弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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GI登録第1号は「あおもりカシス」

2015年12月23日 18時00分48秒 | 実務関係(商・不)
こんばんは!
というか個人的にはおはようございます!な祝日。
さっきまでぶっ倒れるように昼寝してました。

さて、昨日お披露目イベントがあった掲題の件。
同日に7件が登録となり、登録番号をガチのくじ引きで決める、という
ある種残酷な見せ物。

制度自体、この記事でも触れているけれども、
まだ走り出したばかりで課題を抱えている。
ユーザにとってインセンティブとなる要素が無いと、
更なる利用者の拡大・普及は容易ではないのではないかなぁと思います。

グローバルに展開することを考えている産品のメリットと、
伝統野菜のように小規模ながらも命脈を保つための取り組みとしての制度利用のメリット。
求めていることは明らかに違うと思う。
いわば「国際線」で海外進出を狙うものと
「国内線」で、そこまでマーケット拡大を図るのではなく、伝統の維持を図るもの。
一つの制度で両方を掬い上げること自体に少々ムリがあるのかなぁ、というのが
個人的な見解。
地域の伝統野菜について、国内外のブランド相互承認なんて要らないものなあ。

…ま、このあたりは、「薬品もプログラムも同じ特許制度で保護しよう」というムリ度合にも
通じるものがある気がしている。あんまり関係ないけど。

要は、思惑が「産業振興」なのか「地域保護」なのかで
制度のあり方は違うと思うし、そこのフォーカスを決めずに“いいとこどり”しようとすると
ボヤけてしまう、ということだと思う。
クールジャパン!ガンガン海外進出!っていうのなら
対象となる産品は最初からほぼ決まっていて、件数を追いかける話ではない。
一方で伝統の良さを再発見!っという切り口なら、
必要なのは保護政策で、産品の品質管理基準を定めることで伝統を守っていく、
そうした取り組みをする産地に対し相応のインセンティブを与える、
この場合は、全国各地に守るべき農産品/加工品は数多くあるだろうから、件数を求めても良いと思う。

この話題、また取り上げたいと思います。

コメント
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