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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

果てな?マーク

2010-10-08 16:46:08 | 昼ドラマ

こんなに長い期間、昼帯ドラマとノー接点なのは10年以上ぶりかもしれません。20011月期の『女優・杏子』以来、特にフジテレビ系東海テレビ制作の帯ドラマは、留守録画を併用しつつ、放送期間中第1週に少なくとも一度はチェックし、作品によって嵌まったり、嵌まらなかったりしてきました。

本編はもちろん、放送前予告も、OPも楽曲も、単話本編終了後CM明け次回予告も、一度も目にしない、見たのは制作発表のスポ紙報道とネットの番組サイトだけというフジ系昼帯ドラマは、この10年あまりで、現行放送中『天使の代理人』が初めてです。

報道では高畑淳子さん、市毛良枝さん、床嶋佳子さんと、アイドルでもタレントでもない本格的な専業女優さんが珍しく大挙して名を列ね、読んだことは無いけど原作モノ(=山田宗樹さん)だし、脚本チームのいずみ玲さんは『杏子』でも旧知だし、なかなか充実作の予感はあったのですが、すみません。望まない妊娠したとかしないとか、中絶するとかしないとか、本当に純粋に興味ないんですもん。ドラマのテーマとして重いとかイヤだとか嫌いだとかすら感じない。ひたすらどうでもいい。

人それぞれ。結論、それでたくさんじゃないか。妊娠するもしないも、したらしたで、しないならしないでどんな所感を持ちどう取り扱うか、それぞれの良心や境遇の要求に従ってそれなりに対処すればいいだけの話で、当節の厳しいドラマ制作予算を費やし綺麗で達者な女優さんを数々動員してドラマに仕立て上げるほどの意味はないと思う。

そもそも人間という、哺乳動物の一種にすぎないものの、いち個体が、命を得てこの世に生まれることにも、命を失うことにも、さほどスペシャルな意味や価値はないのです。

せっかくレコーダー起動して予約セットして、ちゃんと録れてるかわくわくしながら、深夜の貴重な自由時間を注ぎ込んで再生視聴するんだから、もっと虚構として興味惹かれるお話じゃないとね。

星野真里さんもアイドル時代から結構好きな女優さんで、『ゲゲゲの女房』ではユキエ姉ちゃんがお嫁に行ってしまってからの担当で出番が少なかったので、こっちでより濃い演技が見られるかもと思っていたのですが、出演俳優さんに贔屓がひとりふたりいるという動機“だけ”でドラマの視聴をはじめると、ほぼ例外なく挫折するんですよね。昼帯ではまたの機会ということで。

さて、そうこうするうちに、この枠の11月からスタートする新作の情報もリリースされています。『花嫁のれん』928日にいち早く掲載された東京中日スポーツの記事によれば、金沢の老舗旅館女将野際陽子さんと、夫に失踪されたアラフォー元バリキャリ女性羽田美智子さんとの嫁姑バトルものの様子。

野際さんは『ゲゲゲ』の登志おばばで、顔出し退場こそ早めでしたが、見えんけどおるヒロインの見守り手視点ナレーション担当として全篇を通して存在感を発揮してくれたばかり。羽田さんはそのひとつ前の朝ドラ『ウェルかめ』でヒロインのお母さん役でしたね。NHK朝と民放昼との、ショートスパンでの人材交流というか、地殻変動流動化も本格的に進んできました。

それはともかく、構造的に言わば“ヒロインの親世代と祖親世代”がダブルヒロインをつとめるわけで、高齢化日本をかなり如実に映し出すお話のようです。人生の岐路、決断の時期、「これからひと花」という“ヒロインたり得る”局面が、だんだん後倒しになったり、一度決めた人生の後半戦になって二度め三度めが訪れる、そういう時代になってきたということかもしれません。

演技歴豊富なおふたりに続いて、キャストを読んでいくと、烏丸せつこさん、山本圭さんのベテラン陣、やはりNHK朝ドラ(『どんど晴れ』)OBの内田朝陽さんに混じって、女将孫娘役らしいポジションで“里久鳴祐果”さんという珍しい名前を発見。

……里久鳴祐果。

おお、なんと非の打ちどころのない“どこで切れるか悩む系”のお名前でしょうか。八反安未果さん安良城紅さん仲里依紗さんらに堂々肩を並べて、並ぶ間もなく差しかわし1馬身2馬身突き放す級の、すがすがしいまでのどこで切れるかわからなさです。

