト受験のきっかけをつくった漫画家志望の先輩“牧場春彦”。

TVの新春ボウリング番組共演で飛雄馬と一時熱愛交際した“オーロラ三人娘”は空つながりかと思いきや、ピンの芸名は“ルミ”と木ヘン、思いっ切り地上で本質が敵属性でした。別れて正解。

ちなみに、オーロラ3人娘ルミちゃんの他の2人のメンバーは、“井エミ”と“原アキ”です。こちらはアニメ版限定。宮崎公演のポスターが一瞬映ったときに小さく出ていただけなので、知らない人が多いでしょう。黒髪をおろして外撥ねパーマ風にしていたのがエミちゃん(アニメのルミちゃんは栗色のストレートで、カチューシャか何か着けていたかな)で、金髪っぽく染めてアップにしていたのがアキちゃん。豆知識ね。ちょっと自慢。全員、姓に木ヘンを付けてるところが、一時のサンミュージック所属の女の子アイドル群みたいですな。

メジャーリーグのセントルイス・カージナルスから来た黒い刺客・オズマだけはよくわからないんです。オズマという、ファーストネームとも姓ともつかない登録名の由来も、“Cosmos(コズモス=宇宙)”からの音韻連想だという説もあるし、『オズ法使い』由来説まであるらしい。

まぁ、あの梶原一騎さんが大型の敵キャラ名考え出すのに『マジレンジャー』じゃあるまいし『オズの魔法使い』参照する姿も想像しにくいですが、だとしたら“Over the rainbow”だし、コズモスから取ったならもちろん直球で“宇”。

確か、中日ドラゴンズに入団するときか、アメリカに帰国してベトナムの英雄となり、引き換えに致命的な傷を負って世を去る悲運の末路を描いたアニメオリジナルのエピで“アームストロング・オズマ”と紹介されていた記憶もあるので、日本語に訳すと“強”、部首に“月”が含まれるのでどちらにせよ“空”組とみていいと思います。

オズマの出生や、野球選手になるまでの境遇には、星飛雄馬の「もしも銃社会で差別大国・犯罪大国のUSAに生まれていたら」ヴァージョンといった趣きもあり、作品内でも屈指の重大対決場面で雌雄を決しはしましたが、なんとなく“同じ次元で、似た素材の十字架を背負った2人”として作者はとらえ、描出していたような気がします。

さて、斯く書く月河も、“”で“”で、さらに“たびと”だもんで、名前の属性的には同作品の敵キャラにも味方キャラにもなり得る素質十分なんですがね。梶原一騎さんが早く亡くなられて残念。

…とは言え、←左柱←←のプロフィールで白状している通り、ツキカワもタビトも競走馬の名前から取っているので、空つながりでも地つながりでもなく、飛雄くんとは“馬つながり”だったのでした。

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じゃんけんチッ

2008-06-28 17:16:49 | アニメ・コミック・ゲーム

『花衣夢衣』を観ていて、音楽担当“コーニッシュ”さんが気になりはじめ、ちょうど先日帰宅途中にある新古書店で“洋・邦サウンドトラック・フェア”を開催中だったので、この枠で昨年秋~暮れのクールに放送していた『愛の迷宮』STを購入してしまいました。

……“しまいました”ってのも失礼な話ではありますが、だってね、フェア期間中の2週間ぐらい毎日のようにお店の前を通っていたんだけど、月河が買わないと誰も買いそうもない気配濃厚だったんですよ。同ドラマをリアルタイムで観ていなかった、知らなかった人はまず九分九厘買わないだろうし、観ていても、その…ジャケ写的に、出演女優・俳優さんの非常に熱心なファンででもなければ買いにくいと思うんです。

興味をお持ちのかたは画像検索でもすればすぐわかると思うので載せませんが、また何であんなデザインにしてリリースしたもんかな。

同じこの枠作品のサントラジャケでも、←←←左柱←←でおなじみ(なのか?)『美しい罠』『金色の翼』の確信犯的くすぐりファンタジックなキャスト写真の使い方とは、また毛色の異なる恥ずかしさなんですな。社会派ヒューマンドラマみたい。モノクロだし。

