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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ドウカそこんとこ

2015-03-07 23:09:15 | 朝ドラマ

 いきなりですが『マッサン』のドウカウイスキーは、いったいどんなことになっちゃっているんでしょう。ドラマはいま戦局険しくなりまさる昭和18年10月ですが、海軍さんは順調に生産品まるごと買い取ってくれているのだろうか。

 今日(7日)午後、BS‐TBSで昭和56年の映画『連合艦隊』を放送していて、この年の4月に山本五十六司令官が・・なんて考えると心配になりました。戦艦大和出撃前の将兵さんたちもみんな一升瓶で日本酒飲んでいたしなあ。マッサンがこだわるスモーキーフレーバーはちゃんと海軍の士気を高めてくれたかしら。一時的にでも。

 そんなこんなでここのところ、国産ウイスキー製造に一生を賭けた男とその妻の物語というより、もっとべたっと平坦に、全般的に戦争のもたらす悲しみを強調するお話になってます『マッサン』。

 まぁ戦争になる前から、『ゲゲゲの女房』の茂さんが漫画を描いたり『カーネーション』の糸子がドレスを仕立てたりしていたくだりに比べるとマッサン、「ウイスキーを作っている」よりも「作れなくて悩んでる」もしくは「作ったけど売れなくて困ってる」時間のほうが尺(しゃく)的にやたら長かったですしね。

 キャスティングディレクター奈良橋陽子さん自信の一押しで裾野の広いUS演劇界から抜擢されたシャーロット‐ケイト・フォックスさんも、微妙に役不足のまま終わりそう。「旦那を信じ、旦那の国を愛し、旦那の国の人々を愛して、学び、耐え、希望を持つ」以外、特に芝居のしどころがないのです。

 NHK朝ドラだから、って言えばそれまでですけど、これなら日本的演技力そこそこで、カタコト芝居もできる日本在住の外タレさんでも間に合った気がしないでもない。いやもちろん本場のショービズで地味に堅実なキャリアを積んできたシャーロットさんの、太平洋を越えた勇気ある参戦でドラマの"格"は上がったと思いますが。

 高い志(こころざし)を薄甘くちに料理して、大きめのウツワに余白たっぷりゆるめに盛りつけるのが朝ドラのつね。飽きさせないこと、胸焼けさせないこと、「もっと見たい」と思わせるくらいでやめとくこと。

 ウイスキーは甘めでも辛めでも濃いくちが美味しいですけどね。

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かをる子様のスピンオフ希望

2014-10-17 01:56:05 | 朝ドラマ

 まるで月河に論評されるのを避けるかのように、逃げ水のようにキラキラと終わってしまった『花子とアン』

 まー言いたい事は数々あります。ありますがこのドラマに関しては言っても仕方がないような気がする。何故かというと何よりも、月河はモンゴメリー女史の『赤毛のアン』という小説が、小学生坊主時代の初読以来こんにちに至るまで一度も「大好き!」になったことがないのです。

 一言で言って「退屈」

 先がぜひぜひ読みたくなるような出来事も、事件も起きなければ、もっともっと時間を共有して見つめていたいと思える人物も現れない。たぶん親戚の伯叔父母のたぐいか、実家母の同窓友達系の大人に勧められたかプレゼントされたかで小学生坊主月河、律儀に読んだのだと思いますが、当時夢中だった『巌窟王』や『三銃士』『ああ無情』、怪盗ルパンシリーズやナルニア国ものがたり等に比べて、完読するのにえらい日にちがかかった記憶があります。なんか合わないんですな、波長が。

 ちなみに、『小公女』や『家なき娘』は好きでした。一発逆転のカタルシスがありますからね。

 そんなこんなで、花ちゃん(吉高由里子さん)が一生懸命「アンって私にそっくり」「平凡な日常を輝きに変える言葉の力」(←でしたっけ?)等とこの作品の魅力、非凡さを劇中でアピールして感動してみせてくれても、「そうかいそうかい」としか思えなかったのでした。

