日本人はフランス語を誤解している!・・・と思うけどなあ・・・
フランス語系人のBO-YA-KI
幻想
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/48/8fa2f6472d3803a8a8c7279c1ad9dbb2.jpg)
Hugo Pratt (1927-1995)の創造したキャラクター、Corto Malteseのシリーズはもともとイタリア語で出版されたものですが、もう作者が亡くなって12年もたつのにフランス語圏でいまだカリスマ的人気を誇ってますのでちょっと触れておきます。(ユゴー・プラットの本国イタリアでの人気はどんなもんなんでしょうね?)
コルト・マルテーズの活躍するのは20世紀初頭、第一次大戦に至る帝国主義、植民地時代の革命運動や戦争の現場で、これはムッソリーニのイタリア軍で兵隊をやっていたユゴーの父や、世界を放浪したユゴー自身の体験が反映していると言います。
だから歴史小説みたいに過去の出来事の勉強の材料にもなりますが、物語への「幻想」のうまい取り込み方も目を引きます。代表作のひとつ Les Celtiquesでは、第一次世界大戦の話にオベロンとかパックとか --- ご存知『夏の夜の夢』のキャラ --- をストーンヘンジの遺跡に登場させたりして、うまくケルトの地の雰囲気を出すんです。
これも人によって好みはあるでしょうが、ユゴー・プラットの描く絵もなかなか面白く感じられます。マンガでなくて単独で描かれた水彩画などは、色彩感も確かだし(さすがヴェネチア人)、マンガと芸術絵画の接点みたいな感じですね。こんなページがありますね。
おととしの年末に、CASTERMAN社がユゴー・プラットの水彩画のカレンダーを大々的に売り出してました。
コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )
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日本の漫画で歴史を素材にしたもので思いつくのはベルばらぐらい……だけど、よその国の話だしぃ。
↑ よその国って(^^;) よその国なんだけど(^0^)
コルト・マルテーズの場合、歴史事実の流れを追うというより雰囲気を味わう方が主眼かもしれません。しかしそういうところだったら日本の漫画家たちの方も負けてないでしょうね。
実をいうとあんまりこのキャラ大好き、ではないんですが (^_^;) ただ絵は面白いと思います。L'Ethiopiqueみたいに白黒のままのアルバムも太線が独特です。
http://www.toutenbd.com/images/ACBD2006.pdf
いろいろなデータが載ってます。2006年ではJack Palmer T.13は7位で、Spirou et Fantasio T.49は12位だったとか、新刊の4割以上が日本製マンガだとか、日本製マンガではNarutoがトップだったとか。(^_^;
スキャンはやっぱりまずいですか。
さりげなくどこかにリンクを貼っておきます(笑)。
Spirou et Fantasio Spirou à Tokyo(原画 22098.jpgから22186.jpgまで?)
http://www.danielmaghen.com/images/produits/22158.jpg
Largo Winch
http://www.luccacomicsandgames.com/new/press/immagini/vanhamme_largowinch.jpg
貴重な情報ありがとうございます。m(_ _)m
フランス語圏マンガの充実ぶりはすごいですから、これを軽視しているといつかフランス文化全体が分からなくなっちゃうかもしれません。
PetillonのL'affaire du voileはLes 50 albums de 2006 les plus cite's par les membres de l'ACBDの2位に入ってますね。そこそこのインテリがこれを支持しているってことでしょうね。(ちなみに1位のUn taxi nomme Nadir というのは知りませんでしたがナディールなんて明らかにアラブ系ですね。これも注文しとかなくちゃ) ということは、そのうち知的言説に入ってくる可能性大、ということではないでしょうか。
あるマンガの序文に「マンガ」のことを
la litterature d'expression graphique
と表現しているところがありました。「グラフィック表現の文学」ですか。 (^_^)
吹き出しを使わない、絵で見せるタイプの作品のようですね。
http://www.actuabd.com/spip.php?article4026
これは美しい! (*o*) 理想化されたバルべスですね・・・
えーと、それはただのリストであって、順番ではないんじゃないでしょうか?
・・・remettent le Grand Prix de la Critique a un album remarquable paru dans l'annee. En 2006, il a ete decerne a Les petits ruisseaux de Pascal Rabate chez Futuropolis.
とあるので、l'ACBDの表彰としては、Pascal Rabateの「Les petits ruisseaux」が1位だと思います。
Un taxi nomme Nadir はなんとなく映画っぽくていいですね。
http://www.actes-sud.fr/bd/wp-content/upload_images/2006/06/NADIR-18.jpg
http://www.actes-sud.fr/bd/wp-content/upload_images/2006/06/Page-20.jpg
m(_ _)m
しかし Un taxi nomme' Nadir 奇麗ですね。あのゴミゴミしたバルべス界隈が気品にあふれてる・・・