俳優さんたちの所属事務所との力関係でもあったのか。

ジャケ内ブックレットの東海テレビ高村幹プロデューサーの一文にもあるように“愛”が生成される“ルーツ”にこだわってコーニッシュさんに依頼したという、全般の曲調や構成はまったく問題ありません。期待以上。ジャケのおかげで曲がだいぶ損していると思う。内ブックレット部の空と雲と太陽のモノクロ写真をジャケ表にも使えばよかったのに。

“愛のルーツ”というコンセプトを“愛のある原風景”と読み替え、風景とともに回想されてくる風の音、水音、野鳥の囀り、小枝や草葉のざわめきなども込みで音楽化したと言ってもいい。ドラマのほうは終盤の盛り上がり(盛り上がったのか?)のはるか手前で月河は視聴脱落しましたが、このサントラを聞いていると、あぁ、きっとこうこう、こんな感じの、こんな読み味のドラマをイメージして出発したのではないかな…という“原イメージ”の輪郭が朧げながら見えて来る気がしないでもありません。

企図、出発点は悪くなかった。“愛の生成ルーツ”。イメージ通りに形をなさなかったのは誰のせいなのか。誰のせいでもない。ドラマも生き物ですから。

ただ、欲を言えば、ピアノとバンドネオンにホーン(トロンボーン担当の中山英二郎さんは放送中のNHK朝ドラ『瞳』OPテーマも作曲演奏されていますね)をからませた“音色”の豊潤さに比べると、“旋律”がちょっと薄味でおとなしいかなという印象も。ここらは岩本正樹さん、寺嶋民哉さん辺りとの“昼帯汁(じる)”の滲み込み方の差でしかない。今作音楽が好評であれば必ずほどなく同枠オファーが来るはずで、経験が解決してくれるでしょう。

←左柱←←でおなじみ(なのか?)寺嶋民哉さんの04年『愛のソレア』の後、06年1月期『新・風のロンド』、10月期『紅の紋章』のサントラも聴いてみましたが、いやもうね。ほのかに大時代がかって、微量の痛みの棘をふくんだセンティメントに訴えるこういう曲調は、寺嶋さんにかかったら汲めども尽きぬ泉水のように、あるいは♪ ポケットをたたけばビスケットがひとつ もひとつたたけばビスケットがふたつ… みたいに、「さんハイッ」っつったらいくらでも生まれてくるのね。

どちらもドラマとしては求心力がいまいちで嵌まり込めないまま終わってしまった作品ですが、“赤線から夢と人間愛(?)とネバーギブアップ精神で這い上がるヒロイン”という共通項でつながった『紅の~』の音楽は『愛の~』のそれの“続編”と思って聴いてもいいし、そこにドラマティック、パセティックな大芝居性を加えた『新・風~』のそれは両タイトルの“劇場版番外編”と思ってもいい。

『新・風~』に限って若干スタックアップしたようなスケール感になっているのは、少女漫画人気作による原作もの、かつリメイク作ということもあるでしょうが、『愛の~』が昭和32年、『紅の~』が昭和22年といずれも戦後の混乱期・刷新期から始まる物語なのに対し、戦中→戦後の価値観転換期を跨ぐ話だからというのが大きいと思う。こちらは『愛~』『紅~』の延長線より、02年に寺嶋さんが初めて手がけたこの枠作『真珠夫人』と聴き比べるほうがおもしろいかもしれません。

 岩本正樹さんの昼帯サントラについてはここで一度ならず書いてきたし、来週630日(月)~放送開始の『白と黒』でまたたっぷりご馳走になるので、改めては触れません。 

岩本さんと寺嶋さんは、月河の中で“陰と陽”、あるいは“暖流と寒流”というか“水辺と内陸”というか“塩水と淡水”というか“紅茶と煎茶”というか、はたまた“栗毛と黒鹿毛”というか…………なんか喩えを出せば出すほど伝わらなくなってきてるな。とにかく昼帯ドラマ、もっと具体的に言えば“昼メロ”という世界観の、音楽による解釈のショーケースを見せてもらう思いが毎作あるのです。

