らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

ミミズ鳴く

2021-11-04 | 家庭菜園

俳句では、秋の季語に「蚯蚓鳴く」があります。
読みは「みみずなく」です。
えっ! 蚯蚓が鳴くの?
誰でもそう思いますよね。

そこで広辞苑を調べてみました。
【蚯蚓鳴く】は、秋の夜、土中で「じいい」と鳴く声を、ミミズの鳴き声としたもの。実は螻蛄(けら)の声。
と説明しています。

そうでしょう!
蚯蚓(みみず)は発声器官をもたないので、鳴くことなんてありません。
螻蛄なら「じい~」と鳴くことがあるかも知れません。

・畑のミミズです。鳴かないミミズが俳句では鳴くのです。


でも、なぜ蚯蚓が鳴くなんて考えたのでしょうか?
もしかしたら、次の昔話から生まれたのかも知れません。

「昔話」
昔々、ヘビは歌上手だったのですが、目がありませんでした。
蚯蚓は、歌上手のヘビを尋ねて次のように持ち掛けました。
「歌を教えてください。代わりに目を差し上げましょう」
ヘビはこの申し出を受け入れ、ミミズに歌を教え、代わりに目をもらったのです。

この話から、ミミズが鳴いていると考えたのかも知れません。

「一茶の俳句」
実際、小林一茶は57歳の時、つぎの句を詠んでいます。

  「うそ寒や蚯蚓の唄も一夜づゝ」 一茶 

解説:蚯蚓(みみず)の声なき声を心の耳で聞き取る。その唄さえ寒さが募るにつれ一夜ずつ細っていく。
   うそ寒は、うすら寒い秋半ばから晩秋にかけての頃をいいます。うその意味は薄いということです。

・畑の畝から出てきた螻蛄(けら)です。夜になると「じいい」と鳴いているかもしれません。


「螻蛄(けら)」
けら(螻蛄)は、バッタ目ケラ科の昆虫です。
体長は約3センチ、頭部と前胸は頑丈で、前足はモグラに似て熊手状になっています。
地中に穴を掘って棲み、昆虫などを捕食するほか植物の根なども食べます。
後翅(うしろばね)が長く、夜には飛んで灯火にも集まる事もあります。また、雄は春秋に土中で「じいい」と鳴きますが、この鳴き声が俗に「ミミズが鳴く」といわれています。
このケラ(螻蛄)の事は、日本では昔から「おけら」と呼ばれて親しまれています。

「季語」
俳句の世界には、春には「亀が鳴き」、秋には「蚯蚓(みみず)鳴き」という季語があります。
亀も蚯蚓も鳴くことはないのですが、その声があたかも聞こえるかのように詠むのが俳句の趣のようです。

秋の夜、し~んとした野道を歩くと、確かに土の中から蚯蚓(螻蛄)の声が聞こえてくることがあります。


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1 コメント

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ミミズ  (もののはじめのiina)
2021-11-04 12:06:31
> ヘビは ・・・ ミミズに歌を教え、代わりに目をもらったのです。
土のなかでは目はいらないと、蛇に目を譲ったのでしたか・・・。

ミミズは土を浄化してくれる隠れた掃除屋さんです。^^

おさないころは、いたずら心からオシッコをかけたら、〇ン〇ンが腫れました。ミミズに仕返しされたのでした。
        ・・・ホントは、汚れた手のしわざだとされています・・・
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