“りきゅう・なゆか”なのか“りくなり・ゆうか”なのか、はたまた“さとひさ・めゆか”なのか。月河の知り合いの知り合いのそのまた知り合いで、男の赤ちゃんに“果”1文字で“みのる”と読ませて一発で出生届通過させたツワモノもいますから、女の子なら1文字で“みのり”もあり得る。そうなると名字は“りくなゆ”か“りくめう”か。“りくなゆ・みのり”か。

ここまで心地よく、どこで切れるかわからないの迷路に浸り切ると、もう検索エンジンとか使って簡単に“正解”をつかむのがもったいなくてしょうがありませんな。心ゆくまでこのどこで切れるかわからなさを掌中でコロコロころがして楽しみたい。

役どころとしては、羽田さん扮する東京から来た元バリキャリ嫁に対抗心を燃やし女将の座をゲットしようとする、野際さん孫娘にして羽田さんのライバルという、昼帯的には伝統のあるヒロイン敵役ポジションらしいですよ。ひとつ上、ふたつ上の世代がぐっと渋く、知的な感じで固めているので、ぜひキャピキャピ汁っけの多い“憎らし可愛い”=“憎カワ”路線のライバルで行ってほしいですね。昼帯ドラマはある意味、“人の人生のあらゆる局面を対立葛藤の図式で捉える”という構造を持つ世界ですから、敵役次第で精彩を帯びもするし、ダラけもする。

画像検索も先の楽しみにとってあるので、お顔もまだ存じ上げませんが、“里久鳴祐果”さん、期待してますよっ。

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ツカみはオッケー

2010-09-06 19:17:45 | 昼ドラマ

「ん゛ーーっ!戻ってこい!」と、南洋の偶像とおんなじ目剥き顔になってお祓いするしげるさん(向井理さん)で始まった今週の『ゲゲゲの女房』はフィーチャリング・イトツお義父ちゃん(風間杜夫さん)。

お祓いのおかげ?で首のコブの様なものは治ったものの、寄る年波で最近めっきり元気がないと布美枝さん(松下奈緒さん)たちを心お配させていたのが、若手小劇場メンバー来訪で得意のお芝居ウンチク披露の機会と見るや、俄然キリッ。私淑していた叔父貴が松井須磨子と共演したというとっておきの自慢話に、「マツイスマコっていつ時代の人だっけ?」「…明治、かな?」「確か、大正…?」とささやきかわす鬼太郎アニメ世代の若手さんたち。

なんだか、2001年の昼帯ドラマ『女優・杏子』で、杏子さん(荻野目慶子さん)が自分の主演ドラマの相手役オーディションに押しかけ審査員した場面を思い出してしまいました。

杏子は応募書類を見て、下積み劇団員でTV経験のない影山竜介くん(樋口浩二さん)にひと目惚れ。スタッフの反対を押し切って最終選考に残します。“ドタバタや前衛芝居しかやったことない無名役者じゃ連ドラのヒロイン(それも札つき気難しい香月杏子)相手役は無理”と否定的な監督たちはおざなりな質疑応答で「帰っていいよ」と追い出しモード。背を向けかけた竜介に杏子さんは審査員席から立ち上がり「もう行ってしまうの?あの声はヒバリではなくってよ、あれは夜に鳴く小夜鳴き鳥」、竜介はすかさず「あれはヒバリ、朝の訪れを告げる」と返し、あっけにとられた監督(山上賢治さん)とP(乃木涼介さん)は「…何、いまの」「…『ロミオとジュリエット』」と苦い顔でささやき交わします。

「あなたよく勉強しているじゃない、あなたと私、気が合いそう、うまく(共演を)やっていけそうよ」と、あっけにとられる同席審査員たちを前に得意満面の杏子さん。監督たちにバーナード・ショーやチェーホフについて質問されても答えられなかった竜介くんでしたが、『ロミジュリ』だけは知っていたのです。

杏子さんと竜介くんはこの共演後、なるようにしかならない感じで男女の関係になり、それは残念ながらいいご縁ではなくなってしまうのですが、オスメスとしてはともかく“芝居バカ同志”としては、赤い糸で結ばれていなくもないことを暗示した、なかなか締まったシーンでした。

