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預言者伝【番外編9】

2015年08月28日 | 預言者伝関連
彼(アッラーの祝福と平安あれ)の現世の見方と慎ましい生活:
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)の金貨や銀貨、財産といったものの見方は、どんな言葉でも、どんな修辞に富んだ能力をでも説明できないでしょう。彼の”信仰の学校”の学徒たち、そして東西にいるアラブと非アラブから成る彼らの学徒たちは、金貨や銀貨を、単なる粘土や小石、砂、土のように見ていました。彼らが現世において低廉であったこと、現世のきらびやかさを軽蔑していたこと、自分たち以外に金銭を費やすことに情熱を注いでいたこと、他人を常に優先していたこと、充足分に満足、または充足していないことにも満足していたことが伝えられています。では、すべてにおける彼らの模範であり、指導者、教師であったアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はどうだったのでしょうか。教友たち(アッラーの御満悦あれ)が伝えている話を見てみましょう。まことに、出来事や知らせ以上により強力な話はありません。

彼から言い伝えられた有名な言葉、彼はそれによって行動し、彼の人生はその上を回っていました:《アッラーよ、来世の生活以外に、(真の)生活などありません。》(アル=ブハーリー)また彼は、次のようにもおっしゃっていました:《私と現世にあるもの。私と現世は、旅客が木下の陰で休み、出発して去ってしまうようなものでしかない。》(アブーダーウード)

また、ウマル(アッラーの御満悦あれ)は、(植物の茎で織られた)マットの上に横になっておられるアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)を見ました。彼は、そのお身体にマットの跡が付いているのを見て、目から涙が溢れました。それを見たアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はウマルに、「どうした?」とおたずねになりました。ウマルは言いました:「アッラーの使徒さま!あなたさまは、あらゆる被造物の中のアッラーの選良です。キスラーとカイサルは恩恵の中にいるというのに。」アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は顔を赤らめておっしゃいました:「アル=ハターブの子(ウマル)よ、おまえには疑いの念があるのか?」続けておっしゃいました:「彼らは、彼らの現世のうちに、彼らの善良なものを急かされた民なのだ。」(アル=ブハーリーとムスリム)

アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は、このような生活スタイルをご自身だけにでなく、そのご家族にもお望みになり、そしてお好みになりました。彼(アッラーの祝福と平安あれ)は、このようにもおっしゃっていました:《アッラーよ、ムハンマド家の糧を充足するものとしてください。》(アル=ブハーリーとムスリム)アブーフライラ(アッラーの御満悦あれ)は言いました:アブーフライラの魂をその御手になさる御方に誓います。アッラーの預言者とそのご家族は、この世を去るまで、三日続けて小麦のパンで満腹になることはありませんでした。(アル=ブハーリーとアハマド)アーイシャ(アッラーの御満悦あれ)も言いました:私たち、ムハンマド家は、半月の間、(料理のために)火を点けることはありませんでした。まことに、黒い二つのみでした。(それは、)ナツメヤシと水です。(アル=ブハーリーとムスリム)

(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P425~427)

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