えーと、それから忘れてはいけない、『花衣夢衣』第65話最終回が27日でした。

この作品に関しては、細かく1シーン、1エピソード、1キャラ、1キャストにああだこうだ言及しても始まらない感じ。とにかく原作が長尺かつ、“意味の総量”においても膨大すぎて、3ヶ月13週月~金の枠サイズをもってしても捌き調理し盛りつけ切れなかった感。青春期を戦争と貧困で逆境に過ごした双子姉妹ならではの精神的な、あるいは宿命的な結びつきを描き切るには、TVドラマ、特に昼帯は具体性や明瞭性が要求される舞台であり過ぎた。

『新・風のロンド』放送終了後に同じ津雲むつみさん作の原作漫画を通読してみて漫画ズルい」とまず思ったことを思い出します。特にこの作者の得意とする、視線がページ上を斜めに流れるコマ割り、絵とネームとの間に挟まれる“無地”部分の孕む空気感、これらの意味伝達力・情報量はものすごいのに、TVドラマではこれらすべてを役者さんの演技で見せ、台詞のやりとりで説明していかなければならない。

『花衣~』原作はさすがに多巻数過ぎて手が出ませんが、原作者がいちばん伝えたかったであろう双子姉妹の精神的な、魂魄的な絆については、恐らく今回のドラマでは10分の1も表現できていないでしょう。

もっぱら、いちばん“昼メロ”に親しいモチーフである三角関係と不倫にばかり話が偏り、将士という、どう考えても女性一般からは魅力的と言い難いひとりの男性を、姉妹でキャッチボールしているだけのお話に堕してしまいました。

冒頭に書いた通り、コーニッシュさんという音楽家に興味を惹かれたのが、月河にとってはほとんど唯一の収穫。

“和”の世界に親しい、茶道華道や箏曲などをよくするとか、着物や反物を眺めたり匂いを嗅いだり畳んだりするだけで胸がときめくような感性を持ち合わせた女性視聴者ならば、キャストが場面替わりで着てくる衣装でかなり楽しめた作品かもしれません。

演技に要するエネルギーのわりに、あんまり報われない役どころを頑張った男性キャスト陣の中では、寡黙で不器用な職人肌・安藤役を肩にチカラ入れずに演じた長谷川朝晴さんを見直しました。損な役どころ代表・眞島秀和さんの『海峡』における上川隆也さんみたいなもんで、ちょっと儲け役。エンドマーク目前での退場が、視聴者にいちばん惜しまれ泣かれたかも。鼻と上脣との間のホクロに色気がある朝晴さん、一度ぐらいは色っぽいシーンも見たかったな。またこの枠に来演希望。

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そう考えるだけでもいいじゃないか

2008-06-21 19:10:57 | アニメ・コミック・ゲーム

BSマンガ夜話』34弾第3夜(192400~)は『ハチミツとクローバー』。未読でもタイトルは知っている作品なのでそれなりに期待して録画しましたが、冒頭の岡田斗司夫さんの、ゲストのアニメ脚本家佐藤大さんへの「脚本家さんてのは、三谷幸喜みたいに自信満々で、よく喋るんですよ」で爆笑してしまい、再生が本題に入ってからもしばらく集中できませんでした。

わはは。岡田さん(とりわけダイエット成功後の岡田さん)、三谷さん嫌いそうだもんなあ。特に映画『ザ・マジックアワー』の宣伝でここのとこ三谷さん露出量高原状態だったし。発言の文脈としては、「3夜めで疲れ気味」と自己申告する夏目房之介さんが「今日は、(しゃべりたい)熱気のすごい(隣席の)佐藤さんに(発言量を)助けてもらいたい」と言った後に乗っかったもので特に毒気はなく、全員笑顔流しで、佐藤さんも全然嫌な顔もせずこの後「(シナリオ)50本書いてたときにこの連載で癒された」など積極的にハチクロ賞賛トークを展開してくれたのですが、だからこそ岡田さんの本音が垣間見えてちょっと愉快でした。