さて、『ゲゲゲ』、水木しげる漫画のタイトルから劇団名をもらったという“アガルタ”の若手くんたちの「ボクらは小劇場系ですから」に「小劇場!?築地小劇場か!」とどんどんアナクロオーバードライブしていくイトツじいちゃん、「ボクら、つかさんの芝居にあこがれているんです」で見せた鳩マメ顔ったら。リアクションがどうにもこうにも何にもできないとき、人間ってああいう顔になるもんですよねえ。“つか(こうへい)さん”の名前を、役者もあろうに風間杜夫さんに投げかけてしまいましたよ。しかも、風間さん演じるイトツは投げ返せず立ち往生。これ、脚本のナイスおたわむれと言っていいものか。つかさんの訃報(710日)前の収録かしら。

真逆に、ノリノリで「つか!?あれはええ、まだ若いが、なかなか見どころのある男ですな!“ヤス、上がってこい!”とあの、あー何と言いましたかな、あの気障ったらしい役者が池田屋の階段の上から言う場面が何とも言えん!しかもあのアナタ、小夏という女がガイにええ女で…」と“商店街のスター”ぶりを発揮するイトツさんも見たかった気もしないでもありません。

“つか”と言えば、今日、しげるさんにワイド版の束(つか)見本を持って来た若手編集者役は、08年の昼帯『白と黒』の若干頼りない研究員役だった白倉裕二さんでしたね。ヘアスタイルがちょっこし変わったけど、また何とも微妙な味出しウエーブで。安来の飯田家チームで出演中の桂亜沙美さんに、『白と黒』では誘惑されて利用される役でしたが、『ゲゲゲ』の現場では当時の思い出話などできる接点がなかったかな。

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わたし、いかない

2010-08-24 18:36:46 | 昼ドラマ

先週(16日~21日)『ゲゲゲの女房』も終戦ウィーク協賛?か、しげるさん(向井理さん)の出征死線体験と、生還者としての使命感を軸にしたお話でした。

旧日本軍式の価値観や帰属意識についに染まることなく、しかし心身酷い目に遭っても根性だけは潰れることなく生き抜いてこんにちがあるしげるなればこその、したたかな生命力と感性が伝わってくる、見どころの多い週でしたが、ふと気がつけば笑っちゃうのは、第1週の確か第2話ぐらいで、イトツ父さんイカル母さん(風間杜夫さん竹下景子さん)や地元境港の人たちに見送られて出征したしげるは、まだ1話で少女布美枝(菊池和澄さん)にべとべとさんを教えた丸メガネの少年(川口翔平さん)だったんですよね。

『ゲゲゲ』の2年ほど前は土曜ドラマ『フルスイング』で高橋克実さんの鉄道好き中1息子を演じていた、あどけなさ残る川口さん。出征が昭和18年だとすると、ラバウル場面までの2年ばかりで向井理さん(の外見)に成長したことになる。向井さん公称身長182センチ。兵糧、少なかっただろうに。ビンタもされまくったそうなのに。恐るべき成長力。

戦争と人間の命…という重いテーマを採り上げしんみり語りつつも、底の一部分だけザルになってるみたいなツッコみどころを残してある。返す返すも好きですねえ、このドラマのこういうところ。

先日クランクアップの報が公式サイトに載り、放送も残すところ1ヶ月ほどになりましたが、貧乏ボロ家時代のしげるの仕事場が、ダウンロードしたPC壁紙でしか見られなくなったのがちょっと淋しい気もします。

いちばん手前に、男の子の小学校入学祝いにあげるみたいな、元気スカイブルーのT字型卓上蛍光スタンドがあり、じゅりんこじゅりんこレバー手回しする鉛筆削りがあり、机上には布美枝さん(松下奈緒さん)が結婚一周年のお祝いに贈った、はちみつ空きビンリフォームのお手製ペン立てがある。背中の書棚の、執筆資料や貸本時代の自著本、字引や事典類などは、背は古ぼけていても結構整理整頓は行き届いていて、ボロ家のボロ部屋でも、意外なほど惨めさ感はありません。新婚間もなくの“花と自転車”の和解劇以来、仕事場立ち入り掃除を許された布美枝さんが、出しゃばらず折りを見て片付けていたからかもしれないし、「生活が貧乏なのは仕方がないが、人間まで貧しくなってはいけん」という、しげるさんの精神至上主義の顕現とも言える。

置き道具、調度など、物言わぬモノをして持ち主の信条や心根を語らしめる。“目で見せる”に忠実で、目と想像力全開でしっかり見ている観客にはしっかりわかるように作ってある。初見で見落としても、時間をおいて再視聴するとちゃんと「そう、実はね」「よく気づいてくれたね」と教えてくれる。このドラマのそういうところにも好感持っています。

先週は、しげるの当時の上官(辻萬長さん)と、苦渋のナイス判断で左腕切断を敢行してくれた軍医さん(井之上隆志さん)とともに、戦中を回顧するシーンなどで、窪田ミナさんの新しい音楽もいくつか流れました。6月に出たサウンドトラック第1集はハートウォーミングな曲や癒される系の曲が多かったので、915日リリースの第2集には、ドラマ後半仕様の勇壮な曲やシリアスな曲もだいぶ入るかな。

今週(23日~)は夫婦の会話レス難局篇になる模様。仕事のピンチ(=版元から原稿料とアニメ映画製作出資金回収難)を打ち明けてくれなかったことものみ込み、妻として寂しさを訴えた手紙のゴミ箱直行も「読まんで描き損じと間違えて捨てたのかも」と無理やり善意に取り、「仕事のことにクチ出すな、家の事だけやっとれ」との亭主関白お決まり言辞にも持ちこたえた(←実家父を幼時から見ていて耐性もある)布美枝さんが、「今度の日曜、富士山に行くぞ」でキレたのがなんとも彼女らしい。

苦しいときに愚痴ってくれない、相談求めて頼ってくれないのも女房としてはせつない話ですが、夫が好きで楽しみにしていること、気持ちが晴れることを「一緒に行かないか、行きたい、行ってほしい」と分かちあってくれないのは、鼻紙も買えない貧乏のどん底で戦艦模型を一緒に作った思い出のある身にはたまらないでしょう。「どうしようもない時こそ、楽しくなる事をせんといけん」と教えてくれたのはほかならぬ夫なのです。

たぶんどこかでしげるさんが“お母ちゃんがおらんではいけんな”と気づいて歩み寄るのでしょうけど、「これからは何でもオマエにまず相談する」なんて180度宗旨替えすることはもちろんないのでしょうな。

“夫も妻も、基本は変わらない”“受け入れ、慣れ、順応するだけ”という安心感が、このご夫婦の魅力でもあるのです。人間、そうそう劇的にひと皮剥けたり成長したりするものでもないし。

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白と黒と虹と

2010-08-21 14:55:24 | 昼ドラマ

藍子ちゃん(菊池和澄さん)のモンスタークラスメイトは赤木留美子(アカギ・ルミコ)(藤崎花音さん)(@『ゲゲゲの女房』)。「先生に言いつける」をちらつかせていたずら男子軍を撃退、恩を売った上で「私をモデルにしたルミコって女の子を『鬼太郎』のアニメに出して」と藍子ちゃんに難題を吹っかけ、「できないならできないって、最初から言えばいいじゃない、期待させておいてウソツキ」と仲間外れペナルティを課す、政治家もびっくりの“小さな策士”“腹黒ちゃん”でした。

小学校も34年になると、こういう、世渡り計算上等な子がどのクラスにも、もれなくひとりはついてきますな。ガタイ能力で決着をつけたがる男子より、クチ先回路の発達が早い女子に多い。まー所詮はガキレベルの謀略なので、どこかで“策士、策に溺れる”式に手痛い目に遭って、いっときは素直になって見せるんですがね。雀百までの喩え通り、死ぬまで人の顔見てはハラの中で加減乗除、全体集合部分集合、方程式三角関数、ちゃっちゃか組み立てて生きて行くんでしょう。

藍子ちゃん視点で見守る視聴者からは嫌われ役になるので、子役さんにはちょっと気の進まないお仕事かな?と思いましたが、少女誌表紙風の指先アゴ杖が似合う藤崎花音さんナイスジョブ。かわいい昭和のお嬢さまワンピがいろいろ着られたので、まあ役得もあったということで行って来い。女性向けドラマにおける高慢いじめ役って、回り回って結構おいしいポジションなんですよね。

笑ったのは昨日(20日)放送回で、布美枝お母ちゃん(松下奈緒さん)手づくりのプレゼントをこっそりゴミ箱に捨てようとしてイカルばあちゃん(竹下景子さん)に見つかった藍子が、喫茶“再会”でばあちゃんと差し向かい、アカギ・ルミコちゃんの誕生会案件を相談する場面で、店内に流れていたBGMがさりげなくコヤナギ・ルミコさんの『瀬戸の花嫁』でした。こういう小ネタの埋め込み→発掘は作るほうも見るほうもめちゃめちゃ楽しいけど、大丈夫なのか。本家小柳ルミ子さんにほのか~な権利関係は発生してこないかしら。昭和47年、特に前半は世を席捲した大ヒット曲でしたが、賞レースでは秋リリースのちあきなおみさんの『喝采』と星を分けました。