 世間的には好評だったけれども自分は嵌まれなかった、というドラマにはいつも思うのですが、月河は「任(にん)でなかった」のでしょう。このドラマに興がって丹念に腑分けしたり意味付けしたり解釈したりするに適任な人、そうやって自分が楽しめる人は視聴者の中にたぶんたくさんいるはずですが、月河は残念ながら(それほど残念でもないが)そのグループに入りません。

 でも、梶浦由記さんの劇中音楽はとてもよかった。『あまちゃん』『ごちそうさん』に続いてまたしてもサントラ貧乏になりそう・・とジャケットを見ると、うーん、やっぱり違うんだなあ。

 月河のイメージではアン・シャーリーってこういうお洒落なレイヤードワンピみたいのを着てカントリーなリボン付きお帽子をかぶって緑の芝生をるんるん散策したりしていないのです。もっと野暮ったいお勉強っ子で、大学奨学金を断って地元校の女教師になって、それも辞めて医者の女房になる子なのよ。まぁつまらないこと。

 戦後の復興期に、村岡花子女史のしなやかにもたくましい日本語訳でお目見えして印象深かったからなのか、ちょっとこの小説とヒロイン、日本人の間で美化され過ぎなような気もします。

 ドラマ内でのように、村岡さんが空襲の中を逃げまどいながらも「生きた証にこの本だけは訳したい、たとえ出版の可能性がなくても」と辞書とともに抱きしめていたのだとすれば、月河が「退屈」と感じた部分も、村岡さんにとっては「輝かしく愛おしい、いつかまた取り戻したい和やかさ、平穏さ」ととらえられていたのかもしれない。村岡さんの翻訳人としての力量と強靭さがみごと結実してこんにちにまで読み継がれているわけですから、月河も、大好きな作品とは言えないけれど、それ以上に、文句の言い様もありません。ドラマの皆さんもお疲れ様でした。

 

 

 

 

 

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わざと普通に作ったんです

2014-04-13 02:37:07 | 朝ドラマ

 書きたい事は続々あるのにやっと書けた時には旧聞も旧聞、ド旧聞になっているのがすでに常態化したこのブログ。御無沙汰していましたが元気ですか世の中。元気ですかネットの海。

 とりあえず弁明の余地のない混じりっ気なしの旧聞からいくと、終わりましたねぇ『ごちそうさん』。まぁなんと取ってつけた感満載な世界友好エピソードと、余韻のヨの字もない秒読みカウントダウンのハッピーエンド最終週だったことか。あのブタさんは何処へ行っちゃったのでしょう。枠を飛び越えて『あさイチ』のジャパナビで全国各地のスーパーを回っていたりして。

 悠太郎さん(東出昌大さん)が満州へ旅立った日の感慨からすると、もっと物語世界、登場人物世界の全体にふわっと抱擁されるような“大きな”ハッピーエンドでも良かったような気がしますが、め以子(杏さん)と夫婦水入らずで待望のチョコレートを解禁する、こじんまり大団円もそれはそれで良かったのかも。小卓袱台にめ以子が夫の留守中書きためて紙が無くなった報告事項の便箋束と、活っちゃん(西畑大吾さん)の遺品の手帳があったので、話さなきゃならない事の“必修科目”はクリアしてのラストシーンだったと思いたい。少なくとも源太(和田正人さん)はあまーーい再会を目視確認したようだし。通天閣に“約束”履行を無事伝えられて、源太としても肩の荷がおりたでしょう。荷がなくなるとなくなったでやがて淋しきなんとやらか。そのへんが19日(土)BSで放送のスピンオフ後日談でフォローされてるといいのですが。

 いろいろ物足りないところはあれど、最終話までずっと源太がめ以ちゃんを好きでいてくれて、それだけで継続視聴した甲斐がありました。

 全体的には、深いエピソード・重量感のある人物と、えらくあっさり通り一遍なパートとがかなり歴然と境界を分けながら混在して、そのせいであんまり過度に熱くならず過度に引っ掛かりを持たずに見続けられた、ある意味理想的な朝ドラだったと思います。一度も「しんどく」ならなかったですからね。

