横断歩道


 6月号の『ミュージックマガジン』には「特集 アルバム・ランキング・ベスト100 1969年から79年編」が載ってます。
 
 わたしは基本的にこの手の企画は後ろ向きな感じがしてしまってあんまり評価しない方なんですが、こいつはさすがに懐かしく思いました。

 北中正和さんがMM編集部で活躍しておられたこの時代、子供のわたしも、子供の特権といえる夢中さで、米英ロックを聴いていたわけでしたので。

 さてこのランキング1位が『アビーロード』なのは順当中の順当。よくも悪くもビートルズの巨大な影が当然のようにそこにあった時代だったんですから。

 はじめてロンドン行ったときは、なにはともあれ、あの横断歩道わたりにいきました。
 「たぶんこれだな」と思って、アビーロード・スタジオの前にいたおっちゃんに尋ねようとしたら、こっちがほとんど何も言わないうちに彼はあれを指し示して:

 Yes, yes, that's the one they crossed.

って言ってくれた。

 わたしが渡ってるところの写真が、まだどこかに残ってるはず。

 今でも横断歩道で信号が青になって渡り始める時、わたしの頭の中で「シャッ・・・トコトトコトトコトトン」っていうCome togetherの冒頭が、全く自動的に始動します。
 これ、どうしようもない。
 条件反射。
 パブロフの犬。
 三つ子の魂百までってやつ。

 Come together, right now, over meというのは、いい言葉です。
 ジョンが何言いたかったのか、正確な意味は確かめたことないんですけどね。
 たぶん「おれを越えて行け」みたいな意味だと勝手に思ってるんですけど。
 それでいいのかな。

 ずっと後になって、修士論文を書きあげた正月の新年会ではすげーハイになって、このアルバム全曲歌い切って顰蹙を買ったものでした。
 あのころでもあんなことができた。

[追記] 写真ではミュージックマガジンの表紙がどういうわけか緑みたいにみえますが、ほんとは黄色です。
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