弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【雑記】表現に求められる「コンプライアンス」的な何か

2020年10月14日 08時19分47秒 | 趣味・その他諸々の雑記
おはようございます!
曇り空ややどんより目な@湘南地方です。

ここんとこ知財ネタ書いてないな。。。
まあその周辺をちょこちょこと。今日はコンテンツの話。

(いきなりですが)
漫画「ONE PIECE」のキャラクターの中ではサンジが好きだ。
サンジはコックなのにタバコを吸う。
その理由も作中には色々描かれているわけで。

しかし、海外向けアニメ版ではタバコではなく飴玉に代えられている、という話を聴いた。
“サンジがタバコを吸っていると、子供が真似してしまう恐れもあり、未成年者や小さな子供がタバコを吸わないようにする為”だそうだ。
(そのあたり、少し詳しくまとめているのがこのサイト

…正直「気持ち悪っ!」と思ってしまった。

そもそも、架空の世界の話でキャラクターがどのような振舞いをするかなんて自由なはず。
キャラクターが吸っているから真似して吸うくらいなら、どのみち何かのきっかけで吸うやろ!?
そんなことのために表現が捻じ曲げられてしまうことは、おそろしい。
作者にとって必然な表現ならば、それは必然なのに。
受け手には、観ない/読まない自由があるのに。

時代物だと尚のことこの問題は騒がしい。
BLMで「風と共に去りぬ」が一時期配信停止になったことが話題になった。
結局“映画本編の前に専門家が奴隷制描写の問題点などを解説した動画をつけた形で再配信が始まった”そうだが。

少し前だと、「はいからさんが通る」(南野陽子が好きだがそっちの話ではなく、原作の漫画のはなし)。
新装版の巻末に時代背景に関する注意書きがなされ、その上で
「差別的表現が含まれますが作品の価値に鑑みそのまま収録」されているとのこと(ツイートまとめがこちら)。

“テレビが面白くなくなった”と言われて久しい。
自分もそう思っている。まあ“面白かった”ころはそれ以上に“くだらない”とか言っていたんだから勝手なご身分なわけだが。
でも、そういう“くだらない”ことができていたこと自体が今では瑞々しく見える。
スポンサーに対する忖度か、世間に対する配慮か。。
別にスタッフが美味しくいただかなくて良いと思うし(誰もそんなことしてるなんて思っていないし)。

不祥事を起こした俳優が出演していたドラマが再放送されなくなったり
薬物で捕まった歌手の曲がラジオで流れなくなる、というのも、意味が分からない。
パーソナリティと作品表現は別物なのに。

こういう“縛り”って、誰が、何のためにやっているのだろう??
人には、自らが好む情報を受け入れ、そうでない情報を受け入れない自由がある。
創作コンテンツは創作であってリアルではないことを、殆どの人は理解している。
にもかかわらず、僅かでも「混入」してしまったら一律に排除されなければならないほどの害悪とは、いったい何なのか?

必要なのは作り手の矜持か、受け手のリテラシーか。

コメント
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