 しんどくしない、あくまで家庭・家族・美味しく食べる・・を軸に柔らかめに仕立てた中でも、たとえば和枝姉さん(キムラ緑子さん)の西門家出戻りまでのつらい半生は細かい回想シーンのカット挿入でかなりゴリッと歯ごたえで、濃く伝えられていた。初婚の嫁ぎ先のお姑さん役、旦那さん役、僅かな登場ちょっぴりの台詞なのにものすごい情報量でしたねえ。「あんなことこんなことがあったからこういう人になったんだな」がこれほど納得性ある人物もほかにいませんでした。

 源太除隊帰阪も、戦地でのトラウマから摂食障害・・の週にさらっと再々登場してさらっと退場した亜貴子さん(加藤あいさん)の半生なども、作家さんの持てる“毒っ気”がいい具合にちらついて軽く興趣をそそられました。亜貴子さんの人生の、ここの時点までにだけフォーカスしたら結構オドロなストーリーですよ。書きたい深めたい、でも朝ドラだからここまで。ドラマ的には“悠太郎抜き”の地平で自力で幸せをつかんだ時点で、亜貴子さんは退場で過不足ないのですけれどね。長話数の連ドラだと“尺を割けないので割愛”したと思しき箇所にこそ作り手の興味や嗜好がくっきりあらわれてくることがあるもので。

 旧聞に徹すると決まったら(決まったのか)次回も行きましょう旧聞。

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あまちゃニアンの眠れない夜

2014-01-02 02:01:56 | 朝ドラマ

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、↑↑↑↑↑の記事タイトルだけで、どんな精神状態かがまるバレとなる2014年、カッコ平成26年の元旦の夜なわけです。

 日付はすでに1月2日。いま寝て夢を見れば初夢になってしまう。昨日の、いや一昨日の、紅白歌合戦のPM10:00過ぎのアレよりめでたい夢を見たくない。上書きされたくない。

 有名ブランドの中でもシャネルに凝っているマニアのことを俗に“シャネラー”と言うように、フェラガモのマニアのことは“フェラガミアン”と言う、と聞いたことがあるので、この際名乗ってみました。

 いい感じの大袈裟感と、適当感に満ち満ちていて結構気に入っているのですが。

 それにしても良かったなあ、アユミさん(山下リオさん)がGMTで一緒にステージに立てて。やっぱりグリーンのアユミさんがいないと、GMTスタメンって感じがしないもの。放送時間帯的に年齢が引っかかった?ピンクの小野寺ちゃん(優希美青さん)と、アキちゃん解雇後のブルー・ベロニカ(斎藤アリーナさん)が不出演だったのだけは残念でしたが、補って余りあるアユミさん復帰。なんたってメンバー中唯一のママドルだし。

 加えてアメ女正規軍のまめリン(足立梨花さん)とシャドウのアキちゃん(能年玲奈さん)が隣り合って笑顔で一緒にディセンバー~♪なんて。光と影の仲良しコラボ。

 しかもキャスト全員でセンターで決めポーズした瞬間、画面フレームの右上、バンド席でお帽子をかぶった音楽・大友良英さんが、ちょっと石破茂幹事長にも似たプチブラックな笑みをたたえて“いまのステージ上の状況をつくった神”の様に見切れていたという。

 贅沢過ぎて、めでた過ぎてとても初夢なんか見る気がしないのです。

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いい杏配

2013-10-21 02:14:28 | 朝ドラマ

 てなわけで多少辛口ウォッチングでスタートした『ごちそうさん』ですが第3週(1014日~)でめっきり良くなってきました。あんだけ背高ノッポでパリコレ体型で迫力ファニーフェイスの杏さんがどんどん可愛く見えてきているし、東出昌大さんの通天閣=悠太郎も、気がつけば味出し系の茫洋ノッポさんになっています。

 東出さんは12日(土)放送の土曜スタジオパークで杏さんと一緒に番宣トークしていましたが、素は一見の印象よりもっさりしていないというか、結構軽妙でトボけた、おもしろいキャラしている。なんとなく、役者として定着する前のARATAさんにも似た、捉えどころのないピュアさと、いい意味の不気味さが混じっていて意外に化けそうな気もしてきました。なんたって190センチ近いタッパにあの素朴な太眉童顔のギャップは大きな強みになるはずで、なぜ朝ドラより先に仮面ライダーかスーパー戦隊の“敵か味方か謎のキャラ”で来てくれなかったのかと惜しまれます(まだチャンスはあるね)。

