ジェシー・アイゼンバーグ主演の新作「グランド・イリュージョン」を観る。
まずまず楽しむ。
内容は各得意分野を持つ4人のマジシャンチームが、
マジックショーと見せかけながら、大金を強奪していく物語。
それが成功したかどうかはさておき、
とてもチャレンジングな映画だと思った。
生の現場で超常現象を見せるマジックを、
何でも実現してしまう映画の世界で見せるわけだ。
どんなにあっと言わせるイリュージョンを見せても、
映画というフィルターを通せば「視覚効果でしょ」になる。
実際に本作で魅せるマジックショーのほとんどが視覚効果によるものだと思う。
そこで普通に興冷めする人も多いと思われる。
だけど自分は、そのリスクを理解したうえで、
「視覚効果でマジックを魅せるのだから、いっそおもいっきやってしまえ」、
みたいな製作側の開き直りを感じて、好意的に受け止めた。
ファンタジーとして観ることが正解だろう。
序盤のマジックでは、どこかで観たことあるレベルだったけど、
回を増すごとに常軌を逸し、最後にはありえないスケールに拡大する。
マジック毎にトリックを明かしてくれる構成になっている。
実際のマジックでも活用されている仕掛けのようで、そこにリアリティを感じたりするが、
おおよそ実際のマジックで、本作のようなマジック現象を実現できるとはとても思えない。
それでも上等。華やかでド迫力のマジックシーンは観ていて楽しいし、
そこにハリウッド映画の醍醐味がある。ハリウッドの物量は大スクリーンとやはり相性が良い。
そして実力派俳優たちの豪華共演もまた楽しい。これが本作を見た理由。
ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、マーク・ラファロ、
メラニー・ロラン、モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン・・・など。
草食系男子のイメージが強いジェシー・アイゼンバーグは、
本作ではプレイボーイっぽい。無精ひげも生やしクールなビジュアルだ。
なかなかカッコよい。饒舌で手さばき鮮やかなマジシャン役にハマってる。
メンタリスト兼、催眠術師役のウディ・ハレルソンは、
催眠ショーのパンフの写真では一時代を築いたであろう昔の若々しい長髪姿が写り、
現在はツルっぱげオヤジになっていて、何ともありがちで哀愁漂う風情だ。
ジェームズ・フランコの実弟で、不良青年が似合うデイヴ・フランコの
軽快で切れ味あるアクションも見ものだ。
演技派のマーク・ラファロは珍しく犯人に振り回されるベタベタな刑事役。
「その配役勿体ねぇー」と思いながら観るが、終わってみると納得する。
ジェシー・アイゼンバーグ率いるマジシャンチームは、
彼らを追っかける刑事たちに「お前らの先を常に進んでる」と言い放つ。
「マジシャンチームの強奪劇のホントの黒幕は誰か?」
その答えを追っかける観ているこちら側をも挑発するセリフだ。
自分は最後まで予想が全く当たらなかった。
この映画自体をマジックとして楽しめということか。。。
展開はかなり強引。そこに芸のなさを感じてしまうのが残念。
監督はルイ・レテリエ。まーそんなもんだろうが、普通に楽しんだ。
【65点】
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