新作DVDレンタルにて。う~ん、イマイチ。
奥田民生を何よりも敬愛する男子が、仕事で知り合った女子に恋して狂わされるという話。もっと、変わった恋愛ドラマを予想していたが、中身は結構ノーマルだ。いつでもどこでもディープキスを交わす日本映画という点では珍しいかもしれない。惚れたもん勝ちな色恋において、浮気性な「狂わせるガール」よりも、「狂わされるボーイ」のほうに問題あり。下半身で物事を考える男子の単細胞ぶりがことさら強調され、共感も含め、見ていて恥ずかしくなる。「無視する女子」と「追いかける男子」という、ありがちな風景がよく描けているが、それ以上の伸びしろがないのが残念。奥田民生のスタイルに憧れているが、その生き様が主人公に全く活かされていない。映画というより原作時点の話かも。奥田民生だったらどうする?という切り口で主人公を描けてないのに、このタイトルはないだろう。奥田民生の存在が活かされているのは、劇中の音楽くらいだ。一連の事件の3年後、成長した風な主人公が出てくるが、女子との恋愛を経て何かを得たようにも見えないのでとても唐突。狂わせるガールを演じた水原希子は甘える姿よりも「不愉快です」とバッサリ切る姿のほうが魅力的。変わり者のコラムニストを演じた安藤サクラがとても楽しく、バイプレイヤーとしての力量も改めて感じた。
【60点】