「『アマデウス』と同じ、残酷な天才(=はぐみ)に翻弄される一般人の話、表現論として読んだ」「はぐちゃんはパブロ・ピカソのような“創作モンスター”で、美大で人間に返れるかも知れない4年間を過ごしたのに、結局モンスターのほうに戻って行く。はぐちゃんは創作という神を見た人で、神は光かもしれない(←“夏目の目”で夏目さんがこう表現した)けど、僕には闇に見えた」「だから読んでてはぐちゃんが怖くて怖くてしょうがなかった」と言う岡田さんに、夏目さんが「“あらゆる人間はお互いに理解はできないのだ”という諦念から始まるマンガもいまはあるし、そういうキャラの立て方もあるけど、この作品ではみんな同じ世界を生きていて解り合っている、だから岡田さんの言わんとする事はわかるけど、そこを突いてもここではあまり意味がない」と言ったときの岡田さんの“ふむぅ?”な目もよかった。

いしかわじゅんさんが「読中ずっと思ってたんだけど、最後のコレでやっぱり『自虐の詩』(業田良家)だな、と再確認した」と言う竹本くんの最終巻最終ページオーラスのセリフ「いまならわかる、意味はあるんだ、実らなかった恋にも」を聞いて、月河はヘミングウェイ『日はまた昇る』のジェイク・バーンズの締め台詞を思い出さずにいられませんでした。

連載開始時2000年に1820歳前後だった主人公たちは、人に目覚める思春期以降ずっと“日本の下り坂”しか見て来ていない世代。言わば“戦争放棄の国のロスト・ジェネレーション”かもしれない。作中設定はちょっと前なのかな。読みもしないで印象で決めちゃいけませんね。

気持ちいいくらい直球に“マンガマンガ”した絵柄には好感を持ちましたが、正直、『PINK』(岡崎京子)や『ポーの一族』(萩尾望都)のように、この番組で解題されたのをきっかけに「よっしゃ、第1巻からでも読んでみっか、ハマれるかはまれないか一か八か!」ほどの好意的興味は残念ながら湧いて来ませんでした。

『アマデウス』は好きな映画だし『ケインとアベル』も小説としておもしろいと思ったし、一時期『自虐の詩』目当てで週刊宝石を立ち読みしてた時期もあるけど、そういう読み味、テーマ性を期待して入って行くには『ハチクロ』はぶっちゃけ作品世界が“恋愛恋愛”していすぎる

“創作”という神に選ばれた、神ならぬ生身の人間、それも年若く小柄な身体の女の子の葛藤や、「人生悩んだり凹んだりに意味はあるのかないのか」を表現するのに、そんなに“そこらじゅう恋愛感情だらけ”に描く必要なんかないと思う。

いろんな人間の情動の中で“恋愛”だけを突出して賛美しフィーチャーする傾向、どうも“若さへの無駄な妄執”“種(しゅ)を保存することの無条件の肯定”が透けて見える気がして、月河はあまり好感を持てないのです。

「今日はさー絶賛モードになるんじゃねーかと思ったんだよー。なんかもーちょっと据わりが悪いんだよなー」とニコニコ悩んで終わった岡田さんの気持ちがすごくよくわかる。この番組継続して見てると「ヤなこと言うヤツだなこいつ、でも当たってるなチクショー(微笑)」となってくる岡田さんに、つい肩入れしてしまうな。レギュラー陣がお題本に付箋立てるところを、ヘアピン挟んでるとわかった笹峯あいさんもますます好感度アップ。次回は9月放送予定だそうです。第35弾か。お題は何作品かな。

ま、それまでに公式サイトエントランスのイラストの岡田さんは、ぜひ“アフター”ヴァージョンに描き替えてあげてください。NHKさんお願いします。岡田さんもよもやのリバウンドなんかしないでね。

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大衆は豚だ

2008-06-19 17:03:14 | アニメ・コミック・ゲーム

昨夜はBSマンガ夜話』を開始20分過ぎて飛び込み視聴。17日から第34シリーズが始まっていたのを見落としてました。うーむ不覚。00年、01年には当地公開収録にも参加したのに。05年から07年にかけて、まる2年半ぐらい放送されなかった時期があって、代わりに『アニメ夜話』『マンガのゲンバ』などが頻繁になったので、もう打ち切りになったのかなと思っていたのです。

『いつまでもデブと思うなよ』レコーディングダイエットで最近再ブレイク中?の岡田斗司夫さんに触発されたのか、司会の大月隆寛さんも気がつけばだいぶすっきり小奇麗になってますよ。トレードマークのおヒゲも少し整えた?…“ビフォー”が“分析イノブタ”系だった岡田さんに対し大月さんは“まとめクマさん”系だったのですが、なんかちょっと2人とも“お手入れ行き届いたしつけのいい大型犬”みたいになっちゃって、スタジオショットにヴィジュアル的なカオス感、サブカル的粗野さが不足して来た気も。

レギュラー陣でいちばん体調の安定しないことにかけては自他ともに認める夏目房之介さんは、微量ふっくらされたかな。いい傾向か。いしかわじゅんさんは…相変わらずオシャレに、定角ブレることなくヒネクレたまま(←褒めてます)年を重ねておられる。

アシスタントMC女性がまた代わったのかなと思ったら、声を聞いたら05年のまま笹峰あいさんでした。とてもきれいになっていて、岡田さんの細化よりむしろこちらにびっくり。01年の当地収録で客席から見たときすでに思ったのですが、女優さんを見て、TV映りよりナマのほうが美しいなと思う場合、まず例外なく皆さん肌が白い。白いというか、濁り・くすみが少ない。顔もさることながら、喉クビや、ちょっと露出めの季節なら、鎖骨近辺とか二の腕とか、ここらが白いと本当にキレイ感倍増する。うーん。美白美白。もう手遅れか月河。

笹峰さんはそれプラス、トークの中で視聴者が見ていて、ウケてほしいときにきちんと笑ってくれて、それ以外では声出して笑わないし、わかってほしいときに即わかったという表情をして頷いてくれる。プライベートでとてもはまっていると自認し公言する作品がお題の回も、「読んだことがなかった」と言う作品のときも、MCにのぞむ体温差の表現がほどほど(全然差がないのも事務的で淋しいものです)。存在のしかたに無駄がなくて気持ちいい。見た目以上にアタマがいい、カンがいいんでしょうね。この番組のアシスタント歴最長なのも頷けます。みずから演出も手がけられるなど、女優としても熟れごろ。昼ドラに来てくれないかな。

…どうもキャリアほどほどの女優さんに好感持つと、つい「昼ドラに…」と思ってしまう月河の思考回路、どげんかせんといかんか。

昨日のお題は『男組』。70年代ですねぇ。週刊誌でキャンディーズのスーちゃん(=田中好子さん)が「流全次郎カッコいい!スーは男組ファンよ!!」と言っていたのを読んだウロ覚えがあるので、キャンディーズの全盛時代を考え合わせると、7677年頃には人気が確立していた作品なのでしょう。…“なのでしょう”ってのも他人行儀な話ですが、『マンガ夜話』はお題作品にこの程度の知識情報しか持ってなくても、結構、トークが時代批評・文明批評として読み解けるところがおもしろいのです。

作品紹介、年代紹介を含む番組前半20分少々を見逃したのが悔やまれますが、“夏目の目”のコーナーに間に合ってよかった。「70年代当時の“少年サンデー”はカオスで、児童向けからのちに青年誌に独立統合されてくる路線まであらゆる傾向のマンガが詰まっていた」「キャラの絵柄に、ゴルゴ13もブルース・リーもいる」「梶原一騎の梶原イズムも随所にみられ、(“キミのためなら死ねる”でおなじみ)岩清水くんもいるし、流と神竜は(『愛と誠』の)誠が2つの人格に分かれたもの」と相変わらず表層から始めて、深層を経てきっちり表層に戻るご指摘が。

いしかわじゅんさんからは現役プロマンガ家らしく「当時の池上遼一の絵柄をリスペクトする漫画家や予備軍はものっすごく多かったけど、いちばん影響顕著だったのが香港のマンガ。一時期の香港コミックはページをめくれどもめくれどもぜんぶ絵柄がコレ(=池上風)」「原作の雁屋哲も、面識無いからよくわからないんだけど、東大→電通というコースを来たのに、辞めてフリーになった珍しい人で、代表作がコレ(=『男組』)と、もうひとつ挙げると『美味しんぼ』ってのもすごい」…これには岡田斗司夫さんから「“主義”じゃなく“趣味”で押し切ってますよね」との補論もありました。

