池。Le Lac.



 兼六園のまんなかにある霞ヶ池。

 この池の美しさに感心したネッダールさんが何をし始めたかといったら、なんとまあラマルチーヌの暗唱なんですね。
 仏文学まともにやってる人だったら名前は知ってる、文学史上名高い(だけど誰もまともには読まないんですが)Le Lac『湖』なんですよ。

 O lac ! l'année à peine a fini sa carrière,
Et près des flots chéris qu'elle devait revoir,
Regarde ! Je viens seul m'asseoir sur cette pierre
Où tu la vis s'asseoir !

...


 ネッダールさんはかなりのインテリで、なんでも友達と詩の朗読会とかしたりする、とのこと。
 彼によると詩というのは、本に屈みこんで読むものではなく、こうやって自然を前に、朗々と謡うものなんだそうです。

・・・それからなぜかBaudelaireのA une passanteになりました。別に兼六園の地面がどろんこだったわけではないんですけど。まあどっちも女性を想う詩だな。

 うーんこういうところも、日本の方々にわかって欲しいですね。
 フランス文学、というかヨーロッパの積み重ねた文化がいかに世界の人の、ヨーロッパに植民地化されて苦しんだ側の人々の、心の糧になっているかということ。

 いま日本でアルジェリアというと、得体の知れない野蛮な国というイメージになっちゃうかもしれません。
 でも指導者層はおおむね、実に教養ある人々なのです。あえて言うと、日本の平均よりずっとずっと。

 そこが問題だといえば、問題でもあるんですけどね・・・
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