スキヤキ2012をふりかえる -5-


 正直、今年のスキヤキの一番の収穫だったとわたし的に思うのはキウィ・パパイヤ、マンゴーズ。

 いや、音楽的には成長発展中の方々だと思います(失礼!)。最高傑作はまだまだこれからお作りになるのだと思いますが、まさにそのメッセージ性によって世界のスターに拮抗する存在感を出しておられたと思います。

 「座長」の廣瀬さんはシンポジウムの席ではほんと真摯に、言葉と格闘されていて好感をもちました。彼の――われわれの、と言っていいかもしれません――立場や主張は、アマジーグやOKIさんの立場や主張とは違って、非常に言葉にしにくいものなのですね。それでもそれをなんとか言葉にしようとするとかなりわかりにくくなってしまう。でも少なくともその努力を見ている限り伝わるものが必ずあるように思います。

 彼の、というかわれわれのジレンマというのは、自分が惹きつけられて打ち込んでいる音楽が、地元の盆踊りのような場ではなんとも場違いになってしまい、人も自分も楽しめないものになってしまう、ということです。
 ほんとうに楽しめる音楽はむしろ「音楽」という呼び方をされないものの中にあるようにも感じられる。なにか「悶々」とした(という言葉を使われたように思います)ものを発散するためにカラオケや飲み屋での歌がある。そういうところに「ワールドミュージック」があるように思える。
 「民族音楽」――これは自分の属する民族集団の公認された伝統音楽(日本で言えばいわゆる「邦楽」のような)という意味で言われたのだと思います――というようなものを持ち出しては、「自分」がわけわからなくなってしまう。
 廣瀬さんはたぶんそういうことをおっしゃりたかったかな、と思います。


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