から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

Mute/ミュート 【感想】

2018-03-16 08:00:00 | 映画


注目監督によるNETFLIX映画の1本目。
まずは、ダンカン・ジョーンズの新作。やや期待ハズレだった前作の挽回なるか、と注目していたがよくわからない映画だった。
幼少期の事故により声を発することのできなくなった男が、失踪した恋人の探すという話。舞台のビジュアルは「ブレードランナー」にそっくりだが、事前に予告編で織り込み済みだったので、自分はさほど気にならず、むしろ楽しめたくらい。シーンの大半が日の差さない夜間であり、暗がりを照らすカラフルな照明の色が美しい。ところが、その魅惑的なビジュアルとは裏腹に話自体は地味でつまらない。恋人を一途に想う主人公が、ありとあらゆる可能性を信じてひたすら奔走する姿を追う。失踪の謎を解き明かすミステリーとしての旨みは薄く、同じキャラクターのなかをグルグル回っているばかりで窮屈。一目で強そうに見えるアレクサンダー・スカルスガルドのマッチョな長身スタイルは本作の世界観にフィットせず、劇中、主人公を揶揄する「でくのぼう」という表現があまってしまう。主人公に惹かれない。場所がアメリカではなく未来のベルリンだったり、主人公がアーミッシュという変わった宗教観を持つキャラであったり、展開に影響を与えるであろう設定がことごとくスルーされているのも気になる。主人公と平行して描かれるキーマンとなるアメリカ人との顛末もかなり消化不良で、ロードムービーに流れるラストもグダグダ。いったい、何を目指して作った映画なのか。。。「月に囚われた男」が、ダンカン・ジョーンズのビジナーズ・ラックだったとは思いたくない。
【55点】
コメント
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