から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

マジカル・ガール 【感想】

2016-10-08 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
白血病の娘を想い、プレゼントを購入しようと金策に奔った父親の末路を描く。事前情報をシャットダウンして見てみたが、まさかこんな映画だったとは。。。
ファンタジーであり、コメディであり、ホラーであり、スリラー。不況下にあるスペインの社会状況を背景に、失業中の父親「ルイス」が余命少ない娘「アリシア」の夢を叶えるため、高額なプレゼントを購入しようとする。強盗まで考えた途中で、奇妙な出会いが訪れる。得体の知れない金持ち奥さん「バルバラ」との情事を利用し、ルイスは一気に資金を手にする方法を考え実行する。ルイスに弱みを握られたバルバラは、その資金を用意するために「危険なゲーム」に参加する。危険なゲームによって傷ついたバルバラは、かつての教師ダミアンに救いを求める。。。。
本作をリアルな人間行動論理に当てはめてはダメだ。ルイスが犯罪に手を染めるまでアリシアを欲しがるものを用意する必要があったのか?ルイスに脅迫されたバルバラがそのままいいなりになるのか?ルイスがあそこまで手を下す必要があったのか?など、ツッコめばキリがない。おそらく「寓話」として本作を見るのが正解だ。もう一点、本作の大きな特徴は観客の想像力に頼る空白の多さだ。数もさることながら、大きさもかなり大きい。過去、現在の出来事として「いったい何があったのか」という状況描写がざっくり削られる。観る側がその空白を埋める必要があり、想像力を好物とする映画ユーザーには堪らない作りだろうが、そうではない自分にとってはモヤモヤが消化されない気持ち悪さが勝った。とりわけ、鑑賞者の誰もが気になるであろう「危険なゲーム」の正体はめちゃくちゃ気になるところだ。あらゆる想像を巡らすが全くわからない。ブラックボックスにして結果だけ見せられるのは、作り手の都合次第なところもあるので基本は好きではないが、「寓話」として設定される本作は辛うじて許容される。足りない想像力をもってしても、予測不能な展開のスリルを堪能することができた。タイトルにもなっている「魔法少女」はアリシアの大好きな日本アニメ(架空)に由来する。そのアニメの主題歌という(設定の)長山洋子の曲の使い方がシュールで監督のセンスを感じた。
【65点】
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