日本映画「小野寺の弟・小野寺の姉」を観る。
とても満足。面白かったー。
早くに両親を亡くし、2人で暮らす33歳の弟と40歳の姉の話。
ブラコン、シスコンの変わりモノの姉弟を勝手にイメージしていたが、
とても真っ当なキャラで、真面目に誠実に生きている2人だった。
2人は互いの幸せを願うあまりに器用に生きられない。
その不器用さが、時に微笑ましいるユーモアになり、
時に、他の誰かを傷つけることになる。
姉と弟の絆を描くとともに、それぞれの恋愛模様を描いている。
好きな相手の想いを測ることができたら、どんなに楽だろうか。
すれ違いによる恋愛の切なさを描いた映画は少なくないが、
すべてのキャラに愛情が 注がれている本作において、
その感覚が一層特別なものとして胸に迫ってくる。
とても共感度の高いストーリーであったが、
ベースはあくまでコメディだ。
何気ない日常の中に生まれる天然系ユーモアにハマる。
「まほろ駅前~」同様、日本映画には珍しいセンスの良さを感じる。
特に面白かったのは、病院で姉が旧友に再会した際に、
見栄を張って弟を彼氏として紹介するクダリだ。
口裏を合わせる姉弟のやりとりも面白いが、
その相手をする旧友のリアクションが最高に可笑しい。
旧友を演じた橋本じゅんが最高に巧い。本作の隠れMVP。
主役の向井理と片桐はいりは同作の舞台版でも共演しただけあって、
隙のない好演だ。2人のキャラを愛おしく思え るまで時間がかからない。
そして、なんといっても、山本美月。
向井理演じる弟の恋相手となる絵本作家を演じる。
ハンパなくチャーミングなのに、一切嫌味がない。
美しい顔立ちのメガネ男子、向井理との2ショットが可愛くて堪らない。
この2人のキラキラぶりを目撃するだけでも、本作を観る価値ありだ。
監督は本作の原作者であり、同作舞台の演出家の西田征史。
本作で映画は初監督とのことだが、映像を撮り方をよくわかってて驚く。
舞台で表現できることと、映像で表現できることを区別できているみたいだ。
それぞれの恋を経て、辿り着いた2人のラストに思わず涙目。。。
エンドロール後のワンショットが追い打ちをかける。
エンディング曲も素晴らしい。
観終わ って劇場が温かい余韻に包まれたのがわかった。
【65点】