かつて岡田さんはこの番組で、番長もの・不良もの、あるいはバトルもの漫画に“バカ系”と“お利口系”がある、と至言を述べておられましたが、昨夜は「主人公が立ち向かう“敵側”が、頭脳や技術や武器で主人公を苦戦させるのではなく、立場や階層・地位が上位であることに加え、肉体、身体能力の優秀さで戦うマンガはコレが初めてだったんじゃないか」「手塚治虫さん時代や、手塚さんの流れをくむヒーローマンガは、敵には肉体や身体がなく、あっても老人だったり、ヘタすりゃ脳だけだったりで、悪くて強力なのは科学技術だった」との発言が。

ゲストの大槻ケンヂさんが終盤に触れて、岡田さんも流→神竜へのセリフを引いて「カミングアウトですよ」と例示してくれたように、いまなら所謂“腐女子”の皆さんが泣いて喜ぶような色合いのマンガだった様子。

もうひとりのゲスト角田信朗さんは、ドンピシャ中学生時代にこの作品を読んで格闘技を志したそう。憧れていた池上遼一さんに会う機会ものちにあったそうで、「(作中の)南条五郎みたいな人かと想像していたら、全然違って(小柄で細くて)驚いた」とのこと。マッチョな絵柄、バイオレンスなストーリーが身上の作家さんにはこういうケースが多い。角田さんも、いしかわさんも推察しておられた通り、自分の身体性へのコンプレックスが出発点にあり、それをプラス方向に転じんとするベクトルがああいう作品に結実するのでしょう。

写真を撮るとき求められるまま角田さんがファイティングポーズをして見せてあげたので、「作中どこかに僕がモデルの絵が絶対あるはずですよ」と嬉しそうに言っておられました。

今夜(24:00~)は第3夜ですが、羽海野チカ『ハチミツとクローバー』。TVアニメにも実写ドラマにもなったことは知っていますが未読未見。スピッツ『魔法のコトバ』は好きな曲でした。お風呂で歌唱して気持ちいい系。アレは劇場版のほうかな。とりあえず録画スタンバイ。『爆笑オンエアバトル』は前半パスしかないですね。

この番組、レギュラー陣が野郎ばっかり(←褒めてます!)なので、少女漫画やレディコミ系に手薄な感は否めないのですが、いつか津雲むつみさんの『花衣夢衣』か『風の輪舞』を採り上げてくれないかな。わはは。わかりやすい昼ドラフィルター。でも昼ドラ見ない人の間でも、コミック単体で人気作じゃないですか。

ゲストに小沢真珠さんか、萩尾みどりさんはどうかな。ドラマや教育テレビでNHK経験あるし。要望メール送ってみるか。

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どっから出てんだ!

2008-06-10 20:58:27 | アニメ・コミック・ゲーム

2週分ぐらい再生しそびれると、これっきり脱落かな?と何度も思うんだけど、万障繰り合わせて観るとやっぱり引き込まれてしまうのが『仮面ライダーキバ』です。

物語がどっち方向へ収斂して行こうとしているかなかなか見えない分、同じスーパーヒーロータイム前の枠の『炎神戦隊ゴーオンジャー』のような、1エピ見るとすぐ次のエピが待ち遠しくなったり、特定のキャラに肩入れしてモノマネしたくなったりするわかりやすい求心力はないのですが、相変わらずステンドグラス調でカラフルなファンガイアたちにキバ強化フォーム・強化武器と、目くるめくばかりの映像美(?)で30分を飽きさせません。

8日放送の20話終盤では、イクサに倒されたレディバグファンガイアのライフエナジーと、現れるにこと欠いて地中から現われたキャッスルドランの空中戦、ドランの上にあの、イクサの“四つ足土建屋ピッチングマシーン”みたいの…パワードイクサーっての?も乗っかって、“南アジアねぶた”“洋風有翼お神輿”の対決みたいになってた。

