イスラーム勉強会ブログ

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心の強化プログラム【2】

2015年06月29日 | 心の強化プログラム
インシャーアッラー、数日後に聖なるラマダーン月を迎えるので、ラマダーン月に関するお話と義務の斎戒断食についてお話します。

この義務の奇跡についてお話する前に、イスラームの義務には必ず何らかのメリットがあり、禁止には必ず何らかのデメリットがあることを皆さんに注目してほしいと思います。そのため、イスラーム法学書の多くが冒頭に掲げる法則は、“まことにアッラーはメリットがあることだけを命じ給い、デメリットがあることだけを禁止し給う”なのです。至高なるアッラーが御望みであれば、きっと私たちに、すべての彼の御命令に含まれている効用(禁止の理由であるデメリット、義務に含まれているメリット)を解明し給うたことでしょう。しかし、至高なるアッラーは、全ての効用を言及し給うことなく、命令と禁止を示し給うた事が、私たちには分かります。
アッラーがそれらを隠し給うた理由:
1.人類に研究する機会を与え、イスラームの奇跡が時間の経過とともに現れるようにするため。1400年前から現在に至るまで、イスラームの諸規則のメリットが科学的研究によって発見され続けています。かつて、それぞれの集団に送られた預言者たちは、アッラーから派遣されたことを証明する奇蹟を持っていました。しかし、最後の啓典であるクルアーンが下された際には、アッラーはその最後の啓典自体に「イスラーム法の諸規則における奇蹟」を入れられました。そうすることで、日を追うごとに人々に奇蹟が現れ、各時代に、“至高なるアッラーが存在し、この教えはアッラーからのものである”こと、“かれのみこそが崇拝されるに相応しい創造主アッラーである”ことを示す証拠になります。
ここでは、科学的研究が到達し解明された、クルアーンとスンナに述べられている奇蹟については述べません。本題に入る前に、このポイントに注目して頂く事が目的なのです。

2.諸規則のメリットが隠されていることにおける第二の叡智:諸規則が啓示された当時の人間の理解が、そのメリットを認知出来なかったからです。なぜなら、人間の理性で解明できる広範な科学的研究が、当時は存在していなかったためです。そのため、これら諸規則が啓示されると、教友たちは純粋に「崇拝行為」としてそれらを実践しました。彼らには、諸規則が持つメリットに関する知識は、例えば、禁酒は、理性を酩酊から守るためであると言明されているケースの様に、少ししかありませんでした。そして、諸規則のメリットが隠されていることにおける最大の叡智は、“崇拝の対象(アッラー)のために行う”という、崇拝する者の心の中に実現されるべき「しもべ性」なのです。ですから、私たちは、“アッラーが崇拝されるに相応しい御方だから、彼を崇拝する”のです。一方、崇拝行為の成果は、アッラーからの恩恵です。そのため、どのような崇拝行為も、“しもべ性を実現するためにかれを崇める”、と意識すべきです。私たちが諸規則の成果(メリット)をどんなに知り尽くしても、「しもべ性の実現」が、常にその目的であり続けます。しかし、多くの人たちがこのことを見逃してしまっています。例えば:断食が持つさまざまなよく知られたメリットに基づいて、ダイエットや健康のために断食を好む人がいますが、そのような人には、断食は崇拝行為であって、それ以外ではないと、そして私たちはアッラーのためだけへの崇拝を断食に意図していることを、注意しなければなりません。そこから得られるメリットは、感謝すべきアッラーからの一方的な恩寵なのです。

*断食における科学的奇蹟:
断食には、個人や社会に還元される肯定的な大きなメリットが多くあります。初めに、個人に帰る断食の肯定的影響である身体的、精神的、心理的影響について話します。
身体的影響:
断食は身体にマイナス影響を与えると思っている人が多くいます。しかし、研究結果はその逆のことを示しています。つまり、断食は免疫力を高め、身体を肥満のあらゆる危険から守ります。人は、食事が原因で肥満になることもあれば、環境や社会や人からのストレスで肥満になることもあります。食事に関して言えば、断食によって食事の量は確実に減ります。黎明から日没まで食事を断つためです。
心理的影響:
ラマダーンの断食はその他諸々の崇拝行為を伴います。罪の赦し乞い、クルアーン、ズィクル(念唱)、サダカの捻出など。預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)は、断食の月に善行を多くすること、その他の崇拝行為をお勧めになりました。これらはすべて、精神的プレッシャーを紛らわして、安楽をもたらしてくれます。また断食は、腎臓結石の生成から身体を保護してくれます。血液中のナトリウム値を上げ、カルシウム塩の結晶化を制止してくれるためです。

・断食は人間の性的欲求を弱めます。とくに若者については、その欲求が精神の不安定をもたらすことは知られています。未婚の若い男女が、特に、このことを悩んでいると思われますが、断食は、断食する人が持つ、性的欲望が原因となっているすべての不安定を除去することを科学が証明しています。
後世になって科学がそのことを証明しましたが、預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)は1400年前に次のようにおっしゃっているのです:≪若者たちよ、あなた方のうち、可能な者は結婚しなさい。出来ない者は、断食をすること。なぜなら、それは彼にとって欲を抑えるものになるのですから。≫預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)は、結婚できない者は、断食することで結婚出来る時まで乗り切りなさい、と助言されたということです。
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