小柳さんと言えばもちろん昭和46年『わたしの城下町』のデビューヒットで、当時の日本国有鉄道が仕掛けた観光キャンペーン“ディスカバー・ジャパン”ブームの一翼をも担った昭和歌謡の代表歌手であるとともに、その後女優としても長く活動され、TVデビューはほかならぬNHK朝ドラだったはずです。

『虹』というタイトルで、小柳さんの母親が南田洋子さん、『ゲゲゲ』の布美枝さんと同じ専業主婦ヒロインでしたが、月河、なにしろ子供だったもので、夏冬休みか風邪引いて休んだ日ぐらいしか見ていませんから、旦那さん役が誰だったかまるで記憶がない。影のうすい旦那だったのかしら。途中で未亡人になるストーリーだったかもしれない。ウロ覚えですみません。

とにかく小柳さんは、ふたりいる南田さんの娘のうち、おっとり、じれったいめの長女のほう。おませ系で勾配のはやいメガネっ子次女役は、当時のベテラン子役・永野裕紀子さんだったと思います。

このドラマが放送終了してすぐ、『シャボン玉ホリデー』で『城下町』を歌う小柳さんを初めて見たときには、あの二の線のほうの娘さん役の人、歌えるんだ、と軽く驚きました。宝塚音楽学校首席卒業(初舞台のみで退団)という経歴を知ったのはずっと後です。歴代の中には『ぴあの』純名里沙さんや『てるてる家族』紺野まひるさんなどジェンヌさんヒロインもいますから、当時は典型的な“ホームドラマ顔”だった小柳さんも一度は朝ドラヒロイン役、いってみたかったところではないでしょうかね。それより先に歌が大成功して、長丁場の連ドラ主役が無理になってしまい、痛し痒し。

一昨年の昼帯ドラマ『白と黒』での“おとなの妖精”的な役・青の館の彩乃さん以後、演技する小柳さんをTVで見かけていないような気がしますが、同世代の竹下景子さんが老けづくりでおもしろ猛烈なお祖母ちゃんをこれだけ見せてくれているのですから、小柳さんの孫持ち役もそろそろ、朝のこの枠で来てもいいような気がしますよ。色っぽくてはっちゃけたお祖母ちゃん。未矯正の八重歯がチャームポイントだったお若い頃は、ドリフの番組なんかでよくネタで「鬼ババ」なんて言われていましたから、踊るおババってのもいいかも。

ある意味、朝ドラって、祖父祖母のキャラ、キャスティング次第な世界でもありますからね。

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いきなり地獄

2010-07-29 00:28:57 | 昼ドラマ

『あさイチ』の深い時間のコーナーゲストに深沢社長(@『ゲゲゲの女房』)役・村上弘明さん登場。『ゲゲゲ』公式サイトでゲストイン自体はあらかじめ知らされ済みではあったものの、あさイチごはんをさわやかに試食して終了くらいの軽いゲストだろうと思って、録画スタンバイもしていなかったのですが、来週放送分から“思い入れあるシーン”を先行Vつきで紹介してくれて、次コーナー(←例の巨大怪花ショクダイオオコンニャクの開花映像)へのジャンクションに「変身!」ポーズまでサービスしてくれました。いい人だ。

若き日に特撮ヒーローを演じ、のちにメジャードラマの主演クラスに出世した俳優さんの中には“その話はなかったことに”的態度を通す人も残念ながらいまだ散見される中、現在の村上さんは特撮専門誌でもたびたびスカイライダー時代のことを気持ちよく語ってくれています。

「“子供のおやつ”と漫画をバカにする人もまだ多いが、いつか漫画が世の中を動かす時代が必ず来る」「漫画出版は男子一生の仕事」と『ゲゲゲ』劇中でさわやかに熱弁をふるう深沢役に、実にナイスマッチな人をキャスティングしたものです。

ところで『ゲゲゲ』と言えば、毎週月曜放送分ではOPが主題歌1フレーズ分ロングヴァージョンになり、スタッフ・協力クレジットが載りますが、“出雲ことば指導”の広戸聡さんは、調布の喫茶“再会”のマスター役で顔出し出演中でもありますね。方言指導の先生が、方言使いではない東京人の役、というのもおもしろい。出演決定してからたかだか半年ちょっとの期間に、指導されて喋ってる俳優さんと、指導する先生とが方言のセリフでからんだら、ネイティヴと俄か仕立ての“落差”が歴然としてしまうから、あえて広戸さんを東京チームに配置したのかも。

