引き続き、BDボックスにて再見。
物語のパートは2つ。前作で永久凍結されジャバ・ザ・ハットに献上されてしまったハン・ソロの救出劇と、デススターの再建を阻止するべく、森の惑星エンドアにある帝国軍のシールド発生施設の破壊に向かうルークたちの話。
前作でその弱さを印象づけたルークだったが、なぜか急速に力をつけ、ライトセーバーをもたせれば無敵状態までに成長。ジャバ・ザ・ハットからの救出劇ではこれまでにない活躍をみせる。妹のレイア姫は、ジャバ・ザ・ハットの愛玩物となり、これまたなぜかセクシーな格好をさせられる。「ジャバ・ザ・ハットは人間の女には興味がないはず!」というツッコミは呑みこんでおく。ハン・ソロは無事救出されるのだが、前作に続きレイア姫とのキスがいちいち濃厚で笑ってしまう。砂漠の処刑場の脱出シーンでは、当時にしてはかなりアクションの魅せ方にこだわっているようだが、時代のチープさがどうしても匂ってしまう。
本エピソードの個人的なハイライトは、いよいよ登場する森のテディベアこと「イウォーク族」の活躍だ。といっても、昔見たときはイウォーク族がもっと活躍していたと記憶していたが、改めて見たらそうでもなくてちょっとガッカリ。でも可愛いいのでOK。フォースによって空中浮遊したC-3POを見て、あたふたするイウォークたちに萌える。ストーリー上のハイライトは間違いなく、ダースベイダーとルークの最終対決だろう。「ジェダイになるために対決が必要」と煽る、オビワンとヨーダの考えは全く共感できないが(そんなのジェダイじゃない!)、ルークの「父親をダークサイドから取り戻す」という対決へのモチベーションはスンナリ消化できる。ダースベイダーに「善」の心が残っているという話と、ベイダーの息子への「愛情」は完全に区別する必要があるものの、シリーズにとって最良の形で決着が付いたと思われる。これにて、SWシリーズ鑑賞終了。
新シリーズから旧シリーズの順に観て感じたのは、意外と旧シリーズに馴染めなかったことだ。昔見たときは結構なインパクトがあったのだけれど、映像技術の進歩とのギャップでその古めかしさは否めず、それを愛おしいとも思えない。宇宙船同士のファイトは申し分ないのだけれど、クリーチャーが出てくる地上シーンではチープさが滲む。こうした視覚的な部分もさることながら、ドラマがあっさりしすぎているのも気になる。あまり深く考えることなくSF劇を楽しむというのもわかるのだけれど、シリーズの根底に流れるのは世代を超えた家族の物語でもあるのだ。もう少しエモーショナルに描いてくれれば嬉しかった。逆に、ドラマがしっかり描ければ「ロードオブザリング」のように鬼に金棒な映画になると思う。その点で、昨日から公開された新作「フォースの覚醒」はいかようにでも化けると思う。「スタートレック」を撮っているJJエイブラムスがメガホンをとること自体は今でも気に入らないが、アクションの中にドラマやカタルシスを加えることが巧い映像作家だ。海外レビューの好評価のとおり、良作に仕上がっていることを期待したい。
【65点】