快い敵(その2)

(前のエントリーから続きます)

 

『坂の上の雲』でひとつエントリーを書いたら、次の日27日の日経にエマニュエル・トッドが書いていることとつながっているような気がしました。

インタビューの聞き手、編集委員の藤巻秀樹氏は「ロシアとの協調と核武装はいかにもフランス人らしい発想だ」と書いておられますが、核武装はともかくロシアとの協調の方は当然進めるべきことではないでしょうか。それも、急いで。

これだけ世界情勢が激変したのですから(トッドのインタビューの横に「核心」コラムがあって「冷戦の終結が小さくみえるほど、いまのグローバル社会の激変は歴史的だ」という米国家経済会議委員長という肩書の人の言葉が引用してあるのは、まあ日経の紙面構成のなせるわざでしょうが、印象的です)、トッドが:

「一般論ですが、島の領有争いなど大した問題とは思えない。大事なのは関係を良くしたいという意思です。」

とようなことを言っても、フランス人が何をほざくか、みたいな感じで接することなく、謹聴してはどうでしょう。

しかし、テレビの『坂の上の雲』では、なんか「武士」同士が正々堂々と戦って日本人もロシア人も恨みを残さず、という感じで「快く」終わるのかもしれませんが:

「ロシアは日露戦争の敗北を脳裏に刻み、日本は第2次世界大戦の最後にソ連が参戦したことを許していない」

というトッドの言葉の前半の重みは、それにふさわしい重さを感じながらかみしめたいところです。


 

 

 

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