から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

小野寺の弟・小野寺の姉 【感想】

2014-11-01 11:00:00 | 映画


日本映画「小野寺の弟・小野寺の姉」を観る。

とても満足。面白かったー。

早くに両親を亡くし、2人で暮らす33歳の弟と40歳の姉の話。

ブラコン、シスコンの変わりモノの姉弟を勝手にイメージしていたが、
とても真っ当なキャラで、真面目に誠実に生きている2人だった。

2人は互いの幸せを願うあまりに器用に生きられない。
その不器用さが、時に微笑ましいるユーモアになり、
時に、他の誰かを傷つけることになる。

姉と弟の絆を描くとともに、それぞれの恋愛模様を描いている。
好きな相手の想いを測ることができたら、どんなに楽だろうか。
すれ違いによる恋愛の切なさを描いた映画は少なくないが、
すべてのキャラに愛情が 注がれている本作において、
その感覚が一層特別なものとして胸に迫ってくる。

とても共感度の高いストーリーであったが、
ベースはあくまでコメディだ。

何気ない日常の中に生まれる天然系ユーモアにハマる。
「まほろ駅前~」同様、日本映画には珍しいセンスの良さを感じる。
特に面白かったのは、病院で姉が旧友に再会した際に、
見栄を張って弟を彼氏として紹介するクダリだ。
口裏を合わせる姉弟のやりとりも面白いが、
その相手をする旧友のリアクションが最高に可笑しい。
旧友を演じた橋本じゅんが最高に巧い。本作の隠れMVP。

主役の向井理と片桐はいりは同作の舞台版でも共演しただけあって、
隙のない好演だ。2人のキャラを愛おしく思え るまで時間がかからない。

そして、なんといっても、山本美月。
向井理演じる弟の恋相手となる絵本作家を演じる。
ハンパなくチャーミングなのに、一切嫌味がない。
美しい顔立ちのメガネ男子、向井理との2ショットが可愛くて堪らない。
この2人のキラキラぶりを目撃するだけでも、本作を観る価値ありだ。

監督は本作の原作者であり、同作舞台の演出家の西田征史。
本作で映画は初監督とのことだが、映像を撮り方をよくわかってて驚く。
舞台で表現できることと、映像で表現できることを区別できているみたいだ。

それぞれの恋を経て、辿り着いた2人のラストに思わず涙目。。。
エンドロール後のワンショットが追い打ちをかける。
エンディング曲も素晴らしい。

観終わ って劇場が温かい余韻に包まれたのがわかった。

【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トム・アット・ザ・ファーム 【感想】

2014-11-01 08:00:00 | 映画


今、世界で最も若く、その才能を評価されている監督は、
間違いなくフランス系カナダ人監督のグザヴィエ・ドランだろう。

自分は彼の過去作の中で「わたしはロランス」しか観ていないのだけど、
その才能にすっかり惚れ込んでしまった。この監督は天才肌だ。

エッジを効かせた独特の感性に若さを感じる一方で、
ベテラン監督ばりに円熟味を感じさせる観察眼をもっている。
現在、まだ25歳。奇跡的な才能をもった映像作家と言いたい。

で、彼の新作「トム・アット・ザ・ファーム」を観た。
ミニシアター系映画に弱いユナイテッドシネマで、珍しく観ることができた。

内容は、かなり想定外なものだった。
付き合っていたボーイフレンドの死をきっかけに
その葬儀の出席のため、彼の実家である農場に赴く男子(ゲイ)の話。
その実家には、彼氏の母親と兄貴が住んでいて主人公が散々な目に遭う。。。

前作「わたしはロランス」で恋愛モノを撮ったかと思えば、
本作ではド直球なスリラーだった。見方によってはホラーに見えるかもしれない。

本作を一言で表すなら「暴力に閉ざされた世界」。
ひたすら曇天で、登場人物を明るく照らすことはない。
収穫を終えた時期なのか、農場の風景はとても寒々しい。
その情景のなかに、登場人物たちの鬱屈さと異常性が浮かびあがり、
張り詰めた緊張感と逃げ場のない閉そく感が充満する。
スリリングな映画であることは間違いないのだが
この居心地の悪さは、観る人を選びそうだ。

自分は、「怖い」「痛い」といった感覚のほかに、
主人公とボーイフレンドの兄貴の間にサディズムとマゾヒズムといった関係が
潜んでいるように見えて面白かった。主人公が暴力を受け入れ、
知らぬうちに2人が離れがたい存在になっていくように。

音楽の使い方、カメラワークで感じる演出は相変わらずの光っている。
シンプルで、劇的な展開のない内容ながらも十分な見応えだ。

主人公演じるのは、監督、ドラン本人。かなり小柄な人だ。
彼自身がリアルにゲイ。そこに起因しているのか定かではないが、
普通の男子と世界の見え方が違うのが本作でもよくわかる。

次の新作は初の英語映画でジェシカ・チャスティンが主演とのこと。
次はどんな表情を見せてくれるのか楽しみだ。

【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

John Wick 【気になる映画】

2014-11-01 07:00:00 | 気になる映画


マトリックスで一世を風靡したキアヌ・リーヴス。
それはもう今から10年以上前の話だ。時が経つのは早い。

以降、どの出演作もパッとせず、一時は劇太りしてスターの面影はなくなった。
そして前作の「47RONIN」で、その転落ぶりを決定づけたように見えた。

しかし、先週より全米公開された映画で、
見事なカムバックを果たした模様だ。

「John Wick」(ジョン・ウィック)という映画。

飼い犬を犯罪組織に殺されたキアヌ演じる元殺し屋が、
犯罪組織に復讐するアクション映画らしい。

現時点(10/31)で、Rottenで86%のフレッシュを獲得。
このテのアクション映画にしては、極めて高いスコアである。

とにかく、アクションが痛快でカッコいいらしい。
魅せるためのアクションというより、人を瞬殺することに徹した、
殺し屋のテクニックがクールでカッコいいらしい。
トレーラーを観るとリーアムニーソンの「96時間」に似たテイストだろうか。
また、狙いにいったと思われるB級臭さも魅力的だ。

激しいアクションが予想されるが、話題になっているのは、
キアヌ自身が一切スタントをやっていないということ。
トム・クルーズなど「ノースタント」でやったと胸を張る演者が多い中 、
キアヌ本人が堂々と公言しているらしい。潔いのか、カッコ悪いのか微妙。

日本での公開はまだ未定だが、おそらく公開されると思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする