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映画とサウナ。

ファミリー・ツリー 【感想】

2012-05-20 23:32:54 | 映画
職場の女子はハワイ好きが多い。

「ハワイは観光地だし、面白くなさそう」と言うと、
「食わず嫌いは良くない」と言われる。

今日観た待望の映画「ファミリー・ツリー」を観て、
ハワイファンが多い理由が少しわかった気がした。

この映画、好きだな~。
普通に感動してしまった。

本作はジョージ・クルーニー演じるオアフ島に住む弁護士とその家族の物語。
ボート事故で意識不明となった妻が不倫していたことが発覚し、
その妻の不倫に対する夫と娘たちの決着と、夫が所有する先祖代々受け継がれてきた
広大なカウアイ島の土地をどこに(誰に)売却するのか、
その決断までに至る人間模様を描いたものだ。

原題の「Descendants」は子孫という意味で、
邦題の「ファミリー・ツリー」は家系図という意味らしい。
どちらも同じような意味だ。

本作は今年(昨年)のオスカーで脚色賞を受賞した。
元の原作があった上での脚色賞であるものの、
先祖代々から受け継がれた土地の売却問題を通して、過去の家族(先祖)とのつながりと、
妻の不倫と生死を通して、今いる家族とのつながりを同時に見つめた脚本が味わい深い。

本作の前提にあるのはアメリカの家族観だ。
「現代社会において日本の家族の絆は希薄になりました~」みたいな話を
聞いたような、聞かなかったような気がするが、
アメリカの家族に対する人生の優先度は間違いなく日本よりも高いと思われる。
その強い絆は愛情と信頼関係から成っているので、
不倫などの行為の裏切り度合(憎悪度)はハンパない。

妻の不倫に見舞われたジョージ・クルーニー演じる弁護士(夫、お父さん)は
まったくの被害者と感じられた。子どもの面倒を妻に任せっきりだったことを除けば、
妻に対しては変わらぬ深い愛をもって接していたようだし、不倫は気の毒の一言。
なので、その妻の不倫と知ったときの怒りと絶望感は想像に容易い。

この本作キャラの冴えない男を描くためには、演じる人間がイケてるオーラを醸してはならない。
「ハリウッドの兄貴」「セクシーな俳優」などと称されるジョージ・クルーニーが
本作で新境地を開いた、と言われた所以はここにあった。
不器用で加齢臭漂う(ような)オジサン役をユーモラスに、そして情感たっぷりに演じて魅せた。
妻の不倫を知った直後、抜け殻となってアスファルトの道を突っ走った時のその表情が絶品。
あのシーンが本作におけるキャラを雄弁に語っているようだ。
終盤、彼が片付けなければならない2つの課題に対しての決断が感動的だ。
ラスト、妻に想いを語りかけるシーンは涙なしには見られない。

17才の娘役を演じたシェイリーン・ウッドリーも前評判通りの好演。
彼女の存在が物語をいっそう特別なものにしている。
彼女がプールに潜って感情を吐き出すシーンが印象的だ。
監督アレクサンダー・ペインの演出も随所に光る。

そして特筆すべきは本作の背景となるハワイに対する大いなる愛だ。
全編ハワイの魅力満載で、心地よいハワイの空気、風を感じることができた。
雄大で美しいハワイの風景とハワイアンミュージックを全身で感じるという点では
本作は極めて映画館(鑑賞)向きな映画といえそう。

「最高の映画」と評した「ドライヴ」ではクレーム凄かったけど、
これだったら人にもオススメできるな。

【85点】









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