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西遊記~はじまりのはじまり 【感想】

2014-11-22 12:34:04 | 映画


自分はイチ映画ファンに過ぎないので、安くない映画料金を払う以上、
もれなく面白い映画を観たいと思う。つまらない映画は劇場で観たくない。

今日観た「西遊記~はじまりのはじまり」が最高につまらなかった。

自分が知る「西遊記」は、三蔵法師と孫悟空一行が天竺を目指して旅をするという話だが、
本作は、その手前の話で、三蔵法師というキャラがいかにして生まれたのか、
そして孫悟空、沙悟浄、猪八戒の御馴染みのメンツと、どうようにして出会ったのかを描く。

「少林サッカー」「カンフーハッスル」のチャウ・シンチーが、あの「西遊記」を描く!、
面白そうな匂いがする、つまらないワケはないと期待は大きかった。
しかし 、チャウ・シンチーは自身の強みである作家性を本作で放棄したようだ。
その代わりに小手先の陳腐な技に陶酔し、しつこいほどに繰り返す。
「ミラクル7号」は未見なので、そこで付いたクセなのかもしれない。

アニメ(漫画)の世界で生み出されるケレン味を、過剰なアクションをもって実写化する。
そこに気恥ずかしさなどはなく、生々堂々と観客の前に差し出すのだ。
「笑うか、圧倒されるか、ヒくか、ご自由にどうぞ」と。チープなCGも堪らない。
単純な自分は、それを見て「カッコいい」と思い、カタルシスすら感じてしまった。

本作でのアクションだけをみれば、その作り方は変わっていないようだ。
しかし、上映時間の多くを、センスなきロマンスと、寒いコント劇に割いているのがツライ。
なんというドン臭さ。「下手くそか」と何度も心の中でつぶやく。

三蔵法師の誕生には、知られざるロマンスがあったという設定。
これが結構重要なのだが、全く面白くない。
主人公のヘナチョコ妖怪ハンター (村上淳に激似) が、
いつの間にかイケてる女性妖怪ハンターに惚れられるという状況になっている。
「何で?」がないまま先に進むが、その後も2人のキャラ設定が一向に定まらない。
意味不明なドタバタ劇と歌唱パフォーマンスが繰り返され、
気づけば「感情移入してください」のラスト。。。

笑、苦笑、スベリの比率は1:4:5。
その多くが狙いにいったユーモアだから余計に寒い。
過剰なアクションで笑いを取りにいくのが過去作の正攻法だったのに、
キャラ同士の掛け合いで笑いを取ろうとする。それで笑いを取れないのは、
そもそもユーモアセンスが欠如していたということだが、
その場の退屈凌ぎのグダグダコントを見せられても時間の無駄である。
序盤の妖怪魚とのバトルしかり、同じ画の中で見せる変化のスピードが冗長過ぎるのも退屈。
映画を見て、これほど時間を長く感じたのは久しぶりだ。

終盤の孫悟空登場で、ようやく「らしさ」を見せつけるが、遅過ぎだった。
孫悟空の個性は最高。
好感度を意識していない醜い顔つき、無敵過ぎる強さと、惜しみない残虐性。
もっと早くに見たかった。非常に勿体ない。
なお、ドラゴンボールのパクリは許容の範囲。
孫悟空の暴れっぷりに一気にボルテ ージが上がるが、
その後、強引過ぎる結末で、あっさり終宴した。

観た劇場が吹き替え版しかやっておらず、主人公を演じた斎藤工は浮いているが、
ヒロインを演じた貫地谷しほりがプロの声優バリに自然で驚いた。

続編を匂わせる終わり方だった。
最後は少し面白かったので、次回作には期待できるかも。

【45点】
コメント
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