そしてこの番組、どうしてもリピートせずにいられないのは、入れ替わり立ち代わり登場する敵役・脇役陣が、非常に昼ドラ人脈なんですな。ファンガイア化生体として、謎のレストランオーナーに『愛の迷宮』咲輝さん、詐欺スカウトマンに『牡丹と薔薇』『新・風のロンド』神保悟志さん、絶対音感を持つバイオリン職人として『レッド』『永遠の君へ』村井克行さん、このあたりは特撮俳優チームとしてもすでにベテランの域です。

先々週は、元・バイオリン生徒のアーチェリー選手として『レッド』遊井亮子さんの顔も見えました。ともにバイオリンに縁のある役柄でしたが村井克行さんとは出演回が重なりませんでした。残念。

大ちゃんことルーク・高原知秀さんは、月河が昼ドラ定点観測者となるきっかけを作ってくれた01年『女優・杏子』の、杏子さんが役に燃えてるときに通うジムのボクササイズトレーナー。03『超星神グランセイザー』のセイザータウロン・松坂直人役の頃は、最強の格闘家という設定に合わせて一回り半ぐらいビルドアップされていた印象がありますが、今回はもう一度絞って、荒くれ系悪役らしくなっておられます。ワイルドの下にどこか浮き世離れしたピュアな目も健在。昼ドラにカムバック熱望。

20話では『美しい罠』の小谷教授・窪園純一さんがまんま医師役で白衣着て、何食わぬ顔で恵(柳沢ななさん)の足触診したりしてて爆笑でした。クレジット役名“医師”ってだけ。昨年『金色の翼』の時点では“港北医大”の教授だったはずなんだけど、民間にトバされたかな。

“仮面ライダー”の世界では、“ライダー能力は本来、人類に敵対する性質を秘める”のが通奏低音的お約束。よって、ライダーベルトが敵勢力に奪われたり、ライダーが敵のコントロール下におかれ敵の目的のために戦わされたりして、“ライダーの人格が一時的に悪に変わってしまう”エピもよく出てきます。

19話・20話はこの伝統にちょっと変奏を加えて、“渡(瀬戸康史さん)に86年時制の音也(武田航平さん)が憑依する”という見せ場が。瀬戸さんの音也チック気障キザ芝居、結構うまいじゃありませんか。時制が違うので、TVシリーズでは一度も同じ場面に渡&音也が顔を並べたことがないとは言え、撮影現場一緒ですもんね。「もっと手にシナつけて」「もっと反って、エラそうに」って武田さんが瀬戸さんに“演技指導”したりもしてたのかな。

いきなり22年後の08年に来ちゃった音也人格が「いんたぁねっとってヤツで揃えた」と恵に自慢する、どデカ肩パッドの青空球児・好児みたいなブルージャケ、ダボパンツも“バブル期でセンスが止まってる人のいかにも選びそうな、流行遅れ然”としていて良かった。衣装さんグッジョブ。なんとなく小泉内閣時代の、ヒナ段写真での猪口邦子大臣を思い出しました。あの人もドレス、ヘアメイク、どっかで止まってたし。

でもやっぱりあの暑苦し気障キャラは、もったりヴォリュームなバブルパーマの似合う武田さんが演ってこそですね。憑依が解ける一瞬の、半裸オーバーラップに思わずドキッ。555のオルフェノク人間体発話を思い出します。『キバ』終了後も武田さんは、他のドラマに出演されたら月河しばらく追いかけるかもしれない。バブルジャケにバブルヘア以外の武田さん見たいもんね。

ルークに続くチェックメイト4(フォー)メンバーのクイーン=真夜として、またまた昼ドラ人脈から小沢真珠さん登場…と思ったら、ぱっちり円らな瞳と小さな顔のわりに大ぶりなお耳が似ている加賀美早紀さんでした。03『共犯者』での引きこもり女子高生役から約5年ぶりに見ましたが、当時より細おもての大人顔になって、夜の女王風クールメイク&ダーク衣装がよくお似合い。当時は“かが・みさき”かと思っていたんですが、“かがみ・さき”さんだったんですね。“安良城紅”さんや、最近音楽番組で活躍を聞かないけど“八反安未果”さんみたいだなあ。

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