 
迎え撃つ(?)杏さんはといえば「明治生まれの大正女学生設定に拘泥しないで自然体で」という演技指導がされているらしく、衣装こそ着物袴に長靴でも、挙措は現代の女子大生と変わらず、“作り込みました感”の無さがいまのところとてもいい方向に出ているように思います。高身長・大柄を“女子力の低さ”に重ねてコンプレックスに思う妙齢子女は昔も今も少なくないはずで、杏さんのざっくばらんな演技が女性視聴者の「あるある」「いるいる」「わかるわかる」につながっている。

 
しっかり画面を見ているとやはりパリコレ体型の痛し痒しというか、TVフレームの中で長い四肢を持て余すようなところも見受けられるのですが、アップになったときの顔芸が思いのほか闊達で、型にはまった美人さんタイプではないのですけれどとにかく見飽きない。

 
何より杏さんが朝ドラヒロインとして有利だと思うのは、忙しい時間に背中で音声のみ視聴でも、台詞の声がきちんと前に出て聞こえるということです。何を言ったか明瞭に聞き取れるし、聞いて思わず画面に向き直って見たい気持ちにさせる力もある。

 特に朝ドラの場合、放送時間フルに画面に正対していられない“ながら視聴”のウォッチャー比率が高いですから、声の聴きやすさ、注意喚起力はきわめて重要です。前作『あまちゃん』の能年玲奈さんも、演技力限定ではまだ発展途上でふにゃふにゃしていましたが、台詞を言い出すとちゃんと“ヒロイン”として前に出て聞こえました。存在感や“華”の有無で言えばヒロインと同格でも良かった橋本愛さんや足立梨花さんらはここがもうひとつで、台詞を発したとき他人物たちの声の地合いに混じってしまうのです。これ以前作を思い出してみても、ヒロインオーディション最終ラウンド惜敗組と思われる“ヒロイン親友”や“ライバル”役に充てられた女優さんたちは、やはり微妙に声がこもり気味だったり、ガスガスしゃがれ気味だったりしたものです。

 杏さんにとっては、演技キャリアの中で昨年の大河ドラマ『平清盛』での若き日の北条政子役が大きな財産になったかもしれない。あまり絶賛の評は聞かれませんでしたが、第1話の登場シーンからすでにして声に迫力があり、誰この人?とアップになるのを待つような気持ちにさせました。

 『ごちそうさん』でひとつだけ不満を言うとすれば、NHKの各種番宣・番組紹介でも、出演俳優さんの各所でのトークでも、“推しフレーズ”が判で捺したように「美味しそうなお料理がこれからも続々出てきます!」というところでしょうか。関係ないでしょうが、そんなことドラマに。ドラマがおもしろくなるかどうかに。

 「ロケ地の美しい風景」だの「有名デザイナー誰某による豪華衣装の数々」だの「愛くるしい子役さんの癒し笑顔」だのを売りにされるのと同じ。本末転倒でしょうが。

 「美味しそうな料理続々」がテレビドラマにおいてセールスポイントになり得るのは、“美味しい料理を美味しそうにプレゼンしたり、食べたりするシーンが数多く出てきて、それによっておもしろさがパワーアップする筋立てになっている”場合だけです。極端な話、“まずくてしょうがない料理をまずそうに食べる場面がアクセルになって、そのたびストーリーが快調に進展する”ドラマならば、「まずそう料理続々」だって立派にセールスポイントになり得る道理です。

 逆に、看板通りの「美味しそう料理」がこれでもかと連チャン披露されたとしても、“料理を見せるたびに話が止まる”ような構成になっていたら、まるっきりの“逆セールスポイント”です。

 「美味しそうな料理」の絵をひたすら、たくさん見たいなら料理番組やレシピサイトに行けばすむ話。料理・食がテーマでありメインモチーフなドラマなのはもう耳にタコができるほどわかりましたから、「美味しく食べるたびに、もっと!おかわり!ぐらいの勢いでおもしろくなっていくお話です!」ぐらいの修辞は使って推してほしいものです。

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