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アッラーとしもべの悔悟の関係

2008年06月03日 | あちこちからタズキヤ(自我浄化)

教友アブー アッ・ダルダーゥが預言者(平安と祝福がありますように)より伝えたアル・ハディース アル・クドゥスィー。イマーム・アフマドなどが出典。このハディースのレベルは、ダイーフ(弱い)であるが、徳にちなんだものなのでご紹介。

預言者(平安と祝福がありますように)によると、至高なるアッラーは言われた:

本当に、わたしと人間とジンには偉大なる消息がある。
わたしが創造すると、わたし以外が崇められ、
わたしが養うと、わたし以外が感謝される。
わたしのしもべたちのための恩恵は限りなく下るが、
かれらはわたしに対して悪を行う。
わたしはかれらを必要としないが、わたしの恩恵を与えることで、かれらと親しくあろうとする。
しかしかれらはわたしを一番必要としているにも拘らず、悪行をもってわたしを拒否する。
かれらのうち、わたしの方へ向いた者に、わたしは遠くから出迎える。
また、わたしに背を向けた者に、わたしは近くから呼びかける。
わたしを想う者は、わたしの親愛なる者であり、
わたしに感謝を捧げる者は、わたしの(恩恵の)増加を受ける者である。
わたしは、わたしに背く者にわたしの慈悲を失望させない。
かれらが悔悟すれば、わたしはかれらの愛する存在となり、
悔悟しないのであれば、わたしは彼らの医者となろう。
わたしはかれらを数々の災難で試すが、
それはかれらを罪業と恥業から清めるためである。
善行はわたしの許で10倍にふくらみ、またわたしはそれを増加させる。
罪は1つと数えられ、わたしはそれを赦す。
わたしは、母親が子供を慈しむ以上に、しもべたちを慈しむ。

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『ダイーフと位付けされたハディースについて』

ダイーフ(弱)と位付けられたハディースをどのように扱うか、学者間で意見が分かれている。大まかに3派に分かれる。

①どのような分野であっても、ダイーフを根拠として全く参考にしない。(アル・ブハーリー、ムスリム、イブン・ハザムなど)

②ダイーフを根拠として参考にする。(アブー・ダーウード、イマーム・アフマド)

③訓戒、徳に関するダイーフは条件がそろえば根拠として参考にする。イブン・ハジャルがこの条件を取り上げている:
         1.酷いダイーフでないこと。例えば、嘘つきまたは嘘つきと思われる者が伝えたもの、また暗記力が弱く、間違えて伝承したらしき者が伝えたものでないこと。
         2.実際に行える範囲内ものであること。
         3.(ハディースの内容を)行うとき、それを確信するのではなく、念のために行う、と意思を持つこと。

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このハディースを聞いたとき、とてもとても感動したので、ノートにメモして大事に取っておきました。先日ノートを開いてまた読んで、再度感動。皆さんにも読んでもらえたら・・と思いすぐにUPしようとしましたが、このハディースは真正レベルにあるのかどうかをまず調べてみようと思い、ネットで検索をかけたところ、なんとダイーフでした。でも確か・・・徳についての内容であれば、参考にしても問題無かったはずと何となく思い出し、ハディース伝承学の本で確かめてみましたところ、↑のような解説を発見しました。以上が、今回このハディースを紹介するに至った経緯です。

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