女性のパワー(1)


(前のエントリーに続きます)

 それで、今回のルーヴル展の目玉のひとつがフェルメールの『レースを編む女』なんですが、例によって本物が目の前にあるからといって、巷に氾濫する複製から受けるもの以上のものを受け取るのは至難の業です。だいいち展覧会って人がたくさんいるから、有名な絵にはなかなか近付けないし。(本家ルーヴルの『モナリザ』についてのエントリーもご覧になってください)

 会場の解説パネルには、レース編みというのは複雑で集中力を必要とし、フェルメールの時代では未婚女性や主婦がよこしまなことに気を向けないために有効ということで推奨された、というような趣旨のことが書いてありました。
 だいたいフェルメールにはこういう集中力を見せる女性の絵が多いんですね。
 そしてそれはたしかに非常にうまく表現されてます。

 しかし一方この集中力って、ずいぶんつまんないものに向けられていたという気がしますね。

 この日は、京都市立美術館の前の京都国立近代美術館でやっていた「京都学 前衛都市・モダニズムの京都 1895-1930」というのもざっと見てみました。
 ルーヴル展とこっちと二つを通じて一番印象に残ったのは、浅井忠(ちゅう)の陶器図案だったです。これが一番、現代を感じさせました。

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コメント
 
 
 
もうひとつの (midi)
2009-07-22 16:22:52
ルーヴル展、大阪のほうにはお出かけにならなかったんですか? (きっとお時間ありませんよね)
国際美術館が中之島に移ってから一度も行っていないので、この機に行こうかなと思っています。

それにしても、ルーヴル展と銘打った展覧会に一度も行ったことがないということに今さら気づきました。パリの本家にも、もちろん行ったことありません。ルーヴル所蔵の作品は一度も見たことがないんですね、私。日本人としてはもしかして珍しいかも(笑)
 
 
 
たまたま (raidaisuki)
2009-07-23 20:29:48

 midiさま

 京都の家から金沢に帰るとき、京都駅に行く前にちょっとだけ岡崎に寄り道して面白いものやってたら駆け足で見るというのをときどきやるのです。
 だからこのルーヴル展は、行ってみたらたまたまやっていたという感じです。

 恥ずかしながら大阪でも開催中とは知りませんでした・・・

 ルーヴル、日本人はどのくらい見ているでしょうね。パリ観光では定番中の定番ですが、展覧会の方は人混みを敬遠する人は多いんじゃないでしょうか。
 
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