“大阪ことば指導”はいまのところ大阪人設定が窪田正孝さん演じる倉田だけですから、神奈川県出身窪田さんはマンツーマンで舩阪裕貴さんに師事中なんでしょうね。ゼタの嵐星社で深沢、布美枝(松下奈緒さん)と初対面の場面や、村井家に来て、看板屋の徒弟をしながら独学で漫画修業していた経験を語る場面では“やっぱりネイティヴじゃない、演技の大阪弁”と苦笑ものでしたが、仕事するより仕事増やすほうが多い菅井(柄本佑さん)や、年齢の近いいずみ(朝倉えりかさん)とのくだけたやりとりなんかは、大阪的グルーヴに乗って来たというか、ずいぶん聞きやすくなりました。

昨年の昼帯ドラマ『Xmasの奇蹟』で“身体は体育会系大学生、中身が中年音楽プロデューサー兼ピアニスト”という超絶設定を演じ切った窪田さんですから、大阪弁ごときで役を台無しにする様なヤワじゃありますまい。

そう言えば“妊婦指導”ってクレジットもあったな。松下奈緒さんに妊婦らしい挙措を指導するのかな。時制の進行に合わせてお腹の詰め物の増やし方を指導するとか。大葉ナナコさんというお名前です。藍子ちゃんがお腹にいた第10週にもクレジットあったかな。録画を確認してみませんと。

今日(28日)の放送回は、TV版悪魔くん放映決定の吉報を持って来た豊川編集長(眞島秀和さん)と船山P(風間トオルさん)にお茶出し終えて台所に行こうとした布美枝をしげる(向井理さん)が「あ、おい(ちょっと)」と脇に座らせる仕草がよかった。“めでたい話だから苦労をかけた妻に聞かせて喜ばせたい”だけではなく、いろいろなニュアンスが含まれていると思うんです。話が始まっても、しげる自身まだ夢のような気がしていて、“証人を増やしときたい”とか。“勢いに乗る向こうさんがうまい話をぞくぞく持ちかけてくるかもしれん、うっかり安請け合いしないようにストッパーとして”とか。呼びかけは「おい」と関白チックだけど、どこか、布美枝が頼りなんですね。

「(『少年ランド』百万部突破なら)重ねて積んだら、富士山5つ積んだより高くなります」と豊川に言われて、「ふぅじさんいつつ~はぁーー」とシンクロして宙を見上げたり。見上げたって何もないっつうの。夫唱婦随の古き良きうるわしい夫婦愛ってことだけじゃなく、基本的にこの夫婦、生まれ育ちは違う他人ではあるけれど、感性とか根性の基本設計において“似たもの同志”っぽいところがあり、それが多話数視聴続けていても鼻につかない要因でしょう。

水木先生接客中に、仕事部屋でTV化の話題にはずむアシスタント諸君の中で、「奥さんも嬉しいやろねえ」とつぶやく倉田さんもよかった。昨日(27日)の、味噌汁をめぐる布美枝との会話の後だけにね。中卒で看板屋に弟子入りして、先輩たちと雑魚寝の寮の部屋で布団かぶって漫画の練習、ゼタの新人コンクールでようやく受賞、しげるにアシにと白羽の矢を立てられるまで7年とのこと。若いけれど、食えない苦労、食うための苦労を知っている人らしい、普通の表現だけど深い共感が感じられました。

しかし、不思議なのは、最初から“アニメではなく実写”前提で進んでいる話なのに、実現を報せに来た豊川も船山も、聞いているしげる夫婦も、又聞きのアシ諸君も、ミーハー精神旺盛そうなすずらん商店街キャンディーズも、深沢も郁子さん(桜田聖子さん)も、誰ひとり「演じる俳優さん、子役さんは何という名前?どんな人?」に引っかからず、話題にしないことです。当時の子供向け実写ドラマって、それくらい“聞いてわかるほどの名のある、あるいは写真なり見せられてオッと思うほどの役者が出るわけがない”ものだったということでしょうか。

いまの子供向け特撮番組なら、毎シーズン、タイトルやキャラの前情報が流れると、月河なんかは「主役がどんな新人さんでどのくらいカッコいいか、好みか」は興味のメインディッシュですけどね。

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